SNSからデザインを発信! 高校生デザイナー・KUDOくんにインタビュー
メイン
テーマ

高校生デザイナーとして活動中のKUDOさん。TwitterやInstagramで、自主制作を中心としたグラフィックデザインを精力的に発表しています。現在高校2年生のKUDOさんが本格的にデザインを始めたのは中学時代。デザイナーとして活動するようになったきっかけや、作品のアイデア、将来の夢などについてお話を伺いました。
この記事をまとめると
- 自主制作を中心にグラフィックデザインをSNSで発表
- 中学生のとき古書店で見たポスターに衝撃を受けデザインを始めた
- グラフィックデザインに固執せず、いろいろな分野に挑戦したい
デザインのもとになるアイデアは普段からストック
―― 現在のご活動について教えてください。
自主制作を中心に、SNSでグラフィックデザインを発表しています。デザインに興味を持ったきっかけがタイポグラフィ(*1)だったので、制作するときにも文字を意識することが多いですね。自主制作の他に、名刺などの受注制作を行ったり企画展に参加したりすることもあります。デザイン制作の依頼は、TwitterなどSNS経由でいただくことがほとんどです。また現在は、「A-20(Around20)」というプロダクトデザイン(*2)のプロジェクトチームにも参加しています。
僕は中高一貫校に通っているのですが、学校では「コマ撮り部」というストップモーションの団体を立ち上げ、中学2年生のときから3年間活動しています。作品は毎年文化祭で発表していて、昨年初めてネットで公開したところ、とても大きな反響をいただきました。
(*1)タイポグラフィ……文字そのもの、または文字を要素としたデザイン
(*2)プロダクトデザイン……製品のデザイン
―― 毎日、どのように過ごしていますか?
学校から帰宅後、夕方から夜にかけてデザインをするのが日課です。気ままに思いついたものを作るときもあれば、ストックしてあるアイデアを形にすることも。普段から小さいクロッキー帳(絵を描くための画材)を持ち歩いていて、アイデアを思いついたらすぐにメモに残すようにしています。
僕は古書店が大好きでよく行くのですが、新旧さまざまなデザインの本を見ていると本当に刺激を受けます。建築や写真関係の本を見ることも多いですね。その時々で偶然の出合いが楽しめるワクワク感も、古書店の醍醐味だと思います。気になるものがあったら記憶が薄れないうちにメモやスケッチをして、そうするとアイデアもいろいろ浮かんでくるんです。インプットとアウトプットを同時に行っている感じです。
1枚のポスターとの出会いから独学でデザイン活動をスタート
―― デザイナーとして活動することになったきっかけを教えてください。
小さい頃からもの作りが好きで、段ボールや割箸を使ってよく父と工作をしていました。「遊び道具は自分で作る」という感覚で、小学生の頃は、連射式のゴム銃を接着剤なしで工夫して作ったりしていました。また僕は親の仕事の関係で小6までを海外で過ごし、現地のインターナショナルスクールに通っていたんですが、学校では本格的なパソコンの授業があり、その中でパソコンに慣れ、使い方も身につけることができました。今思えばこれらの経験が、僕のデザイン活動の原点になっているのかもしれません。中学生になってからは、スマホの画像加工アプリで壁紙やロゴのパロディを作り、LINEのタイムラインにアップしていました。
デザインを始めたきっかけは、ちょうどその頃古書店で見た1枚のポスターです。マックス・ビルという建築家の個展のポスターで、見た瞬間に「かっこいい!」と衝撃を受けました。今まで見た中で一番鮮明に記憶に残っているデザインです。そして「僕もこういうものを作りたい」「どうすればいいんだろう」と調べていくうちに、タイポグラフィという言葉を知りました。自分のやりたいこととタイポグラフィの分野がピッタリと合致し、そこから本格的にデザイン活動をスタートしました。
新しい分野に積極的に手を伸ばし、ジャンルにとらわれないデザインを目指す
―― 学業との両立について、何か意識していることはありますか?
高校生なので、あくまでも学業優先で活動しています。企業からデザインのご依頼があった場合も、学業優先であることを説明してご了承いただいています。テスト期間中は勉強に集中し、パソコンには向かいません。勉強中にアイデアが浮かんでノートの端に描くことはありますが(笑)。もともと勉強に関しては短期集中型なので、そこはしっかりと切り替えるようにしています。
―― 今後の目標を教えてください。
周りからはよく「将来はグラフィックデザイナーになるんでしょう?」と言われますが、僕自身はまだそう決めてはいません。クリエイティブなことに従事したい、という思いはハッキリしているものの、それがグラフィックデザインなのか動画なのか、目指す職種もプロデューサーなのかディレクターなのか、今はまだ模索中です。その方向性を決めるためにも、高校卒業後はデザイン学部のある大学に進学するつもりです。これまでずっと独学でデザインをやってきたので、基礎からしっかりと学び直したいと思っています。
デザイナーとして目指しているのは「ジャンルにとらわれないデザイン」。一つのジャンルに固執することなく、いろいろな分野に手を伸ばしていきたいです。たとえば一昔前までUXデザイン・UIデザインというジャンルが存在しなかったように、僕が大人になる頃には全く新しいデザインのジャンルが生まれているかもしれません。たくさんの経験を積んで選択肢の幅を広げ、新しいものにも柔軟に対応できるクリエイターを目指したいと思います。
デザインに関しては完全に独学というKUDOくん。初めのうちはグラフィックデザインの作品集を見て、気になった作品を無料のグラフィックソフトで再現する“模写”からスタートしたそうです。その傍ら、さまざまな本からデザインのノウハウを身につけていったのだとか。KUDOくんのnoteではデザイン制作のプロセスや裏話なども公開されているので、興味のある方は是非のぞいてみてはいかがでしょうか。
【profile】グラフィックデザイナー KUDO
・Twitter @Kudo_design
・Instagram @kudographicdesign
・note https://note.mu/kudodesign