高校生がTOKYO FM 生放送ラジオ収録見学! ラジオ局ってどんなところ?
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皆さんは日頃ラジオを聞きますか? 好きなアーティストや芸能人がきっかけで、ラジオを日常的に聞いている高校生もいるかもしれません。
3月26日(火)、東京・半蔵門にあるラジオ局・TOKYO FMで、マイナビ進学会員の高校生がラジオ生放送の現場見学に参加しました。当日はTOKYO FM局舎内を見学したり、社員の方から話を聞いたり、有意義な時間を過ごしました。今回はその模様をレポートします。
この記事をまとめると
- 高校生がラジオ局・TOKYO FMを見学
- TOKYO FM広報担当者に聞く、仕事の内容とは
- 高校生が意外に思った、ラジオ収録の人数
高橋みなみさんの生放送番組を見学!
当日は、関ひなのさん(高2)、那須瑛さん(高2)、浦口梨奈さん(高2)の3人が参加。マスコミ業界に興味がある、高橋みなみさんが好き、ラジオの運営に興味があるなど、参加の理由はさまざまでしたが、普段体験できないTOKYO FMの局舎内を見学できるとあって、ワクワクしている様子でした。
最初にラジオを収録するスタジオ見学に訪れた3人。生放送の収録にも使われるというスタジオはコンサートホールのような雰囲気で、音響システムも最新のものが入っているそう。音響機材に興味のあるという参加者の浦口さんは、目を輝かせながら機材に関する質問をしていました。
そしていよいよ生放送番組『高橋みなみの「これから、何する?」』のスタジオへ移動。スタジオ内に高橋みなみさんの姿を見つけると、一斉にテンションが上がりました。この日のゲストはback numberの皆さんで、高橋みなみさんと「バンドマンとしての流儀」をテーマにトークが盛り上がりました。現場では番組担当プロデューサーの田中さんが同席してくださり、生放送ではその日の天気に合わせて選曲したりすること、番組放送中もTwitterをチェックしながらリスナーの反応を見ているなど、生放送番組がどのように進行していくのか詳しく説明してくださいました。
見学が終わると高橋みなみさんのファンの那須さんは「高橋さんの上手なトークが見られてうれしい」と満足した笑顔を見せてくれました。
TOKYO FM 広報担当の方に伺う、ラジオ局での仕事
局舎内の見学後、TOKYO FMで広報の仕事をされている、岡田啓輔さんにお話を伺いました。
―― 広報ではどのような仕事をしていますか?
広く言うと、ラジオをいろいろな人に広める仕事をしているのですが、具体的には3つの仕事をしています。
1つ目は、新聞のラジオ欄に載せる文章を書いています。番組で何をやるのか、どんなゲストが来るのかなど、少しでもリスナーの目に留まる言葉を1行から3行で考えるコピーライターのような仕事です。
2つ目は、話題性のあるゲストが出演する時に、メディアの方へプレスリリースを出しています。ニュースとして取り上げてもらえるような文章を作成しています。
3つ目はSNSの更新です。最近はTwitterで日常のこともTweetするようにしています。例えばTOKYO FMがある半蔵門で桜が咲き始めましたとか、少しでも目に留まってもらえるようなリアルな出来事を発信するようにしています。
―― 仕事のやりがいや楽しさはどんなところでしょうか?
私は今年の1月から広報の担当になったのですが、それまでは1年半ほど制作ADの仕事をしていました。ADの仕事は放送が終わった瞬間に一段落するのですが、広報の仕事には終わりがありません。でもどれだけ反響があったかを考えながら取り組むところに、やりがいを感じます。私は学生時代に雑学王になりたいと思っていたほど、いろいろな情報を蓄えることが好きだったので、その部分は今の仕事にも生かせていると思います。
―― 仕事の大変なところは何ですか?
番組の魅力がうまく広がっている実感が、意外と分からないところです。例えばプレスリリースを出してそれがインターネットのニュースに載ったら、自分が普段触れているメディアに届いたという実感がありますが、毎回それを感じられるわけではありません。
最終的に番組の面白さは、現場のディレクターや作家、パーソナリティーの腕にかかっているところはありますが、そこにたどり着くまでの入り口の部分は私の仕事なので、まだまだ慣れていないなと思います。
―― 仕事をしていく上で大切にしていることはありますか?
ラジオはリスナーの皆さんのメールやSNSでの書き込みで成り立っているものなので、そうした人たちと感覚がずれないようにすることは大事だと思います。あとはラジオや音楽が好きなことも大切です。
私は高校生の頃から、家にいる時はずっとラジオを聞いていました。風邪をひいて家にいるときは20時間ぐらい聞いていたこともありました。ラジオを聞くことが苦じゃない、歩きながら聞いていても苦じゃないと思えることが大切ですし、そう思ってもらえる番組を作っていきたいと思っています。
―― 高校生がラジオの仕事をしたいと思った時に、今からできることは何ですか?
ラジオをたくさん聞くことと、ラジオ以外の興味をたくさん持つことだと思います。私の同期には、映画が好きで年間何百本も見るとか、CDはジャケットを見るだけで音楽のジャンルが分かるなど、ラジオ以外のところにも深い興味・知識を持っている人がいました。他の分野で極めたことがラジオの世界でのアイデアにつながると思うので、いろいろなものに興味を持つことが大事だと思います。
高校生が岡田さんへ進路の相談!?
広報の仕事に関して、とても分かりやすく説明をしてくださった岡田さん。せっかくの機会なので、高校生からの質問にも答えていただきました。
―― 先ほどスタジオにいた皆さんは、ヘッドフォンをしていましたが、別の部屋にいるディレクターの声は聞こえているのですか?(浦口さん)
聞こえています。パーソナリティがいる部屋とディレクターなどがいる部屋はトークバックというトランシーバーみたいなものでつながっていて、ディレクターがボタンを押してしゃべるとその声も入ります。パーソナリティ側ではディレクターなどが話す声の音量を調節したりすることもできます。
―― 岡田さんは大学では何を勉強していましたか?(関さん)
大学は商学部へ進学しました。経営やマーケティングの概念を勉強して、労働経済のゼミに入りました。私の大学ではメディアの勉強ができる専門的な学部があって、他学部の学生も受講できたため、メディアと社会心理学のゼミにも所属していました。そのため、卒業論文は2つ書きました。大学での勉強は楽しかったので、大学2年~3年の頃は、土曜日の朝の授業を受けたりして、週6日は学校に行っていました。
―― 進学先については、どのタイミングで決めましたか?(那須さん)
中高一貫校だったので、まわりの友達は高校1年生の後期ぐらいに進路を決め始めていました。でもみんなが一生懸命勉強している頃、私は毎日雑誌を読んだりラジオを聞いたり……という生活をしていたので、成績は順調に落ちていきました(笑)。結局1年間浪人をして、一生懸命受験勉強をしましたが、進路の選択は早めにしたほうがよいのかなと思います。
全ての見学が終了したあと、参加した3人に感想を聞いてみました。
関さん:驚いたのは、ラジオ番組に関わっている人が意外に少人数だったことです。ラジオは声だけのメディアなので、そこが魅力的で面白いと思いました。ただ生放送の現場を見ると1分1秒の時間が大事で、緊張感がある大変な仕事だなと思いました。
那須さん:今まではテレビが大好きで、職業体験で見学に行ったりしていましたが、ラジオの裏側はあんまり見たことがありませんでした。今日初めて自分の目で見て、こんなに少人数でやっているんだとか、こういうスタジオで放送しているんだというのを肌で感じることができてためになりました。私も生放送はドキドキしながら聞いているのですが、たくさんの方の力があって、成り立っているんだということを感じました。
浦口さん:機材を見ることができて楽しかったです。一人でも欠けたら放送が成り立たないと思いましたし、いろいろな職業の人がいるのだと一つひとつ当てはめることができて、すごく学びやすかったです。生放送の現場はすごく緊張感があると思いましたが、将来実際に体験してみたいとも感じました。
3人の高校生に「自分にもラジオの仕事ができると思いましたか?」という質問をすると、皆さんまだ自信は無さそうでしたが、ラジオの仕事についてはよく分かったと満足している様子でした。広報の岡田さんいわく、「ラジオの世界への関わり方はいろいろな選択肢がある」のだそう。これから進路を考える高校生にとって参考になる言葉になったのではないかと思います。
【取材協力】TOKYO FM
高橋みなみの「これから、何する?」
https://www.tfm.co.jp/korenani/