『唯一の存在になりたかった』スタジアムで活躍する女性スポーツカメラマン

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『唯一の存在になりたかった』スタジアムで活躍する女性スポーツカメラマン

2019.01.07

提供:マイナビ進学編集部

『唯一の存在になりたかった』スタジアムで活躍する女性スポーツカメラマン

どんな悪天候の中でも重いカメラを抱えて飛び回る。そんなスポーツカメラマンの世界で、まだまだ女性は異色の存在です。あえてそういう職場を選び、活躍を続けるカメラマンがいます。

今回はサッカーをメインにさまざまな分野で活躍する早草紀子さんに、カメラマンになった動機やカメラマンとして活動できるようになるまでの自身の道のりを教えていただきました。

この記事をまとめると

  • 中学2年生で進路を決断。大学時代は出版社でのアルバイトで経験を積む
  • テレビ画面では分からない選手の表情を撮れたら気持ちがいい
  • いろいろな経験が役に立つ。まずは身近にあるスマホで写真を撮りまくること

誰もやっていない「唯一」の存在になりたかった

―― どのようなきっかけでカメラマンを目指そうと思いましたか?

中学の頃バレーボールをやっていたのですが、自分の実力では上のレベルまで行けないなと、なんとなく悟っていました。そこで将来は、あまり女性が進出していなくて、スポーツ選手に近い体感を得られる感覚的な仕事をしたいと思っていました。スポーツで一番になれなかったので、日本で一人とか、誰もやっていないという「唯一」の存在になりたかったんです。

ライターなど他の職種も考えましたが、女性がいない仕事と考え、カメラマンになろうと決めました。


―― 高校時代にはどんな活動をしましたか?

高校1年のころから写真学科がある大学を探しました。本当は専門学校でもいいと思っていたのですが、大学を卒業してほしいという親の希望もあり、大学に進学することにしました。大学を選定するにあたっては、卒業時の就職先の実績で判断しました。迷いはありませんでしたね。

ただ、大学に進学してからはしばらく写真の世界にいることになるので、高校時代は写真以外のことをやろうと思って、いろいろなアルバイトに精を出していました。写真は全然撮っていませんでしたね。


―― どんなきっかけがあってスポーツカメラマンの職業に就きましたか?

正社員に対しては開かれない門戸も、大学生が「アルバイトで雇ってください」と行くと働かせてくれることがあるんです。そう思っていろいろな出版社などの編集部や写真部にアプローチしました。ただ、それでも断られ続けて心が折れそうになったので、本命と思っていたところに狙いを絞ってアポイントを取りました。

ただ、その出版社も最初は「募集していない」「担当者が外出中」「今は席を外している」と何度電話しても相手にしてもらえませんでした。ですが、「採用していないのは分かっているから、何とか会ってくれ」と授業の合間に電話をかけ続けたのです。

するとあるとき、偶然担当者が電話を取り、粘るうちに「じゃあ作品を持ってきて」と言われました。担当者は会ったときも男性なら採用したいという意向だったのですが、こちらも負けじと押しまくったら、何とか使ってもらえることになりました。それがきっかけです。


―― 仕事を始めたときの様子はどうでしたか?

実は、出版社のアルバイトを始める半年前に、Jリーグ撮影のアルバイトをしたことがあったんです。当時はまだ大学に入って1カ月程度で、授業では理論を学んでいる最中。当然撮影の技術を学んでもいませんでした。それで慌てて高校時代のアルバイトで貯めたお金でカメラを買い、子どもたちがサッカーをしている場所に行って、練習したのを覚えています。

カメラマンはそこに「スポーツ」があることを体感できる

―― どんなときにつらいと思いますか?

暑いとき、寒いときですかね。寒いときは、全身が震えてしまってピントが合わせにくくなるほどです。携帯カイロを6つ使って汗をかくぐらい温かくして、撮影に臨んでちょうどいいということもあります。

カメラは重いのですが、私は筋トレになっていると思います。一本足のスタンドでカメラを支えて、自分が座っている椅子も足が一本で。どちらも自由に動きやすいんですが、そのぶんずっとバランスをとるために体幹を鍛えることになるんですよ。おかげでトレーニングいらずです(笑)。


―― 逆にどんなときに喜びを感じますか?

一番の喜びは、そこに「スポーツ」があることを体感できることですね。一番うれしいのは、テレビで流れている映像と自分が撮った写真に明確な差が出たときです。テレビ画面では分からない選手の表情を撮れたら気持ちがいいですね。

私はあるサッカーチームの専属で写真撮影をしているのですが、いつも試合を見ているサポーターの人でも、私の写真を見て「新鮮だ」と感じてもらえる写真を1枚でも収めることを、毎試合の私の目標にしています。


―― 悔しいと感じるときもありますか?

私には10年来狙い続けているシーンがあります。たくさんの選手が交差している中心に、いい目をしている一人がいるという構図です。あるときそのシーンが撮れるという瞬間が来たんですが、ちょうど別の部分を撮影しなければならない瞬間だったため、タッチの差で撮り逃してしまいました。そのときは「しまった、今のはずっと撮りたかった場面だ」って、悔しかったですね。

いろんな経験をしていることが将来的につながってくる

―― どういう人がカメラマンに向いていますか?

打たれ強い人ですね。へこむことばかりだから。自分では「いい場面が撮れた」と思っていても、その写真を編集者が使わないことは、しょっちゅうです。そんなことを気にしていたらやっていられません(笑)。


あと、自分で工夫して写真を取ることも必要だと思います。ゴールの瞬間の写真を求められることが多いですが、別の選手の陰になってしまったり、見えない位置でのプレーだったりすると撮れません。編集者のリクエストに応えるのは当然ですが、ゴール場面が全てではないと思います。

オーダーされているものはさっさと撮って、残りの時間で自分が残したい写真を撮影するのです。自分の引き出しを広げるため、それまでに撮ったようなカットではない写真を狙ってます。そうやって工夫できる人でないと、言われた仕事しかできないことになります。


―― 高校生に向けてメッセージをお願いします。

いろいろなことを吸収する姿勢が必要です。楽しいことがたくさんあって、将来何をしようか迷っているのだったら、その気持ちは一生持っていていいと思います。私はカメラマンになると決めてはいたものの、他のやってみたかった職業のアルバイトもいろいろやりました。そうしたら後々役に立ったのです。

例えば高校時代に生花店でアルバイトしていたのですが、そのときの経験で広告の撮影のときにブーケをどうすれば見栄えがよくなるか分かりました。いろんな経験をしてみると、それが将来的につながってくることもあると思いますね。

カメラマンになりたいと思っている高校生は、スマホでいいからどんどん写真を撮っていけばいいと思いますよ。SNSの写真を見て出版社がオファーしてくるという例もありますからね。ただ、いい写真をSNSにアップしている人はたくさんいますから、そこには着眼点や、いい場面を嗅ぎ分ける力も必要になってきます。セルフプロデュースができないといけないでしょう。



「カメラマンになる」という明確な目的意識を持って高校時代を過ごしたものの、実際に写真を撮り始めたのは大学に入ってから。それでも臆することなく自分の夢に向かって邁進し、ついにはプロになったというバイタリティは独特かもしれません。ですが、狭き門をこじ開けた人の例は、将来の参考になるのではないでしょうか。

【取材協力】
スポーツカメラマン 早草紀子

【取材】
森雅史/日本蹴球合同会社

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「スポーツフォトグラファー」
はこんな仕事です

スポーツに関わる写真を撮影し、雑誌、新聞、広告などの媒体に提供する仕事。競技中のみならず、競技外での選手の取材なども含め、対象選手の一瞬の表情や動きを捉えなくてはならない。そのため撮影技術だけでなく、それぞれの競技についての知識が必要となる。また、貴重な瞬間を逃さずキャッチするため、常に集中力が求められる仕事でもある。新聞などは報道的要素が強いが、雑誌などは芸術的要素を求められることもあり、センスを磨くことが必要。新聞社、出版社、制作会社などに所属し、その後フリーランスで活動することも多い。

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