メカトロニクスのちからとマンガ家のようなマインドで、地域の課題も世界の課題も、解決策を「まずは試作しちゃえ!」

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メカトロニクスのちからとマンガ家のようなマインドで、地域の課題も世界の課題も、解決策を「まずは試作しちゃえ!」

2019.03.01

提供:秋田県立大学

メカトロニクスのちからとマンガ家のようなマインドで、地域の課題も世界の課題も、解決策を「まずは試作しちゃえ!」

イノベーションは重要と言われますが、「こんないいアイデアがあるんですけれど」と説明するだけでなく、形にできれば、それを見て試した人が協力者になってくれるでしょう。科学技術の分野でも、近年のデジタルものづくり技術の進化によって、以前に比べると少ない人数、あまり多くない費用で、いろいろなものを作り出せるようになってきました。秋田県立大学システム科学技術学部知能メカトロニクス学科の齋藤敬研究室はそんな技術を身につけ、地域や世界の様々な問題の解決を目指した、新しいメカトロニクス機器を開発し実用化に近づけています。

この記事をまとめると

  • 知恵を求め、広める社会になってゆく ~イノベーションは難しくない~
  • いまそこにあるから、見て考えて試す地方の課題
  • そしてもっと広く人類に貢献すべく、医療工学へ

知恵を求め、広める社会になってゆく ~イノベーションは難しくない~

学生自主研究のメンバーと、かわさきロボット競技大会で記念撮影(2015)  ※多脚歩行ロボット「しろやぎ15」が特別戦出場チーム賞を受賞

学生自主研究のメンバーと、かわさきロボット競技大会で記念撮影(2015)  ※多脚歩行ロボット「しろやぎ15」が特別戦出場チーム賞を受賞

みなさんは、イノベーションって難しい技術の話だけと思っていませんか?本当は技術に限らず、「これまでにないやり方」はみんなイノベーションなのです。
でも、「こんないいアイデアがあるんですけれど」と説明するだけで、イノベーションに協力してくれる人を見つけられるでしょうか?例えば一人や数人で描いたマンガが、たくさんの人を巻き込んでアニメになったり映画になったりするように、アイデアだけでなく形になったものがあれば、それを実際に見たり試した人が協力しやすくなるのではないでしょうか。

科学技術の分野でも、近年のデジタルものづくり技術の進化によって、以前に比べると少ない人数とあまり多くない費用で、いろいろなものを試作できるようになってきました。つまりアイデアを形にして、社会に広める第一歩とするハードルが下がってきているのです。

秋田県立大学では、学生自主研究という学部1・2年生から本格的な研究に取り組めるしくみがあり、僕らはこの自主研究などを活用して、学生諸君といろいろな問題の解決策となるメカトロニクス機器を試作しています。そしてその試作した機器たちは、少しずつ社会で使われるようになってきているのです。

今後、人工知能やロボットの進化により、人間がやっていた様々な仕事が、人間不要で処理されるようになると予想されています。逆に言うと、これからの社会では「人間でないとできないこと」、つまり、知恵を求め、広めるためのやり方が重要になってきます。そんな学びの観点から、僕の研究室を例に、入学から卒業に至る学生の取り組み例を紹介したいと思います。

いまそこにあるから、見て考えて試す地方の課題

雪下ろしロボット試験機「雪一」(2016) 巻き尺を束ねたような伸びるアーム「マニピュレータ機構」を活用。 数ヶ月後には改装して航空機加工ロボット「カラドリウスTSW」に組み付け、エアバス社主催のロボットコンテスト”Airbus Shopfloor Challenge 2016”に参加

雪下ろしロボット試験機「雪一」(2016) 巻き尺を束ねたような伸びるアーム「マニピュレータ機構」を活用。 数ヶ月後には改装して航空機加工ロボット「カラドリウスTSW」に組み付け、エアバス社主催のロボットコンテスト”Airbus Shopfloor Challenge 2016”に参加

入学したばかりの4月、新入生に色んな自主研究の紹介が行われます。新入生が全くゼロから研究を企画するというのはあまりなく、教員からこんな研究をやってみませんか、というのが多いのですが、学生の提案も取り入れたりしながら研究計画や予算をまとめ、審査を経て研究を開始します。自主研究に参加する学生のことを、自主研生といいます。

僕らの研究室には、頑丈な多脚歩行ロボットと、粗っぽく扱ってもこわれにくい伸縮機構、2つのロボット技術があります。どちらも無線操縦型ロボットによる格闘戦「かわさきロボット競技大会」にルーツがあるのですが、自主研生にもまずはこの大会に技術習得の一環として参加してもらい、その上で年度後半に除雪とか鳥獣被害対策とか、地方の身近な課題に取り組んでもらっています。

かわさきロボット競技大会は、腕と脚を持つ3.3kg以下のロボットが全力でぶつかりあいます。わずかに考えが足りなかったり、これぐらいでいいかと思った判断の甘さのために、せっかく準備してきたロボットが動かなかったり壊れたりと、悔しい思いがつきものです。一方で、新しいアイデアに大きな拍手があったり、学生に限らず様々なチーム間の交流に触発されたり、アイデアや技術で正々堂々競う経験が何よりの財産になっています。

そういう経験を経て、メカトロニクス機器をいろいろ作って試せるようになると、あまり失敗を恐れず挑戦する姿勢が身につき、日常生活で見聞きする身近な課題にも、こうすればいいんじゃないか、といった具体的なアイデアが出てきます。

そもそも自主研究の課題は、研究室の4年生の卒業研究とリンクしているものも多く、お互いに補い合いながら進めていきます。例えば秋田県は豪雪で有名で、雪下ろしと呼ばれる屋根の除雪の際に、屋根からの転落事故が多発します。これに対し、僕らの研究室では伸縮機構を応用した屋根雪下ろしロボット「雪ー(せついち)」を開発、4年生は卒業研究として力強い駆動機構を開発、自主研生は除雪ブレードの設計や試験を分担し、4年生卒業後に引き継ぐといった形がとられます。

他にも、秋田で頻発するクマやサル等による鳥獣被害対策として、動物のようで動物でない「人工の天敵」として、駆除ではなく威嚇によって人と動物のすみ分けを目指した多脚歩行ロボット「かみやぎ」を開発しています。こちらも4年生がロボット本体を開発し、自主研生は伸縮機構を活かした威嚇機構の一部や、クマ等の画像認識に取り組んで成果を挙げています。

実際には除雪も鳥獣被害も、秋田の地域的な課題であるばかりでなく、世界のあちこちで同じような問題に直面している人たちがいます。つまり秋田で少しでも解決に向かう成果が上がれば、それは世界に応用できるのです。

そしてもっと広く人類に貢献すべく、医療工学へ

細胞改変ロボット試作機 左:基礎研究用小型機CP-01 右:多数の細胞をバッグ内で 一括処理可能な細胞治療用大型機CP-02

細胞改変ロボット試作機 左:基礎研究用小型機CP-01 右:多数の細胞をバッグ内で 一括処理可能な細胞治療用大型機CP-02

3年生の後半になると、卒業研究に向けた研究室配属の時期を迎えます。自主研究の経験者・未経験者ともども、改めて自分の将来を考えて、僕の研究分野がプラスになりそうであれば、研究室の一員となるわけです。

実は僕の中核となる研究は医療工学の、細胞の改変技術になります。近年、再生医療の実現に有望なiPS細胞に注目が集まっていますが、生化学的手法では細胞に手を加えて使いこなす技術が十分ではなく、例えば機能が失われた腕や眼球を再生することはまだできません。そこで細胞を高度に使いこなす基盤技術として、細胞に穴をあける細胞膜穿孔法の研究を行っています。一般に細胞は穴をあけられると死にやすいのですが、細胞が治せる穴開け法によって、穴を開けたところに改造のための物質を挿入してから体内に戻し、細胞に働いてもらおうというものです。改造に必要となる精密なメカニズムの開発も進んでいます。

こうした技術を神経インターフェースと呼ばれる神経細胞用の微小電極に応用すれば、神経の情報から直接、ロボット義手や義足を制御(多脚歩行ロボットも、実はその一環で開発したものです)、あるいはカメラから視神経に直接情報を送ることも可能になり、次世代の福祉機器としての活用も期待できます。また細胞を穿孔して内部に物質を導入したり、制御に介入したりすることで、再生医療や細胞治療も大きく前進します。これらは一種の「細胞改造ロボット」とでも言うべきもので、シンプルな原理から、次世代医療を低コストで実施する切り札になると考えています。実際、既に基礎研究用の細胞改変ロボットCP-01は何台か出荷され、次のモデルである細胞治療研究用のCP-02も開発が終了した段階にあります。

それまでの教育とだいぶ違う?いえ、メカトロニクス技術を身につけた学生は、けっこうな確率で、医療工学のテーマを選んでくれるのです。アイデアを出し合い、自分たちで形にする力、それが健康寿命の延長や、未来的な医療に繋がる可能性を高めることができる、その意義に共感してくれているのだと思います。そしてそんな学生たちが社会に出て、バイオ系とロボット系の知識を併せ持ち、モノづくりにも通じた技術リーダーの卵として、様々な分野で活動しているのです。

最後にまとめとして、問題に気付き、よく考えた人が、自分でその解決策を形にできる。今はそんな時代になってきています。解決案を思い描くだけでは社会に届きにくくても、ものづくり技術によって「解決策のプロトタイプ」が具体的に目に見える形で示せれば、企業との連携も進み、社会に問うことができるのです。
なんだかいろいろ節操が無いようですが、僕らが挑戦しているのは、いずれも「命を守る技術」で、人命を救い、社会に役立つデバイスなら何でも作ってしまえという意気込みで、さまざまなモノづくりに挑戦しています。そのあり方は、優れたコンセプトとそれを示すに足る表現力があれば、少人数でも新しいアイデアを広める起点となりうる点で、マンガ家と似ています。

創造性というのは様々に応用がきくもので、例えば、模型とかコスプレとか同人誌とか、創造物で自己表現のできる人、というか自己表現せずにはいられない人は、こういった「問題を見つけ、解決策を作って問う」研究分野にすごく適性があると思います。ぜひ大学であなたの才能を爆裂させる勢いで、研究に携わってもらえるとうれしいです。

齋藤 敬先生に学ぶ!秋田県立大学システム科学技術学部知能メカトロニクス学科

(齋藤 敬先生のプロフィール)
生物化学から医療工学へ少しずつ分野をシフトしてきた齋藤先生。趣味のロボット分野や海外ベンチャー企業でのインターンシップ経験も混ざって、今の研究に至ったとのこと。異分野交流・産学連携によって、学生の視野を拡げながら研究開発を行うのが自分の務め、だそうです。

【広告企画】提供 : 秋田県立大学

この記事のテーマ
工学・建築」を解説

工業技術や建築技術の発達は、私たちの生活を画期的に快適で安全なものに変えてきました。先人たちの生み出した知恵に新しい技術をプラスすることで、その進歩はいまも日々、進んでいます。インフラの整備や災害に強い街作り、エネルギー効率の高い動力機械や高い知能を持ったロボットの開発など、工学や建築に求められるものはますます増えるでしょう。自然との共生も大きなテーマです。理系の中でもより実地的な分野だと言えます。

「工学・建築」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「機械工学」
はこんな学問です

生活と産業に使われる機械類の仕組みを研究し、新しい機械を創造するための学問。目的に適した原理を力学的に研究する「設計工学」のほか、機械の安全・安定性を研究する「計測・制御工学」、空気や水の中で働く力について研究する「流体力学」、材料加工をテーマに研究する「加工工学」「材料工学」など研究分野はさまざま。このほかにも「精密工学」「熱力学」など、機械工学といっても、その研究範囲は多岐にわたっている。

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この記事で取り上げた
「電子工学」
はこんな学問です

情報の伝達処理における電気や電子の流れについて学び、研究する学問。電気の性質を解明して、スピーディーな情報伝達手段に活用することが目的である。基礎として、計測制御技術、電子回路、デジタル回路の知識と技術を学び、半導体による電子回路技術や電子デバイスシステムなどの応用研究を行う。ハイテク産業への応用研究には、情報通信技術、光デバイス、ロボット開発などがあり、現代社会に欠かせない技術開発を担っている学問といえる。

「電子工学」について詳しく見る

この記事のテーマ
情報学・通信」を解説

情報通信産業には、通信業、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の5分野があります。近年は各分野の垣根が取り払われつつありますが、なかでも注目されているのが、インターネットに代表されるコンピュータを介した情報通信工学でしょう。高度に情報化が進んだ現代において、安全保障や経済政策はもちろんのこと、日常生活に至るあらゆるシーンで必要とされる、活躍の場の広い学問です。

「情報学・通信」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「システム・制御工学」
はこんな学問です

ロボット技術を機械・電子などの工学的視点から研究開発する学問である。研究分野は、製造現場で働く工作ロボットや福祉施設で活躍する介護ロボット、家庭で愛されるペット用ロボットなどを研究する「ロボット工学」、機械やロボットの動きを計算する「計測システム工学」、飛行機・鉄道などの大型の乗り物のコントロール技術を研究する「制御システム工学」など、幅広く生活や産業に密接につながっている。

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