大ヒット作を生み出す編集者が大事にする「面白いと思うものをつくること」

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大ヒット作を生み出す編集者が大事にする「面白いと思うものをつくること」

2019.02.22

提供:マイナビ進学編集部

大ヒット作を生み出す編集者が大事にする「面白いと思うものをつくること」

子どもから大人まで人気を集めている書籍、『せつない動物図鑑』『東大教授がおしえる やばい日本史』『わけあって絶滅しました。』。ユニークな切り口で生き物や歴史上の人物を紹介し、大ヒットとなっています。編集を担当した株式会社ダイヤモンド社の金井弓子さんに、お仕事で大切にしていることややりがい、苦労話などを伺いました。

この記事をまとめると

  • 大切にしているのは、自分が本当に面白いと思う本をつくること
  • 自分の苦手なことを生かせるのがこの仕事の面白さ
  • 編集作業で純粋に楽しいのは一瞬。地味で大変な仕事も多い

“王道”とは異なる切り口で、生き物や偉人の魅力を紹介

―― 『せつない動物図鑑』『東大教授がおしえる やばい日本史』『わけあって絶滅しました。』ができるまでの経緯を教えてください。

私は前職で『ざんねんないきもの事典』という本の編集を担当したのですが、その頃から、後に『せつない動物図鑑』として書籍化することになる海外のWebサイト『Sad Animal Facts』(http://sadanimalfacts.com/)に注目していました。テレビの動物番組などでは、動物はかわいくてすごいものとして紹介されている場合が多いですが、そういった“王道”でない切り口で動物を紹介しているところに、面白さや親しみを感じたんです。アメリカで出版された原書は大人向けですが、『せつない動物図鑑』は児童書です。動物の本は、書店で生物や科学の棚に並ぶことが多く、それでは生き物にあまり興味がない人の目に触れる機会がありません。できるだけ多くの人に手にとってもらうため、子ども向けの本としてつくり直すことにしました。

『東大教授がおしえる やばい日本史』は、私自身が日本史を全然知らない、ということがスタートになっています。私と同じくらい日本史が分からない人や、これから初めて日本史に触れる子どもでも身近に楽しめる本にしたいと思いました。すごいと言われる歴史上の人物の、“ダサい”面をあえて目立たせています。ページを開いた瞬間に面白さが伝わるように、見開きで完結する構成を意識しました。

『わけあって絶滅しました。』は、『ざんねんないきもの事典』で監修を務めてくださった先生と再び一緒につくった本です。絶滅した生き物は、必ずしも弱いから滅んだわけではありません。環境にうまく適応して繁栄した強い生き物こそ、環境が変化するとあっけなく絶滅してしまうことも多いのです。そういう「強い・弱い」だけでははかりきれない価値観に興味をひかれました。


―― 編集作業をされる上で大切にされていることはありますか?

自分が本当に面白いと思うものをつくることです。編集作業はいつも「売れなかったらどうしよう」と不安だらけで、時には売れている本を参考にして企画を考えようとすることもあります。でも、そうやってつくった本はやっぱり心がときめかないんです。本当に面白いと思ったものは、寝ても覚めてもその本のことを考えるくらい編集作業も楽しく感じます。楽しいと気分も乗って、本筋にはあまり関係ない一見無駄な工夫をたくさんしたくなるんですよ。そして大人が本気で楽しんでつくったものは、読者にもきっと伝わると思っています。

読者からの反響は大きなやりがいになる

―― 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

実は私は、朝に弱かったり勉強が苦手だったりと「できない」ことが多く、学生時代もどちらかというと地味なタイプでした。でもこの仕事は、自分が得意ではないことやコンプレックスを感じていた人の方が、それを企画にして、本という形で価値を生み出すことができると思っています。

さらに、本をつくるたびにたくさんの読者カードのハガキが届きます。『せつない動物図鑑』『東大教授がおしえる やばい日本史』『わけあって絶滅しました。』も、お子さんから90歳代の方まで、本当に幅広い世代から反響をいただきました。それぞれの方がご自身の好きなように本の内容を解釈してくれて、しかもその感想を書いてわざわざ送ってくださることがとてもうれしいです。読者の方からの反響は、何より大きなやりがいになっています。


―― 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

私はこの仕事が好きですし、これ以上楽しい仕事はないと思っています。でも、純粋な楽しさのピークは企画を思いついた一瞬だけ。その後はずっと大変で、細かくて地味な作業が続きます。面白い企画を考えた瞬間は本当にワクワクするのですが、編集作業に入ると、予算やスケジュールを組んで原稿やデザインを依頼し……と、面倒で大変なことがたくさんあります。ドラマの中のキラキラした編集者とは違って実際には地味な作業が大半で、発売日は「売れるだろうか」と不安でいっぱい。その後本が売れていくにつれて、楽しさや喜びが戻ってくる感じです。1冊の本をつくるたびに楽しさとつらさの繰り返しです。

嫌なことやつらいことは、紙に書き出して言語化する

―― どのようなきっかけ・経緯で編集者の仕事に就きましたか?

子どもの頃から本を読むのがすごく好きでした。私は小学生の頃からあまり優等生タイプではなくて、自分の考えを態度や言葉に表すのがとても苦手だったんです。そんな中で唯一、自分の思いを分かってくれたり、自分と似た境遇の人が活躍したりしていたのが本の世界でした。大人になってからもあまり働きたくないなと思っていたのですが、そういう訳にもいかず(笑)。昔から好きだった本に関する仕事だったら続けられるのではないかと思い、編集者になろうと出版社に就職しました。


―― 学生時代の学びや思い出深い経験について教えてください。

小中高一貫校に通っていて、高校卒業までの12年間を同じメンバーで過ごしました。とても狭いコミュニティなので閉塞感もあり、ケンカや仲間外れなどが起こることもしょっちゅう。でもトラブルの中でそれぞれの関係性も変化し、最終的に高校生になる頃にはみんな平和に仲良く過ごすようになったんです。人間の本質というか、人間関係が成熟していく様子を見るようで興味深かったです。

たとえば“人気者”の定義も、年齢とともに変化しますよね。小学生のときは明るく元気な子が人気でも、大きくなるにつれて、成績が良い人やクールな人が一目置かれたりします。同じ人でも年齢が変われば、立場や価値観も変わる。「ひとつの価値観に固執するのは意味がない」と感じ、それでちょっとひねくれた物の見方をするようになったのかもしれません(笑)。


―― 高校生に向けたメッセージをお願いします。

編集者は「知識がない」「努力が苦手」など、自分の弱い部分を自覚するほど、それを本の企画に繋げることができる仕事です。そのため、将来編集者になりたいと考えている方は、いろいろな人生経験をして、嫌なことやつらいことを言語化していくことが大事なのではないかと思います。私も仕事でつらいときは、自分が思っていることを紙に書いて整理しています。情報を整理して、切り離して、うまく構成する、という作業は編集の仕事と同じ。つらいことも書き出してみると気持ちが整理できますし、文章の練習にもなります。そして、書いたものを翌日読んでみると「たいしたことじゃないな」と思えるものです。高校生の皆さんは、将来の進路や友人関係のことなど、考えなければいけないことが多くてきっと大変ですよね。でも、その“考える”ということを、是非楽しんでもらいたいと思います。



高校生の皆さんの中には「編集者になるにはたくさんの知識をつけなければいけない」と考えている人もいるのではないでしょうか。「自分の苦手なことが編集の仕事に生きる」という金井さんの言葉は、少し意外だったかもしれませんね。でも「自分の思いを紙に書いて言語化する」というアドバイスは、きっと編集の仕事以外にも役立つはず。書いて整理することで、モヤモヤとした悩みもハッキリするかもしれません。


【profile】
株式会社ダイヤモンド社 書籍編集局 第一編集部
金井 弓子
https://www.diamond.co.jp

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「編集者」
はこんな仕事です

雑誌や書籍、漫画、パンフレットなどの内容を企画し、スタッフを采配してつくり上げる仕事。予算やスタッフ構成、発行日などの計画を立て、作家が必要な場合は交渉やストーリー展開の相談も編集者の仕事の一つ。制作が始まったら各スタッフへ仕事を依頼し、集まった原稿や画像などを整理してデザイナーと一緒に紙面の構成を行う。進行管理と印刷所とのやり取りも編集者の領域で、やるべきことは非常に多い。担当した企画への反響があればやりがいは大きい。最近ではWebサイトの編集者も増えている。

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