オレオレから振り込め詐欺まで……ダマされないためのマル秘テクニック

この記事をまとめると
- オレオレ詐欺など、怪しいと思っているのにダマされてしまう人が多い
- 「自分は被害にあうはずがない」という思い込みがもっとも危険
- 心理学を学んでおくと、被害防止に役立つかもしれない
怪しいと思っているのにどうしてダマされてしまうのか!?
日常のニュースのなかで、「振り込め詐欺」という用語はすっかり定着してしまいました。年配の方を中心に被害を受ける方がいつまでたっても後を絶ちません。
「振り込め詐欺」とは、電話や文書、メールなどで相手をだまし、金銭の振り込み・受け渡しを要求する詐欺事件のことです。以前は「オレだよオレ!」と電話をかけてきて息子を名乗り、「会社のお金を使い込んでしまい、返さないと訴えられる」などと緊急事態をあおることで、冷静な判断力を失った被害者からお金をだまし取ることから、「オレオレ詐欺」とも呼ばれていました。
これだけ頻繁に話題に挙がるにもかかわらず、どうしてこのような人を騙(だま)す犯罪はなくならないのでしょうか。また、騙されてしまう人は、なぜ相手を信用してしまうのでしょうか。
「自分だけは絶対にダマされたりしない」という思い込みが危険
これだけ詐欺の犯罪が増えてくると、多くの人が「どうしてこんなにも騙されてしまう人が多いのか!?」と不思議に思うこともあるはず。そして、「自分に限って絶対に騙されることはない」と思い込んでしまいます。そのこと自体が大きな誤解で、このような思い込みから油断が生まれてしまいます。
振り込め詐欺の犯人は、騙そうとする相手の個人情報を事前に調べておき、身近な人しか知らないような情報を会話に織り交ぜるなどして、相手を信じ込ませようとします。そして、脳が一度「今話している電話の相手は息子に違いない」と認識すると、理性的な判断ができなくなってしまいます。犯人はこうした人間の脳の作用につけこんでいるのです。
また、基本的に人間は相手を信じやすい生き物です。なぜかというと、常に騙されないように気を使っていると、神経をすり減らして日常生活に支障をきたしてしまうからです。いちいち人を疑って生きていては、人との円滑なコミュニケーションができなくなり、社会生活や経済活動が成り立たなくなってしまいます。これら人間の潜在的な心理を、犯人は悪用するのです。
心理学でまずは人間の行動を把握すること
こうした犯罪の被害者にならないためには、まず「自分だけは大丈夫」という過信をなくして、できる限りの警戒心を持って相手をよく確かめることが大切です。
また、人間の心理と行動の原理を探る「心理学」という学問を学ぶことで、悪質な詐欺に振り回されない、心の保ち方を見つけることができるかもしれません。
人間の心は、とても奥深いものです。詐欺の被害を未然に防ぐためにも、心理学を通して、自分や相手の心について考えてみることは意義がありそうです。
この記事のテーマ
「人間・心理」を解説
人を研究対象として、人間の心理や身体、人間が作る社会集団、生活の特徴やあり方を研究します。人間科学は、人間という存在や関係性そのものを研究し、学習範囲は栄養学から文化人類学、スポーツ科学まで広範囲にわたります。心理学は人間の心や行動の特徴を分析・解明します。ストレス社会と呼ばれ、心の病に苦しむ人が増加している現代では、なかでも臨床心理学の重要性が注目されています。人間の存在意義の基礎となる学問です。
この記事で取り上げた
「心理学」
はこんな学問です
人間の心理や行動がどのような原理で動いているのかを研究する学問である。それにはさまざまなアプローチがある。たとえば、認知心理学では対象を知覚してから言語化するまでの作用を情報処理のプロセスとして理解する。発達心理学は人間が誕生してから死ぬまでの心の変化が何によるのかを探究する。臨床心理学は心のバランスを崩してしまった人の状態の改善をめざす。志望校に自分の本当に学びたい心理学があるかどうかを必ず確認することが大切だ。