日本人は働きすぎ!? でも、働きすぎるとなぜ悪いの?

この記事をまとめると
- 仕事と生活を考える「ワークライフバランス」という言葉に注目が集まっている
- 仕事にやりがいを持ちながら、充実した生活を送るための考え方
- 長い労働時間や非正規雇用といった働き方にまつわる問題を解決する必要がある
「仕事と普段の生活のバランス」に注目が集まっている
勉強に部活動、習い事や趣味、恋愛……と高校生はたくさんやることがあります。毎日忙しい日々を過ごしているという人も、みなさんのなかにはいるのではないでしょうか。どれも楽しみたいし、中途半端にはしたくないから、時間は上手に使いたいものです。これはみなさんが大人になってから、つまり社会人になってからも同じことです。
社会人になると、生活のなかで仕事に費やす時間が多くを占めるようになります。ニュースなどで「日本人は働きすぎ!」という声もよく聞きますよね。
そんななか、ここ数年、仕事と生活のバランスを考える「ワークライフバランス」という言葉に注目が集まっています。なぜ今、このような言葉が注目されているのでしょうか?
問題解決のために長時間労働をストップ!
ワークライフバランスとは、国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、普段の生活などにおいても、多様な生き方が選択・実現できることをさします。つまり、仕事と普段の生活をバランスよく両立しようという考え方です。
最近は「ブラック企業」という言葉もありますが、度を過ぎた長時間の労働は、普段の生活の多くを犠牲にしてしまうことがあります。そうした過酷な労働環境のなかで心身に疲労をため込むと、普段の生活を楽しむ時間が減るだけでなく、うつ病をはじめとした精神疾患を患う原因にもなります。
労働者が仕事にやりがいを持ちながら、充実した生活を送るためには、長い労働時間や非正規雇用といった働き方にまつわる問題を解決する必要があります。それが、ワークライフバランスを考えるということになります。企業が長時間労働をやめさせ、若者や女性を積極的に採用することなどが、問題の解消につながっていきます。
働き方を根本的に考え直すことが、ワークライフバランスにつながる
ワークライフバランスを考えることで、労働者たちは限られた時間内で集中して仕事をし、普段の生活をより楽しむことができるはずです。労働者がいきいきと働けるようになれば、企業の業績も上がり、プライベートの充実にもつながり、仕事と普段の生活のなかで好循環が起こります。
ワークライフバランスは、仕事か普段の生活のどちらかを犠牲にするということではありません。仕事と生活の相乗効果こそ、今後の日本に必要なことなのです。
このように人間の生活を社会学などの応用により研究する学問を「生活科学」と言います。みなさんもあと数年で社会人になります。社会に出る前から、身近な話題としてワークライフバランスについて考えておくことは大切かもしれませんね。
この記事のテーマ
「生活・服飾・美容」を解説
生活・服飾・美容の分野には、生きていくために必要不可欠なものだけではなく、それによって生活がより豊かで快適になることを目的としているものもあります。たとえば生活学では、だれもが安全で快適に暮らせる空間を実現するために、ユニバーサル・デザインの研究を行います。服飾や美容は、トレンドや利用者によって多様化するニーズに対応するために、素材、色、デザイン、施術方法など、あらゆる角度から美を追究しています。
この記事で取り上げた
「生活科学」
はこんな学問です
家政学をベースとして、人の生活を自然科学、人文科学、社会科学の応用により考察・研究する学問。衣・食・住・家族・近隣社会・福祉・環境など、身近な生活環境を向上させたり、新たな環境を生み出したりすることを目的としている。主な分野には、栄養科学や食品化学を研究対象とした「食物栄養分野」、生活環境づくりを研究対象とした「生活環境分野」、人と社会とのつながりを研究対象とする「生活社会学分野」などがある。