仲が良い人が薦める本で読書のきっかけをつかむ!――三省堂書店・新井見枝香さんが語る読書の魅力とは?

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仲が良い人が薦める本で読書のきっかけをつかむ!――三省堂書店・新井見枝香さんが語る読書の魅力とは?

2019.01.28

提供:マイナビ進学編集部

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仲が良い人が薦める本で読書のきっかけをつかむ!――三省堂書店・新井見枝香さんが語る読書の魅力とは?

本屋さんへ行って直観で本を買う、友達が薦める本を読んでみるなど、本を読むきっかけは人それぞれだと思います。

今回お話を伺ったのは、三省堂書店 神保町本店に勤務し、カリスマ書店員としてメディアにひっぱりだこの新井見枝香さん。読書を好きになったきっかけや、本に対するあふれる愛情を語っていただきました。

この記事をまとめると

  • 仲の良い友達が薦める本は自分好みのことが多い
  • 本を読んだ感想を誰かに発信することで文章を書くことが好きになる
  • 将来のことばかり考えず、今を大切にしてほしい

高校時代に仲良くしていた人の薦めで読んだ本で読書にハマった

――「カリスマ書店員」と言われている新井さんですが、いつ頃から読書好きになりましたか?

小学生の時からよく本を読んでいたと思いますし、図書館にも行っていました。ただ音楽など他にも好きなものがたくさんあったので、読書は好きなものの中の一つという位置づけでした。

高校生の時、当時仲良くしていた8歳ほど年上の友人に、森博嗣さんの『すべてがFになる』を紹介され、読んでみたらびっくりしました。最初は「ちょっと何言っているのか分からない」と戸惑ったんですけど、こういう本を読んでいる自分がすごくいいなと思ったし、読んでいたらハマってしまったんです。当時は森博嗣さんの本を読むために生きている感じで「読む本がなくなっちゃう!」と思いつつも、森さんの本を全て読んでいきました。この本を薦めてくれた友人はすごく本が好きというわけではなく、気まぐれに教えてくれただけなのですが、これをきっかけにずぶずぶと読書にハマっていきました。


――高校生で森博嗣さんの小説を読むというのは高度ですね。

そう思います。森さんの書く文章は、今まで読んできたものと全然違うので衝撃でしたね。考え方も非常にクリアで私の中では一番頭がいい人という位置づけですし、好きな作家としては殿堂入りしました。(笑)

高校生の時に森さんの本を読んだことで、私自身の考え方にもだいぶ影響を受けていると思います。エッセイなどでは、好きなことをやる、目的のためにお金を稼ぐということを伝えているところがすごくいいなと。大人になっても楽しんで生きていいんだと思いました。


――高校生が読書を好きになる本選びのポイントはありますか? 

私がそうだったように、仲がいい人が薦める本を読むのがいいと思います。仲がいいということは価値観が似ているわけですから、外すことはないと思います。今はいろいろな本のレビューがあふれていますが、それを信じすぎるのはよくないです。例えばみんなが面白いと言っているものを面白いと思わなかったら「自分はおかしいのではないか」と考えてしまう人もいるかもしれません。でもしょせん全然知らない人が言っていることですから、あまり気にしないほうがいいと思います。

それよりも、自分が本当に信頼している人がいいと言ったものに耳を傾けてみたほうがいいと思います。例えば学校の先生でもいいんですけど、そういう尊敬する人が薦める本を読んで内容について一緒に話せるといいですね。

あとは自分が好きな芸能人が薦める本を読むのも手です。実際にお店に来てくれたお客さんですが、全く本を読んだことがなかったのに好きなアイドルが薦める本を読むことで読書をするようになったと言っていました。「本を読んだ感想をファンレターに書こう!」というモチベーションで読書をするのも面白いと思います。

好みの表紙の本は自分に合った本かも!?

――新井さんは文章を書くことも上手ですが、読書をすると文章を書くことも得意になるのでしょうか?

思い起こしてみると、子どもの頃は作文がとても好きでしたし得意でした。読書をしていると、良くない文章が分かるようになると思います。何か引っかかったり、いらない言葉が入っていると感じたりするのは本を読んでいるからこそ気付くことなので、「同じことをやらないようにしよう」と思うことが文章をうまく書けるようになるコツだと思っています。


――読書を通じて書くことを身近にするコツってありますか?

やっぱりアウトプットをすることでしょうね。読んで終わりじゃなくて、Twitterでもいいですしブログでもいいので、読んだ本のレビューを書くといいと思います。書くことでより深く物語を理解できるし、文章にすることって大変なんだということも分かると思います。


――来店する高校生の間で人気の本はありますか?

『君の膵臓を食べたい』の住野よるさんや、武田綾乃さんの本を探している子は多いです。
本離れと言われていますが、どうしても欲しい単行本なら高校生もお小遣いで買っていきます。少し割安な文庫になるまでは3年かかるので「それまで待っていられない」ということですから、商品の力はすごいと思います。

あとは表紙がきれいで「いいな」と思ったら買うという学生もいました。表紙の雰囲気で自分が好きな小説かどうかを彼らは判断しているようです。これは若い子たちの感覚かなと思っていましたが、自分自身も思い当たるところがあります。

未来の自分は今の自分に何もしてくれない。今を大切にしてほしい

――高校生にお勧めの本はありますか?

有川浩さんの『図書館戦争』は、素直に楽しいと思える本です。このシリーズは『図書館戦争』『図書館内乱』『図書館危機』『図書館革命』と続いていますが、止まらずに読んでしまうし、漫画しか読んでこなかった人でも、登場人物のキャラクターが立っているので、誰が誰だか分からなくなることもないです。
有川さんの小説は会話文がすごく多いのでトントン読めるのですが、すごく大事なことも書いてあります。でも説教くさくないんですよ。このシリーズを読んでもらえると本に対する思いも変わるだろうし、本ってこんなに簡単に読めちゃうんだって感じると思います。結構ラブコメっぽいところもあってキュンとしますし、戦闘シーンの迫力にもハマるのではないでしょうか。


――高校生の中には、漫画だったら読むという人もいます。新井さんは漫画を読みますか? 

私は小説のほうが好きなんです。なぜなら絵がないことで想像がいくらでもできるからです。でも最近ハマっている漫画が2つあります。

一つはヤマシタトモコさんの『違国日記』です。両親を交通事故で亡くした主人公が、小説家の叔母と暮らす話なんですが、この叔母が不器用な人で親を亡くした子どもに向かって普通言わないようなことを思ったまま言ってしまうんです。かなり大人向けの漫画だとは思いますが、高校生の時にこういうものを読めば、結構大人びた人になれると思います(笑)。もしかしたら「おっ! こんなすごいのを読んでいるんだ」と思われるかもしれませんよ。

もう一つは、はるな檸檬さんの『ダルちゃん』です。主人公のダルちゃんは会社勤めの女性なんですが、好きでもない男性に無理して合わせたりする子なんです。ダルちゃん自身は「自分は幸せだ」と思っているのですが、読んでいる私たちにはダルちゃんの表情がとても苦しそうに見えます。その微妙な表情が特徴的で、ダルちゃんの表情を文章化するのはとても難しく、この漫画を読んだことで漫画も小説もそれぞれの強みがあるんだなと思いました。読み応えとしては小説級で、高校生にも気づきがあると思います。


――高校生に向けてメッセージをお願いします。

好きなことがあればそればかりやっていていいと思います。将来のことを考えることは大事だと思うけれど、未来の自分は今の自分に何もしてくれません。とりあえず今は自分が一番楽しいと思うことをやっていればいいと思いますね。本当に好きなことがあるのに、将来のことを考えると……と諦めてしまう人もいるかもしれませんけど、何とかなりますよ。

もう一つは、学校だけでなく外の世界にも積極的にふれてください。万が一学校が嫌だと思っても乗り切ることができますよ。



とにかく本が大好きということが全面に出ていた新井さん。本を読む時も「こんなに早く読んでしまったら楽しい時間が終わってしまう!」と考えてしまうほどなのだとか。

1月16日には芥川賞と直木賞の発表が発表されました。同日に決まる「新井賞」を受賞したのはインタビューでもお話ししてくださった『ダルちゃん』。漫画の強みが生かされていて読み応えは小説級というこの作品、活字が苦手な人もまずは読んでみてはいかがでしょうか。


【取材協力】
三省堂神保町本店 新井 見枝香

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