「マジ卍」=「マジ神様の胸毛」!? 卍の本当の意味にビックリ

「マジ卍」という言葉、なんとなくはやったから使っている人もいると思いますが、「卍」の意味って知っていますか? 実は「卍」にはとても深い意味が込められていたのです。意味を知ることで、「マジ卍」の使い方が変わるかもしれません。
この記事をまとめると
- 「マジ卍」には特に明確な意味はないが、「卍」には「吉祥の印」という宗教的意味がある
- 「卍」の由来はインドのヴィシュヌ神の胸毛
- 宗教学で、宗教にかかわる言葉や文化を深く学ぶ
「マジ卍」に意味や使い方はない! じゃあ「卍」って一体何?
LINEやTwitterでも使ったりする「マジ卍」という言葉。大人には意味や使い方を分かってもらえないこともある若者言葉ですが、皆さんはどのように使っていますか?
「マジ卍」という言葉についてさまざまなメディアが若者にインタビューなどを行っていますが、実は使っている人たちも特に意味はないと答えており、特定の意味というよりもテンションが上がった時やムカついた時など気持ちをあらわす「程度」の表現として使われています。
感覚的に使われている「マジ卍」という言葉。では本来「卍」とは何なのでしょうか? 実は卍とは本来宗教的な用語であり、日本でも神社の地図記号として使われています。
その意味は「吉祥(おめでたいこと)の前兆」のしるしとされており、仏像の手や胸に彫刻を施されていることもあります。ではなぜこのよく分からない形がおめでたいことの印なのでしょうか?
幸せの印である「卍」は神様の胸毛から生まれた?
実はこの卍という字は日本だけで使われているわけではありません。古くはインドから使われていたそうです。
インドにはヴィシュヌ神という世界を維持するとても位の高い神様がいて、その神様の胸毛の形が卍の形をしていたことから吉祥の印とされたそうです。「卍=偉い神様の胸毛」ということですね。
ヴィシュヌ神はヒンドゥー教の神様です。しかし、日本の仏教にも卍は仏像などに使われています。これにどのような因果関係があるのでしょうか?
実はヴィシュヌ神は10の姿を持っており、そのうちの9番目の姿が仏陀だと考えられているそうです。宗教的におめでたい印であることもありますが、このような背景もあって仏像の胸や手などにも卍が彫刻されるようになったと考えられています。
宗教にかかわる言葉や文化を深く学ぶのが「宗教学」
卍の発祥が神様の胸毛という意外な事実でしたが、おめでたいことの印として使われているということなので、今後「マジ卍」を使うときは何かいいことや素晴らしいことがあったときに使ったほうがより本来の意味に沿った使い方かもしれませんね。
卍のように宗教に関する言葉や記号は一見意味が分かりにくいものが多いですが、宗教にまつわる歴史や考え方を深く知ることによって意味が理解でき。
もし宗教に関わる言葉や文化に興味を持ったのであれば「宗教学」を学んでみてはいかがでしょうか。なかなか知ることができない宗教の世界を知ることができますよ。
【出典】
・成田山深川不動堂
http://fukagawafudou.jugem.jp/?eid=1129
・Abematimes
https://abematimes.com/posts/3825622
・マガジンサミット
http://magazinesummit.jp/lifetrend/1281680506180119
この記事のテーマ
「文学・歴史・地理」を解説
文学は人々の暮らしや感情の変化などについて、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解きながら比較して、人のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、地形や気候、歴史的事実や遺物・遺跡などの手がかりをもとに、私たちの生活や文化・経済活動などについて、その成り立ちから考えていきます。
この記事で取り上げた
「宗教学」
はこんな学問です
実は、欧米の大学でも19世紀末に初めて開講された比較的、歴史の浅い学問である。それまでは、あくまでもキリスト教の神学だけが学問の対象とされてきた。そのタブーを破り神学から独立してできたのが宗教学だった。世界の三大宗教といわれるキリスト教、仏教、イスラム教をはじめ、日本の民間信仰、世界各地の民族宗教、前世紀から今世紀にかけて急成長した新宗教まで、時間・空間を超えて広く宗教に関わる事象を研究対象とする。
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