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国際NGOプラン・インターナショナル 内山雄太さんに聞く、途上国の現状について

2018.10.05

提供:マイナビ進学編集部

国際NGOプラン・インターナショナル 内山雄太さんに聞く、途上国の現状について

日本に住む私たちは、男女関係なく当たり前に勉強をし、大人になれば自分で決めた相手と結婚をすることができます。
途上国では教育を受けさせてもらえず13歳や14歳という若さで結婚や出産を強いられる女の子たちがいることを知っていますか? 日本に住んでいるとあまり実感できない途上国の現状について、子どもの権利を推進し支援する公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンの内山雄太さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 男女差別の慣習や貧困により、女性には教育を受ける権利が保護されていない
  • 途上国では、患者さんにきちんと薬を飲んでもらえるまでにたくさんの障壁がある
  • 経験したことには何一つ無駄なことがない。置かれた環境で努力することが大切

貧困が根底にある「早すぎる結婚・妊娠・出産」

―― 途上国では、どのような問題が起こっているのでしょうか。

一番問題となっているのは男女差別ですね。途上国ではまだまだ男性優位の古い慣習が残っていて、女性は子どものころから家事全般(水くみ・家畜の世話など)を手伝い、結婚して嫁ぐと家事育児で一生が終わってしまいます。女性に教育は必要ないと考えられているため学校にも行かせてもらえません。当然、識字教育を受けていないので、読み書きや簡単な算数ができず自立できませんし、そういった教育を受ける権利すら保護されていない国がたくさんあります。

また、途上国では、貧困により鬱積しているものがたくさんあります。それがあるとき爆発して、女の子や女性に対する暴力や虐待に発展するケースもあるのです。

その他にも我々が広告などで掲出している「早すぎる結婚・妊娠・出産」という問題がありますが、これも貧困が根底にあります。

南アジアでは「ダウリー制度」という制度があり、嫁ぎ先の夫となる人の家に支度金を払わなければいけません。これは、幼くして嫁げば払うお金が少なくて済みます。逆にアフリカなどでは結婚する際に、夫となる実家からお金がもらえます。そうなると、貧困のため早くお金がほしいので嫁がせてしまいたいと親や親族は考えます。その結果、日本でいうと中学校1・2年生の年齢で結婚や妊娠・出産を経験するわけです。当然まだ子どもを産む体が出来上がっていませんから、内蔵を壊すなどの健康被害も生まれます。最悪なケースですとお母さん・赤ちゃんともに亡くなってしまうこともあります。

他にもたくさんありますが、これらが一番主要な問題だと思います。


―― なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか。

「男は外で戦い、女性は家庭を守る」という古くからの慣習もありますし、体力的に男性の方が力が強く、女性に対して暴力を振るうのが正当化されている背景もあると思います。

親や周囲が決めた相手と結婚するわけですから、気持ちの中では喜んでる子はいないのではないかと思います。

しかし彼女たちには情報が入ってこないんです。外の世界とか、権利や健康についてなど生きていくために必要なライフスキルを身に付けることのないまま一生を終える女性が非常に多い。したがって、悲しいけれども古くからの伝統や慣習を受け入れざるを得ないのではないでしょうか。

さまざまな偶然と人とのつながりで始めた途上国支援

―― 内山さんが途上国支援の活動をするようになったきっかけは何ですか?

実は途上国支援の仕事をするとは夢にも思っていませんでした。
私は薬剤師として製薬会社で働いていましたが、たまたま私のいとこが医師として国際協力の仕事をしていて、彼から「途上国で仕事をしている薬剤師はほとんどいないためやりがいがあるぞ」と言われ、その気になりました。

それで製薬会社を退職し、留学して途上国の薬問題について勉強していました。そこで知り合った日本人を通じてカンボジアで結核対策をしている医師と知り合い、国際協力機構(JICA)の技術協力専門家としてカンボジアの政府開発援助(ODA)の仕事を始めることができたんです。

当時、途上国支援は大人の男性を支援していればうまくいくと思っていたのですが、活動していく中でそうではないことを知りました。実は、貧困からの脱却のキーパーソンというのは女性や子どもなんですよね。女性が男性と同等の教育を受けたら農作物の収穫率が上がったり、5歳未満で亡くなる子どもの数が大幅に減ったりしたという報告例もあります。そういったことを知り、興味深いなと思っていました。ODAの仕事が一段落ついたところで家庭の事情もあって帰国した際に、たまたまプラン・インターナショナルが職員を公募していたので応募し、今年で入職9年目になります。


―― 現場で大変だったことはありますか?

途上国は薬自体が足りていません。成分が入っていない偽薬も出回っています。また、品質の高い薬も、配送している途中で抜き取られ、ほとんど保健所や病院に届かないケースも結構あるのです。仮に医療機関に薬が届き、患者さんに薬を出すとします。しかし患者さんが、貧困のためその薬を売ってしまうこともあります。

この問題に対処するため、まずはカンボジア中の保健所へ行って、いろいろな調査をしました。数字を見ればどこで不正をしているかが分かるんです。しかし、不正がありそうな保健所へ乗り込もうとすると薬の管理をしている担当者が逃げてしまうため、簡単にはいきませんでした。

また、カンボジアの人たちはポルポト政権時代の負の歴史(知識人の多くが殺害された)により、ほとんど教育を受けていません。だから簡単な算数や読み書きができない人が多いんです。そこを理解しながら、患者さんに薬の量などを説明しなければいけません。そういう初歩的なところから始めるのは大変でしたね。

自分が置かれた環境で努力すれば道は開ける

―― これから社会に出る高校生へのメッセージをお願いします。

私は途上国支援の仕事に就くとは夢にも思っていなかったですが、高校や大学で学んだことは製薬会社で役に立ちましたし、製薬会社での経験は留学先でとても役に立ちました。もちろん留学先で学んだことは途上国で仕事をする上でものすごく役に立ちました。今振り返ると、経験したことには何一つ無駄なことが無く、役に立つことばかりだったなと思います。

だから高校生の皆さんにも「自分が置かれた環境で努力すれば道は開けるんだよ」と伝えたいです。努力していると絶対に誰かが見ていて、何かあれば手を差し伸べてくれます。そうやっていい方向に展開していくと思います。だから今は自分のやりたいことが見つからなくても、「こんなことが将来何の役に立つのか」と思わないで、何でもトライしてみてほしいですね。



高校生の頃は獣医師を目指していたという内山さんですが、ご自身の置かれた環境で努力していった結果、さまざまな人との出会いと協力があり途上国支援という仕事にめぐり会えたのですね。皆さんが今努力していることも、決して将来無駄になることはないと勇気付けられたのではないでしょうか。

また、10月11日(木)は国際ガールズ・デー。プラン・インターナショナルでは、モデルとしても活躍する森星さんによる写真展示や歌手の一青窈さんを迎えたトークイベントなど、高校生も参加できるさまざまなイベントを東京・六本木で開催します。
途上国の女性・子どもの問題について興味を持った人は、イベントに足を運んで知識を深めてみてくださいね。

▼「国際ガールズ・デー Because I am a Girl 2018」
https://www.plan-international.jp/girl/idg2018/

【取材協力】公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
広報マーケティング部 広報チーム 開発教育担当 内山雄太

この記事のテーマ
国際・国際関係」を解説

国際問題とひと口に言っても、貧困問題や民族間紛争、資源や食料、環境問題、経済的な競争や協調など、じつにさまざまです。こうした問題を抱えた国際社会で活躍できる人材となるためには、語学力はもちろん、世界各地の文化、経済、政治、法律など、学ばなければならない範囲は多岐にわたります。実際に海外で活動するためには、異文化への理解やデリケートな国際感覚も求められます。留学生との交流や自身の留学も役立つでしょう。

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この記事で取り上げた
「国際関係学」
はこんな学問です

世界各地と日本、または研究対象に選んだ地域の問題を、歴史学・社会学・経済学・政治学など幅広い学術的な視点から理解・分析する学問。国際社会のさまざまな問題を把握し、国際的な政治、経済、法律も活用して、異文化地域や利害関係を持つ国家・地域同士が共存を図る方法を見出していくために大切な学問である。外資系企業、旅行業界、海外取引のあるメーカーのほか、公務員や教員など学びを生かせる仕事の幅は広い。

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