【保護者のミカタ】全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんが語る、リベラルアーツ教育を選択した理由

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【保護者のミカタ】全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんが語る、リベラルアーツ教育を選択した理由

2019.04.05

提供:マイナビ進学編集部

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【保護者のミカタ】全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんが語る、リベラルアーツ教育を選択した理由

米国で毎年行われている「The Distinguished Young Women of America(全米最優秀女子高生)」は、女子高校生の知性や才能、リーダーシップを競う伝統ある大学奨学金コンクールです。米国人の父親、日本人の母親を持つスカイ・ボークさんが2017年に優勝し大きな話題となりました。

今回はスカイさんの母であるボーク重子さんにお話を伺うことができました。ボークさんご自身が実践されてきた「リベラルアーツ教育」とはどんなものなのでしょうか。

この記事をまとめると

  • 英語が流暢に話せても、メンタリティーがなければ心はつながらない
  • 世の中のために何ができるのかという考え方を持つことが重要
  • 変化の激しい時代、人生を切り開いていく姿を娘に見せ続けたい

自分の意見が言えない! そんな時に知った「リベラルアーツ教育」

―― ボークさんの著書『世界基準の子どもの教養』で、リベラルアーツ教育の大切さについて述べられていますが、改めてどのような教育なのか教えていただけますか?
 
一言でいうと問いを立てる力をつけることです。リベラルアーツは日本語に訳すと「一般教養」となりますが、実は全く意味が違います。一般教養というのは知識を学んでため込む勉強ですが、リベラルアーツは物の考え方を意味しています。

『レ・ミゼラブル』という物語を例に挙げると、この物語の中で「かわいそうな女の子の名前は何でしたか?」「この物語はいつの時代で、その頃何がありましたか?」という質問をするのは、長く日本で行われてきた認知教育です。しかし「あなたがかわいそうな少女コゼットだったら、どのように行動していましたか?」という質問をするのがリベラルアーツ教育です。時代背景やコゼットの名前を覚えていなくてもいいのです。

私がリベラルアーツ教育を知ったのは、娘が幼稚園に入った時です。娘の先生は教えるというより、子どもたちと対話することで全ての授業を進めていきました。子どもは子どもなりにきちんと考えていて、自分の言っていることとやっていることのつじつまが合わないと修正をしていくのです。4歳でもこんな能力があるのかと驚きました。

それに比べて私は、「言われたことを正しくするのがいい子」という教育を受けてきたので、自分の意見を言ったり考えたりすることをしてこなかったことに気が付きました。夫と一緒に会合へ出席しても、自分の意見を言うことができないので、人がどんどん去っていきました。たとえ英語ができてもそれはただ言葉を伝えるための道具にすぎなくて、心がつながるにはメンタリティーが必要なのです。

――そんな中、ボークさんは状況を変えるために行動に移しました。なぜですか?
 
英語で言うと「Do or die(やるか死ぬか)」という状況でした。娘には私みたいに自信がなく自己肯定感が低くて、思ったことも言えない人間になってほしくないと強く思ったのです。

中には「認知教育は結果が出ているのだから、認知教育をしたほうがいい大学に入ることができる」と言う人もいました。確かに私は認知教育を受けてきて、大学院へ行って学位を取ることができましたが、「心」という視点で見ると全然ダメでした。当時から社会が変化していく様が見えましたから、そんな時代に自分で自分の人生を切り開けないと大変なことになると思いました。だからやるしかない、私が受けた教育と違うことをやらなければ変わらないと考えたのです。私のようになってほしくないという思いがきっかけにもなったし、勇気にもなりました。


―― 娘のスカイさんには、具体的にどのようなことをなさったのですか?
 
家族で対話をして娘が自由に意見を言える場を作ること、そして家族の一員であるという自覚を持たせるために役割を与えること、この2つを意識しました。

とにかくいろいろな話題を選んで家族で話をしました。話すといっても堅苦しいものではなくて、例えばテレビのニュースを見て「これってどう思う?」とか、そういうことを日常的な会話にしていました。

娘に役割を与えたのは、家族は最小にして最強のコミュニティーなので、そのコミュニティーの一員だという意識を持ってもらうためです。変化の激しい世の中を一人だけで生きてはいけません。いろいろな人と協力をしてネットワーク、人的財産を広げていけば人生がより豊かになるし素晴らしいことが生まれます。その大本となる家族の中で役割を持つことが大切だと考え、娘が小さい時から「何ができる?」と聞いて娘に決めさせてきました。

私自身は小さいときに誰かの役に立つという意識を持っておらず、自己肯定感があまり育ちませんでした。でも自己肯定感は非常に重要で、自分をあるがままに認め、そこから初めて共感する力や自信が生まれてくるのです。ちなみに娘が小学生の頃から日曜日の朝ごはんの用意を任せてきましたし、週末に家族で出掛ける時は、夫は運転、娘は計画を立てる係、私は細々とした雑用担当とそれぞれに役割がありました。

これからの世の中はビッグビジョンとCauseの意識を持つことが大切

―― ボークさんが行ってきた子育てを実践してきた人は日本で少ないかもしれません。子どもが高校生になった今だからこそできることはあるのでしょうか?
 
高校生を持つ親御さんであれば、まさに「Do or die」です。なぜならば2021年に大学受験の制度が変わり、調査書を自分で書く必要が出てくるからです。世界のトップの大学は、21世紀をより良くするためにはどうすればいいかという視点で教育をしています。高校もそういう視点で教育をしないと、大学が欲しい人材を育てることができません。日本もこれに近付いているのです。自分は世の中のために何ができるのか、つまりビッグビジョンとCause(人を動かす理念や信念、大義のこと)の意識を持つことが、調査書を書く上で重要になってきます。

例えば単に「お金が稼げるので歯医者になりたい」では、大学側も自分たちが与えた教育によって、この子が将来どのように社会貢献してくれるのか分かりません。でも「お金がなくて歯医者に行けない子どもたちが多いので、歯医者になったらそういう子たちを定期的に診療するクリニックを開きたいです」と言えば全く印象が違います。こうしたことはCauseの意識がなければ書くことができません。

娘はコロンビア大学に通っていますが、米国の大学の学生の成績にはある程度幅があります。。つまり学力はある程度あればよいという考え方になっており、それよりも人間力が重要になってきています。日本もこれから変わってくると思います。


―― 日本の教育は米国のいいところを取り入れようとしているのですね。
 
認知教育においては世界も認める素晴らしい教育をすでにしていますから、日本はものすごく可能性があると思っています。日本の学生は優秀ですが、今は優秀さの基準が変わってきているのです。それは頭の良し悪しではなく、リベラルアーツの思考力で自分の意見を持つ、自分は社会のために何ができるのかというビッグビジョンを持つ、そしてそれをきちんと伝えていけるコミュニケーション能力、協働してより良くするための議論する力、こうしたものが必要になっているのです。

日本は今のままではまずいと考えたので、大学入試が変わるわけですよね。そういう意味で今の高校1年生、2年生はいい時期にいると思います。1年から2年かけて、得意なことや目的を考えていけば調査書に書けることも増えていきます。十分時間はあると思いますよ。

生涯現役! 母親として人生を切り開いていく姿を娘に見せていきたい

―― 高校生の子どもを持つ親は大変なことも多いと思います。子どもに対してどのように接していけばいいのでしょうか?
 
お子さんが反抗期であっても、反抗期があるということは実に健康的なことだと思います。一番重要なのは、子どもは反抗していても、親を必死に愛しているということ。それを常に心に置いておくことが必要です。この時期の子どもはとにかくいろいろなことを言ってきますから、親は右から左へ聞き流すことです。子どもは誰かに吐き出したいわけですから、吐き出すことができない環境は危険です。子どもが反抗をしているうちは安全な環境ができているんだなと思っているぐらいがいいと思いますよ。反抗期は必ず終わりがきますから。

反抗期に、先ほど言った家族の一員としての役割を与えることは大変だと思います。私は時には子どもに「親の大変さ」を伝えても全く問題ないと思っています。「大学の費用を稼がなければいけないから一生懸命仕事をしている。だから少しでも手伝いをしてもらえると助かる」と言ってみるのです。そして子どもが手伝ってくれたら、おおげさなくらい「ありがとう」とお礼を言いましょう。その時に子どもは「自分も人の役に立った」と感じられると思います。


―― ボークさんはこれから母親としてどのように生きていきたいですか?
 
米国人の友人はよく、「女の人生は50歳からよ」と言っていました。20代は人生の模索の時期、30代から40代は子育ての時期。でも50代になると、子どもが巣立っていくので時間がたくさんできますし、精神的にも落ち着いて新たなエネルギーが湧いてくるんです。私は50歳でキャリアを変えました。ライフコーチになり、娘が大学へ入学した52歳の時に本を3冊出版しました。まさにみんなの言っていたとおりだなと思っています。

私が母親として昔から娘に言っていることは、人生はキャリアが一つだと考えなくてもいいということです。昔はプロフェッショナルといわれるには一つのことに集中しなければならないと言われていましたが、今はそれぞれの世代でできることがあります。私は35歳でプライベートディーラーを始めて39歳でギャラリーを開き、先ほど言ったようにキャリアを変えてきました。娘は私の変革を見てきましたし、もちろんその中で私が失敗してきた姿も見ています。娘も私に育てられたという感覚はないと思うし、私も娘を育てたというよりは、お互い育て合ったという感じがしています。

私は娘より年上である女性の責任として、変化の激しい時代を自分でどんどん人生を切り開き、経済的に自立した姿を見せることが非常に重要だと考えています。パッションを持って、生涯現役でいきたいなと思います。



初対面の私たちにも、笑顔で積極的に話題を提供してくれ、コミュニケーション能力の高さが際立っていたボークさん。第一印象どおり、情熱的にさまざまなお話を聞かせてくださいました。颯爽としてかっこいいボークさんが「娘には失敗している姿ばかり見せている」というのは意外なエピソードでしたが、スカイさんとの関係を「一緒に育ってきた、お互い育て合ったという感じ」と語る姿に、新しい親子の関係を垣間見ることができたような気がしました。


【profile】作家/ICF認定コーチ ボーク重子

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