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『企画した商品を購入した人を見るとうれしい』 浦和レッドダイヤモンズ商品企画担当・山村佳恵さんインタビュー

2019.07.04

提供:マイナビ進学編集部

『企画した商品を購入した人を見るとうれしい』 浦和レッドダイヤモンズ商品企画担当・山村佳恵さんインタビュー

愛するスポーツチームのグッズを身につけた人たちを、スタジアムや街中で見かけることがあると思います。何気なく見ているかもしれないその一つひとつには、実は世の中に出るまでにたくさんの過程があり、多くの人々の努力が集約されているのです。

チームに関するさまざまな商品はどうやって開発されているのか。今回はグッズの企画から制作の部分を取り仕切る、マーチャンダイジング部の山村佳恵さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 3カ月から半年後にどんな商品が必要なのか考えて企画するのが理想
  • 高校生のときに目標を定めそこから逆算し必要学科のある大学に進学
  • 「Jクラブに入りたい」ではなく「Jクラブで何がしたいか」が重要

年間で500種類以上商品を企画し販売

―― お仕事の概要を教えてください。

商品の企画から製作を担当しています。またライセンス関係の承認なども行っています。商品は1カ月未満でできるものもあれば半年かかるものもありますから、3カ月から半年ほど先の商品を考えるのが理想です。年間では500アイテム以上を新しく発売していると思います。

商品企画には大きく3つのパターンがあります。まずユニフォームをはじめ、応援フラッグやタオルマフラーなどのサッカークラブの定番商品の品揃え計画です。アイテム自体の見直し、デザインのブラッシュアップはもちろん、季節に合わせた商品企画も重要です。次に、メーカーさんからご提案をいただくものの検討。トレンド等を押さえるのも大事なので、メーカーさんから頂ける情報は大事にしています。3つ目は、記念グッズ関係や、また自分が思い描く内容を形にしたものです。

2019年に企画した商品で言えば「スターターキット」という、初めてスタジアムに来て応援する人向けの商品があります。おかげさまで、たくさんの方にご購入いただきました。

―― 仕事の楽しさややりがいはどのようなところにありますか?

自分の企画が商品になり、そのグッズを買ってくださった人を見たときは安心します。しかも「スターターキット」などのように自分発信で企画したものは、なおさらうれしく感じます。

また、SNS等でのコメントも勉強になります。否定的な意見だったとしてもそこにヒントがありますから、本当にうれしく思えます。浦和レッズは女性のファン・サポーターが3割から4割ほどいるので、今後は女性向けの商品も今まで以上に企画してみたいと思っています。

デザインと納期のバランス感覚が必要

――仕事でつらいこと・大変なことは何ですか?

時間がタイトなときがあります。平成最後のゴールを記念したタオルマフラーやシャツを販売した企画は、企画から販売準備までを約2週間で終わらせました。そのときは皆さんにとても協力していただきました。

最も販売量が多いのはホームゲームのときなのですが、ホームでの試合は年間に20数試合しかありません。そのため、ホームゲーム開催日に合わせて商品を企画・制作することになります。スピード感も重要なので、デザインにこだわりすぎると試合日に間に合わなかったりなど、常に葛藤があります。

また、ファン・サポーターのみなさまから頂いたグッズの売り上げは、クラブにとって大事な収入の一部です。グッズの製作~販売にかかるコストとのバランスを考慮し、いかに利益を出していくかが重要です。ただし、そうは言っても多くの方に楽しんでもらえるグッズをたくさん提供するということも大切にしたいですし、そのバランスはとても難しいと感じています。

それから、新しいことに挑戦すると賛否両論寄せられます。それをあまり気にしすぎてはいけませんが、ファン・サポーターの心理はちゃんと持っておかないといけないと思っています。


―― どのようなきっかけで現在の仕事に就きましたか?

私は中学・高校と女子サッカーをしていました。高校2年生のときJリーグの運営を手伝う機会があり、そのときに多くの人たちが試合に関わっていることを知りました。その後ドイツのサッカークラブのことを調べて感銘を受け、Jクラブに入りたいと思うようになりました。

その目標から逆算して、スポーツマネジメント学科がある大学に進学し、大学では先生方をはじめ、OB・OGでJクラブに入っている方に積極的にアプローチし、情報収集をしました。みなさんいつも親身に相談に乗ってくださいましたね。

マーチャンダイジングには数字が付きもの

―― 高校生の頃の経験で現在につながっていることはありますか?

女子サッカーをしていたとき、部活動を通してサッカーというものをいろいろな人から教わりました。競技的な事はもちろんですが、それ以外にもサッカーが持っているさまざまな可能性を教えてもらったことが自分の刺激になり、サッカーの職業に就きたいと思いました。また、サッカーで身についた、周りを見る、バランスを取るという感覚は今でも生きています。キャプテンを務めたこともプラスになりました。


―― どんな人がこの仕事に向いているのでしょうか?

マーチャンダイジングという職種上、数字はついて回ります。在庫の数字を追いかけたりしますし、いろいろなデータから販売予測などをしなければなりません。そのため数字に苦手意識があると、そこから目をそらしてしまい、結果として売れない商品の在庫を抱える可能性が増えてしまいます。

また学生の頃、「『Jクラブに入りたい』ではなく、『Jクラブに入って何がしたいか』という考えを持ちなさい」とアドバイスされていました。学生でサッカーに関わる仕事がしたいという人はたくさんいるので、その中で具体的に何をしたいのかを考えられていることは、自然と周りと差がつくと思います。


―― 高校生に向けてアドバイスをお願いします。

もし商品企画をやりたいと思っているのなら、マーチャンダイジングの本はいくつも出ていますから、自己学習して損になることはありません。また、世の中の動きに敏感なほうがいいので、雑貨店やアパレル店を回るようにしておけば、アイデアがいろいろ湧いてくると思います。

他には観察力を身につけておくといいでしょう。どんなものを身につけているのか、年代や性別で違うものの、一定の傾向はありますから、それを見つけられるようになるといいと思います。加えて柔軟性・傾聴力があれば、いろんな人が情報や意見をくれますよ。



山村さんは大学を卒業し、新卒で浦和レッズに入ると浦和レッズ・レディースの試合運営、スポンサー関連事業などで経験を積み、マーチャンダイジング部に異動したそうです。多くの経験を積んだからこそ、ファン・サポーターの心境がしっかりと把握でき、企画を実際に商品化できるスキルが身についたのではないでしょうか。また、高校時代に進路をしっかりと定めてまい進する目的意識と行動力があったからこそ、頭の中にある商品を形にできたのでしょう。たくさんのアイデアを次々に思いつかなければならない大変な職業に思えたのですが、山村さんはとても楽しそうに語っていらっしゃるのが印象的でした。


【取材協力】浦和レッドダイヤモンズ
【取材】森雅史/日本蹴球合同会社

この記事のテーマ
健康・スポーツ」を解説

スポーツ選手のトレーニングやコンディション管理に関わる仕事と、インストラクターなどの運動指導者として心身の健康管理やスポーツの有用性を広く一般に伝える仕事に大別できます。特に一般向けは、高齢化の進展や生活習慣病の蔓延が社会問題化する中、食生活や睡眠も含めて指導できる者への需要が高まっています。授業は目指す職業により異なります。

「健康・スポーツ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「スポーツのチームや組織で働く人」
はこんな仕事です

野球やサッカーなど、スポーツ選手が所属するクラブチームの運営に携わる仕事。広報活動やスポンサーの開拓、選手の契約の管理、経理など、業務内容は幅広い。新たな有力選手の入団交渉や、所属選手に対する処遇の変更など、チームの人事面もサポート。また、サポーターやファンの来場数を増やすために、集客方法を考案することもある。クラブチームを運営する企業に就職するケースが一般的。必要な資格はないが、スポーツが好きで、チームや選手に愛着を持って業務と向き合える人に向いている。

「スポーツのチームや組織で働く人」について詳しく見る

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