判決はあなたの手に! 身近なテーマについて改めて考えよう 東京大学駒場祭・川人ゼミの「模擬裁判」を見学してきた

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判決はあなたの手に! 身近なテーマについて改めて考えよう 東京大学駒場祭・川人ゼミの「模擬裁判」を見学してきた

2018.12.19

提供:マイナビ進学編集部

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判決はあなたの手に! 身近なテーマについて改めて考えよう 東京大学駒場祭・川人ゼミの「模擬裁判」を見学してきた

11月23日(金・祝)~25日(日)、東京都目黒区にある東京大学駒場Ⅰキャンパスで「第69回駒場祭」が開催されました。毎年11月に開催されるこの学園祭は、3日間で約12万人もの人が訪れる一大イベント。模擬店やさまざまなパフォーマンスが行われますが、中でも東京大学ならではの催しが「学術企画」です。研究室やゼミなどが研究・活動の成果を発表する学術企画は、東京大学でどのようなことが学べるのかを知るチャンス。今年行われた18種類の学術企画の中で最も注目を集めた「模擬裁判」を見学してきました。

この記事をまとめると

  • 観客参加型の模擬裁判で「法と社会と人権」について考える
  • 人に訴えかける脚本と演技に仕上げるために情熱を捧げる
  • 大学では好きなことに没頭できる濃密な時間を過ごせる

観客の投票が判決を左右する、伝統ある学術企画「模擬裁判」

1993年から毎年駒場祭で行われている模擬裁判を企画・運営しているのは、「法と社会と人権ゼミ」(通称:川人ゼミ)に所属する学生たちです。このゼミは川人博(かわひとひろし)弁護士を講師とする前期教養学部生(1~2年生)を対象としたもので、単位のつかない自主ゼミであるにもかかわらず、150人もの学生が参加するなど高い人気を集めています。

模擬裁判では、学生たちが取り扱うテーマを決め、実際の裁判記録などを調査しながら脚本を書き、裁判に関わる人物の役割を担当するロールプレイング形式で裁判の模様を演じます。判決は観客へのアンケートの結果から導かれるため、観客も一緒にテーマに関して考えることができる面白い企画です。

今年のテーマは「校則と自己決定」。校則違反を理由に退学処分を命じられた女子生徒が学校を訴えたという設定でした。「ブラック校則」と呼ばれる、教育的な意味が見出せない校則に法的合理性はあるのかどうかについて生徒側と学校側双方の主張と反論を聞き、より良い社会にするために必要なこととは何かと考えさせられました。

臨場感を大切に、練りに練った脚本と徹底した演技指導

今年の模擬裁判で総責任者を務めた、文科一類2年生の川島啓太さんにお話を伺うことができました。

--なぜ模擬裁判を行うのでしょうか?

私たちはまだ専門課程に進んではいないため法学の知識は十分ではないのですが、そのような学生がより深く法について考えるには、実際に裁判を経験するのが良いという講師の思いが出発点です。
もちろん本当の裁判はできませんから、模擬裁判の形式を取って自分たちでテーマを設定し、弁護士の先生方に指導を受けながら脚本を書き、演劇サークルに入っている学生からノウハウを享受しつつ、臨場感のある裁判を目指しました。判決が観客に委ねられていて、出演者がそれぞれの立場の主張を明確に伝える必要があるので、演技にも力を入れました。


--準備にはどのくらい時間をかけましたか?

昨年の模擬裁判が終わった後、総責任者に立候補しました。具体的なテーマの選定に入ったのは今年の4~6月ごろで、7月から脚本を書き始めました。演技の練習は9月に入ってからですね。
出演者は皆1年生で、2年生が裏方を担当しています。週に1回105分、1人に対して複数人で指導を行い、2週間に1回は日曜日に全体練習を行ってフィードバックするということを続けてきました。直前まで脚本の修正があり、直前期はかなり指導に熱が入ったこともあって、自主練も含め週に5~6回練習をした出演者もいました。そのおかげで本番は誰も失敗することなくベストパフォーマンスだったのではないかと思っています。


--準備中、苦労したことについて教えてください。

やはり脚本やキャラクター設定、法律構成といった企画の根本になるところが大変でした。我々はモットーとして「この裁判劇を勧善懲悪のものにしない」を掲げており、原告・被告の主張のバランスは最後の最後まで調整を重ねました。脚本担当者は何度も弁護士の先生方とやり取りをしながら本番1週間前まで脚本を修正していましたし、OBやOGの方々の指導も受けました。模擬裁判の出演者は全部で13人ですが、企画自体には50人近くが関わっており、それ以外の協力者も含めるととても多くの方の助力をいただきました。

また、脚本・演技だけでなく、それを支えるもの、例えばパンフレットや証拠、そして広報にも力を入れました。その甲斐あってか、お客様のアンケートにもパンフレットや証拠の緻密さを褒めてくださる声は多かったですね。広報についても同様で、PV(ページビュー)等かなり力を入れて制作しました。結果、駒場祭の公式アカウントの企画ツイートの中で最も拡散されたのが当企画でした(2018年12月5日現在)。社会起業家や国会議員の方にもツイートは届いたようですし、かなり反響があったのではないかと思います。

「大学は好きなことに熱中できる貴重な時間」

--総責任者という大役を務め、どのような手応えがありましたか?

昨年の模擬裁判では出演者として演技をしたのですが、あがり性なので大変でした。それでも、この企画の面白さや社会的意義を伝えたいという強い思い、そしてリーダーシップを取る経験をしたいと思って総責任者に立候補しました。
出演者の演技力がどんどん向上していくのを見るのは楽しかったですし、イベントの成功もうれしいのですが、それ以上にコミュニティの成長に関われたことが良かったです。人が多いほど人間関係は希薄になりがちですが、組織のリーダーとしてコミュニケーションをしっかり取ることを意識することで、皆の「温かい居場所」を作れたのではないかと思っています。


--やはり将来は法律家を目指しているのでしょうか?

親が弁護士だったので、自然と弁護士になろうと思っていました。3年生になる来年度からは法学部に進学する予定ですが、実は今、弁護士を目指すかどうか少し迷っています。というのも、川人ゼミでは通常の講義のほかにも、さまざまな現場に赴きお話を伺うフィールドワークがあるのですが、省庁や刑務所、テレビ局、病院といったところでフィールドワークを行ううちに、弁護士以外の選択肢にも興味が出てきたからです。進路については、これから勉強を進めていく中でじっくり考えたいと思っています。


--高校生に向けてメッセージをお願いします。

まず1つ、特に模擬裁判を経て強く思ったのが、没頭こそがその人のパフォーマンスを高める最高の手段である、ということです。高校生のみなさんにも似たような経験はあるのではないでしょうか。例えば世界史の人名は全く覚えられなくてもハマっているゲームに出てくるキャラクター名は覚えようとせずとも覚えているというケース。
受験勉強もどうせやるならのめり込めるといいですね。お前はのめり込めたのか、と聞かれると少し苦しいですが……(笑)。

次に、これも言い尽くされたことですが、勉強ができるのは贅沢なことだということです。社会に出たらなかなかまとまった時間を確保することは難しいでしょう。勉強に時間を使えるのは学生の特権であると感じています。決して学歴でその人の評価が決まるわけではありませんが、勉強すればするほど自分の進路や可能性を広げられると思います。

そして最後に、大学時代は自分の人生を見つめ直すことができる時期でもあります。大学生は本当に自由です。履修はほとんど自分で決めることができます。半年間全く授業を取らず社会人に混じって働いている友人もいますね。インターンシップやサークル活動に力を入れたり、勉強に打ち込んだり、留学したり、さまざまな分野に没頭する友人たちと共に濃密な時間を過ごすことができるのです。受験勉強は大変だと思いますが、その先に待っている好きなことに熱中できる4年間を夢に頑張ってほしいですね。



1993年の開始当初、模擬裁判の観客は20人程度だったそうですが、今年は2日間で約1,000人が来場するほどの人気企画に成長しました。伝統ある学術企画の総責任者として立派に務めを果たした川島さんにはあがり性だった面影はみじんもなく、実に堂々とした立ち居振る舞いでした。
川島さんは「勉強できる時間は贅沢」とおっしゃっていましたが、机の上の勉強だけではなくさまざまな経験をすることで学び、成長できることを示してくださいました。積極的に物事に関わり、考える姿勢を持つことが大事だといえるのではないでしょうか。


【取材協力】
東京大学「法と社会と人権ゼミ」 模擬裁判2018総責任者 川島啓太さん(東京大学 文科一類 2年生)

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