「最近テレビに出過ぎ……」人気芸人を何度も見ると飽きてしまうのはなぜ?
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テレビをつけて繰り返し同じ芸人が出てくると、「何だかもう、飽きてしまった」と思うこと、ありませんか? 同じように、どんなにおいしい料理でも、2皿目、3皿目とおかわりするうちに満足度が低くなっていきますよね。実はこれらの現象を説明する、ある法則が存在します。それは、どんな法則なのでしょうか。
この記事をまとめると
- 最初は面白かったネタも飽きてしまうのには、ある法則があった
- 個数が増えると、満足度の増え方が鈍くなってしまう
- 飽きられないためには、初体験を取り入れることが大切
最初は面白かったのに……芸能人に飽きてしまう理由は?
こんな経験がある人はいませんか? 「最近テレビをつけると同じ芸人のネタばかりで飽きてしまった」「この女優、かわいいんだけど、見過ぎて新鮮味がなくなった」。最初は面白くて笑って見ていた芸人のネタや、好きだと思っていた女優でも、何度も繰り返しテレビで見ると、飽きてしまうものですよね。
テレビ以外でも、「コンビニエンスストアで買ったアイスがおいしくて何度も食べていたら、最初のおいしいという感動がどんどん薄れてきてしまった」「彼女と初めて行ったレストランの味に感動したけど、2回目に食べたらそうでもなかった」など、食事でも「飽きる」場面に遭遇することがあるかもしれません。
実はこれらは「限界効用逓減(ていげん)の法則」という経済学の法則で説明ができるんだそうです。
満足度の大きさは、2回目以降には減ってしまう
この法則では、ある物をおかわりしたときに増える効用(満足度)を限界効用と呼び、その限界効用は個数を増やすたびに減ってしまうといいます。
例えば、おいしいフライドチキンを食べたとき、1個食べると満足度が100上がるとします。しかし、2個目を食べた時の満足度は+90、3個目は+50……などと、おかわりするたびに満足度が減ってしまうのです。1個目の満足度が最大で、あとは個数が増えていくたびに得られる満足度は減るばかりなのです。個人差はあるものの1個のありがたみが、だんだんと減ってしまうのですね。
この理論は食事に限らず、あらゆるケースに当てはまるといいます。先程のテレビで何度も見る人気芸人さんや女優さんだけでなく、恋人にも……。最初は小さな出来事にも感動していたのに、付き合いが長くなってくると相手にトキメキが減ってしまうのも、この理論で説明ができます。
飽きられないものを提供するためには工夫が必要
「最初はあんなに感動したのに、なんだか普通に感じてきてしまった」「自分の気持ちが冷めてきたのか」そんなふうに思い悩む必要はありません。回数を重ねていけばいくほど、満足感は減ってしまうものなのです。
限界効用逓減(ていげん)の法則によると、初めての体験の効用が一番大きいとされています。コンビニエンスストアのスイーツは、お客さんに飽きられる前に次の新作を出すことで、お客さんの満足度を上げているんだとか。恋人となら、いつも同じ場所でデートするのではなく、初めての場所に連れて行くなどすると、満足度を上げられるかもしれませんね。
もし将来、あなたがテレビ番組のプロデューサーになるならば、お茶の間に飽きられないためにどうしたら良いでしょうか。何度も同じタレントを起用することが逆効果になることを知っていなければなりませんね。
飽きられることなくいつもお茶の間を楽しませ、人の心を動かすような番組やコンテンツを作りたいならば、メディア学を学べる学部・学科に進んでみてはいかがでしょうか。人間の行動やコミュニケーションにも法則があります。いろいろな法則を知ることで、より良いコンテンツを生み出せるでしょう。
【出典】
PHP研究所|ケーススタディで学ぶ 入門 ミクロ経済学
投資の窓口|慣れると満足度が減ってしまうのはなぜ?─限界効用逓減の法則
https://fit-toushi.jp/topic/3722/
うれぴあ総研
http://ure.pia.co.jp/articles/-/60036
この記事のテーマ
「社会学・マスコミ・観光」を解説
あまり共通性のないように思われる3分野ですが、じつは密接な関係があります。観光業界にとってマスコミは「広報」そのものです。マスコミの存在なくして観光業界の発展はないでしょう。もともとマスコミは商品を情報化するために社会学を重視しています。社会が求めている漠然としたニーズを精査し、わかりやすいイメージとして変換して提供するのです。今後、観光業などにおけるマスコミの存在はますます大きくなるはずです。
この記事で取り上げた
「メディア学」
はこんな学問です
同じメディア学という名前でも学校によって、教育内容は全く違ってくる。音や映像、コンピュータグラフィックスを扱うメディア系、セキュリティやネットワーク・ソフトウエアの構築などを行うコンピュータ系、メディアの社会的役割を考えるジャーナリズム系などのコースがある。また、資格試験対策に力を入れているコースやメディアコミュニケーションの手段として語学に力を入れているコースもある。名前だけでは判断できないので注意が必要となる。
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