【第51回 国際化学オリンピック フランス大会】日本代表にインタビュー・後編

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【第51回 国際化学オリンピック フランス大会】日本代表にインタビュー・後編

2019.05.28

提供:マイナビ進学編集部

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【第51回 国際化学オリンピック フランス大会】日本代表にインタビュー・後編

筆記試験と実験を通して化学の解析力と実行力を競う世界大会「国際化学オリンピック」。今回は、日本代表生徒が参加する「第51回 国際化学オリンピック フランス大会」に向けた第2回特別訓練合宿の様子を取材しました。後編では、日本代表の灘高等学校3年の平嶋くん(写真右)と横浜市立南高等学校3年の大渕くん(写真左)に伺った大会への意欲と共に、合宿の概要をレポートします。

この記事をまとめると

  • 合宿に参加し、大学教員、化学オリンピックのOB・OGの講師陣によるプログラムで化学学習を深める
  • 先輩OB・OG方の活躍が、モチベーションを高める
  • 大会の目玉は、世界80か国の生徒との国際交流

講義と実験が行われる日本代表の特別訓練合宿

日本代表生徒に選ばれた4名は、4回の特別訓練合宿に参加します。今回取材に伺ったのは、埼玉大学で行われた3泊4日の第二回特別訓練合宿。大学教授などの指導により、午前中は大学ラボでの4時間に及ぶ実験プログラム、午後は化学の講義が行われます。実験練習では、「ワイン畑を保護する」など大会本部が発表した準備問題に挑戦し、酸化還元滴定などの方法を用いる実験が行われました。

とはいえ使用される実験器具は、日本代表生徒の多くが触れたことのないものばかり。「国際大会に参加して明らかになったのは、日本の高校における化学のカリキュラムは80年代から指導内容にあまり変化がないこと、社会や生活の変化に十分対応できていないというのが実態です。この大会を通して、『高校化学の教育内容を国際水準に合わせて見直したほうがいいのでは?』という問題提起を、教育関係者はもちろん、社会の多くの方に知ってもらう機会にできたら」と、何回かの大会に引率してきた東京農工大学の米澤宣行教授は話してくださいました。

悔しさをバネに、化学コンテストの頂点を目指す意欲

今回は日本代表の平嶋くん、大渕くんに伺った大会への意気込みを紹介します。

――「国際化学オリンピック」の日本代表に選抜されて、どのようなお気持ちですか?

平嶋:日本代表生徒決定の電話をいただいた時、飛び上がるような感動はありませんでしたが、中学3年生の時、代表選抜で落ちた経験があるので「ようやく選ばれた、やっと前に進める」と、一息付けるような気がしました。

大渕:代表選抜の2次選考でミスをおかした気がして諦めていたので、受かったと聞いても最初は実感が湧かなくて……。後からうれしい気持ちが込み上げてきました。前年の「化学グランプリ」で予選落ちだったことが悔しくて、「今年は頑張るぞ!」という意気込みを持って挑みましたが、特別な勉強はしてこなかったので、「ここまで来てしまって、いいのかな?」という思いもあります。


――「化学グランプリ2018」に出場されたきっかけは?

平嶋:「化学グランプリ」には、中学1年生から参加しています。中高一貫校に通っていて、所属する化学研究部の先輩がみんな出ているので、最初はあまり深く意識をせずに出場しました。中2以降も、先輩方が意欲的に参加しているのを見て、その背中を追いかけてきた感じです。灘高校には、二つ上の学年に「国際化学オリンピック」日本代表の先輩が二人いたり、別の科学コンテストで成果を出している同級生もいたりするので、周囲に感化されながら、モチベーションを高めています。

大渕:高校一年生の時に「日本数学オリンピック」について調べていたところ、他にも“オリンピック”という名称がつく科学技術コンテストがたくさんあることを知って、「化学が好きだから受けてみよう」と思いました。

大会用参考書で、ハイレベルな国際水準の化学を学ぶ

――大会に向けてどのような勉強を行ってきましたか?

平嶋:「化学グランプリ」を目前にして、化学を復習してみたら「やっぱり楽しい」と感じたので、少し頑張って勉強して……。国際大会の代表候補になってからは、いただいた教材を読む以上の勉強は、基本的にはやっていません。高2になると、化学の他、数学などの幅広い知識が積み重なり、代表選抜を突破できなかった中3当時よりはよくできたのだと思います。
日頃からコツコツ勉強するのは苦手です。興が乗るときは1週間ぐらい集中して勉強できるので、一気に教科書などを読み進めますが、乗らないときは割り切って、暗記ものだけに取り組むようにしています。


――「国際化学オリンピック」に向けて、何か努力や工夫をしていますか?

平嶋:所属する化学研究部は、もっぱら先輩方による講義が中心で、その際の副読本が「国際化学オリンピック」の選抜で配られる学習用参考書でした。言ってしまえば、中2の頃から自然に大会用の参考書を読んでいる環境にあったことが、今回の結果に少なからず影響しているとは思います。「大学寄りの化学がやりたい」というモチベーションでやってきたことが役に立ちました。

大渕:国際化学オリンピックに向けた勉強は難しくて……。学校の勉強とは異なり、内容がハイレベルなので、学習用参考書を読んでいても途中で訳が分からなくなったりして、何度も読み返して、理解を深めています。無機化学は覚えることも多くて不得意なので、苦手分野を克服するために重点的に取り組んでいます。

化学好きが背負う、日本代表としての重みと期待

――化学のどのような部分に魅力を感じますか?

大渕:さまざまなものが100個超の元素からできていることを知り、宇宙が元素だけで成り立っている事実に感動して化学が好きになりました。小学生の頃は、上野の国立博物館に元素の展示を見に行ったりしましたが、年齢が上がるにつれ、パズルのように組み立てて答えを導き出す、有機化学の理論的なところが面白いと感じるようになりました。


――今後の進路はどのように考えていますか?

平嶋:博士号までは取得したいのですが、まだ具体的な進路は決めていません。

大渕:大学は理学部を受験して、専門分野は勉強しながら考えていきたいと思っています。


――「国際化学オリンピック」への意気込みを教えてください。

平嶋:過去の成績を見ると日本代表はほとんどメダルを取っているので、日本代表という肩書を背負って参加する以上は、「恥ずかしい成績は取れない」という思いがあります。強豪国と戦える場を得たからには、“金”を目指したいですね。戦うと言っても、他国との友好、交流がメインなわけで、80カ国もの同年代に会えるのはすごく楽しみだし、彼らと同じ舞台に立たせてもらえるからこそ、燃えるものがあります。試験以外はすべてエクスカーションになり、これだけの規模の国際交流の場は初めてなので、この機会を大切にしたいと思います。

合宿で化学力強化の体験を重ねた日本代表生徒たちは、日本の化学教育を超える国際水準の中等教育を受け、さらにより進んだ勉強を続けている海外の代表生徒たちと同じ舞台で、化学の実力を競います。「国際化学オリンピック」での彼らの活躍を通じて、化学の魅力はもちろん、古いと言われる日本の中等教育の実態が広まり、未来の高校生が、国際水準の適切な化学のカリキュラムを受けられる環境になることを切に願います。

【profile】
横浜市立南高等学校 大渕将寛(3年)、灘高等学校 平嶋瞭一(3年)

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