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ライオンがペットになる!? 人になつく遺伝子領域の可能性に迫る!

2018.10.19

提供:マイナビ進学編集部

ライオンがペットになる!? 人になつく遺伝子領域の可能性に迫る!

もし、イヌやネコのように、ライオンが家で気軽に飼えるとしたら? 人に懐く遺伝子の領域の発見で、人に懐くマウスを生み出すことができました。ライオンやクマなど、これまで難しかった動物の家畜化に可能性を見出したこの技術についてご紹介します。

この記事をまとめると

  • 人に懐くマウスを生み出す技術が生まれた
  • イヌが人に懐くのは遺伝子領域に理由があった
  • 野生動物が家畜化される時代がくるかもしれない

イヌなどが持つ人に懐く遺伝子の領域とは?

国立遺伝学研究所の研究グループが「イヌなどが人に懐く性質に関わる遺伝子領域について特定した」と発表しました。研究グループは、野生動物が人に懐きにくいのに対してイヌやネコが人に懐きやすいこと、マウスは人が触れても逃げ出さないけれど、近寄ってもこないことに着目し、「もしかしたら、人に懐くマウスを作ることができるのではないか?」と、研究を進めていました。

世界8カ国の野生マウスの中から、自ら人に近寄ってくるマウスを厳選して交配を繰り返した結果、人に懐くマウスを作ることに成功しました。さらに普通のマウスと人に懐くマウスの遺伝子配列を比較することで、人に懐く遺伝子領域を特定することに成功したのです。

イヌより人に懐く野生動物がいるかもしれない?

この研究で、11番染色体上にある「ATR1」と「ATR2」という2つの遺伝子領域が、能動的従順性、つまり「懐く」ことに関連しているということが判明しました。そこでイヌの遺伝子も解明したところ、9番染色体上に同様の遺伝子領域があることが分かったそうです。この研究結果によって判明したのは、イヌが「人類の最良の友」と言われる理由が遺伝子レベルの話であったこと。そして、今までは困難だった野生動物の家畜化に可能性があることでした。

家畜化、つまり動物を家で飼うには、人に懐くという性質が非常に重要。人に懐きにくいと考えられている野生動物の中にも、「ATR1」と「ATR2」の遺伝子領域を持つ動物がいる可能性は十分に考えられます。もしかしたら、イヌより人になつく野生動物が世界のどこかにいるかもしれません。

ライオンと一緒に暮らせる時代が訪れるかも?

例えば、ライオンやクマといった野生の猛獣も、この遺伝子領域を持つ種類を厳選し、交配を繰り返すことで、人に懐く猛獣に育てることが可能になるかもしれません。ここからさらなる研究を重ねることで、さまざまな野生動物と一緒に暮らせる夢のような時代が訪れるかもしれません。

生物学・化学など自然科学の基礎分野の科目を学び、生物のもつ色々な形質がどのように子孫に伝わり、変化していくかを学ぶ「遺伝学」、優れた遺伝的な素質を持った個体を選び集めることで生産性の改善の役に立つ「量的遺伝学」など、さらに専門的な分野を学ぶことができるのが生物生産学です。ライオンとふれあい、ペットとして飼える夢のある未来を想像し、実現に向けて学んでみるのもおもしろいかもしれませんね。

【出典】
Sience Portal|人になつく動物の遺伝子領域を解明 国立遺伝学研究所
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2017/07/20170706_01.html

毎日新聞|国立遺伝学研究所 動物が人に懐く遺伝子の領域特定
https://mainichi.jp/articles/20170717/k00/00e/040/206000c

日本経済新聞|イヌが懐く遺伝子 遺伝研、マウスで領域特定
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO18483160U7A700C1CR8000/

この記事のテーマ
農学・水産学・生物」を解説

私たちはほかの生物から栄養をもらって生活をしています。しかも、採集や狩猟だけではなく、食物を生産するという手段を得て、今日のように繁栄しました。人口増加や環境悪化などに対応し、将来的に安定した食料の確保を維持するためには、農業、林業、水産業などの生産技術の向上が必要です。さらに突き詰めて考えれば、動植物や微生物などの多様な生物に対する研究も重要です。自然との共生が大きなテーマになる学問です。

「農学・水産学・生物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「生物生産学」
はこんな学問です

世界的な規模での食料不足が心配されるなか、安定した供給体制の確保が急がれる。そのために持続可能な食料生産と生産性の向上を研究する学問である。専門分野としては、生物の生産量についてのさまざまな要因を数理的に分析する「数理解析学」、優れた遺伝的な素質を持った個体を選び集めることで生産性の改善の役に立つ「量的遺伝学」、予想外の収量減や生産物のロスを生じさせる病害虫対策を研究する「病害虫研究」などがある。

「生物生産学」について詳しく見る

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