ボランティアを行う高校生の交流会! 高校生ボランティア・アワード2018 レポート【1日目】
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自然災害が多い日本では今、ボランティアの重要性がいっそう高まっています。「自分でも行動を起こしたいけれど、どうしたらいいのか分からない」……そんな想いを抱えている人も多いかもしれません。
8月21日(火)・22日(水)に東京国際フォーラムで行われた「高校生ボランティア・アワード2018」では、災害時に限らず、さまざまなボランティアをしている高校生が集まり、日ごろの活動の発表・交流を行いました。今回は、その1日目の様子をレポートします。
この記事をまとめると
- 高校生ボランティア・アワード2018が開催され、各校の活動発表と交流が行われた
- 活動の内容は幅広く、地域に根差したものから海外に目を向けたものまでさまざま
- 大会応援団の湘南乃風・若旦那さんは、「ボランティアに関わりたいという想いを持ち続けることが、実現の最初の一歩になる」と話した
全国から選ばれた87校の高校生が活動の成果を発表
高校生ボランティア・アワードは今年で3回目。今回は過去最大の147校がエントリーし、その中から87校が発表校に選ばれました。発表は各校のブースで行われ、活動の様子が分かる写真や図解を載せた掲示物、映像、活動から生まれた成果物などを紹介しながら、来場者に活動内容を説明するという方式。どの学校の発表にも、自分たちの活動を知ってもらうための工夫が感じられます。ブースでの発表を通じて、参加校同士の交流も行われていました。
1日目はテレビ番組『ひるキュン!』(TOKYO MX)の生放送からスタート。今回のイベントを主催する「公益財団法人 風に立つライオン基金」の設立者であり理事であるさだまさしさん、そして大会応援団の湘南乃風の若旦那さんとももいろクローバーZがゲスト出演し、高校時代の話、そして今年の参加校の活動の紹介などがあり、大会のスタートにふさわしい盛り上がりを見せました。
その後の開会式では、さださんから「皆さんの活動は日本全体を変えるだけの力を持っています。大変なこともありますが、勇気を持って活動していってください」と励ましの言葉が述べられました。
地元や海外に目を向けたさまざまなボランティア活動
高校生ボランティア・アワードの発表は多岐にわたり、自然災害の被災地・被災者支援や海外の途上国支援、自然保護や町おこし、伝統の継承といった地域のための活動など、それぞれに特色を感じさせるものでした。ここでは3校の取り組みを紹介します。
北海道の私立遺愛女子高等学校の「遺愛フードバンク」では、地元のパン屋さんの協力を得て、賞味期限が近くなった商品を月2回、家庭問題に苦しむ女性の子どもたちが遊ぶ施設に届けています。活動に携わる生徒は、子どもたちにパンを届けて笑顔になってもらう一方、フードバンクだけでなく、家庭問題についても考えていきたいと話してくれました。
静岡県立駿河総合高等学校の「M-SIPP(エムシップ)」は、静岡市をフェアトレードタウンにしようと頑張っているグループ。フェアトレードとは、途上国の原料や製品を適正な価格で購入し、その国の労働者の生活改善や自立を目指す貿易のこと。また地産地消のような「エシカルな消費」の普及も目指しています。この言葉自体が広く知られていないため、その周知が課題とのことでした。
長崎県立諫早農業高等学校「食品科学部」では、県の特産品・かぼちゃの規格外品を2つの方法で有効利用。一つは果肉だけでなく、果皮、種も使った廃棄物ゼロのお菓子「つきひめ」の商品化。「つきひめ」は中国のクルーズ船内で販売され、現在はイベントなどで購入できます。もう一つは、かぼちゃのツルや葉を使った和紙への再生。今後、ハガキや栞として販売する予定ということです。
大会応援団・若旦那さんに聞く「高校生ボランティア・アワード2018」
今回、全ブースを見て回っていた大会応援団の若旦那さん。各校のブースを見た感想を伺いました。
生徒のブース発表を見て、いかがでしたか?
若旦那さん(以下、若):世の中では「若者は冷めている」といった言葉を聞くこともありますが、今回参加した高校の皆さんは活動内容はもちろん、とにかく熱心に語りかけてくれる姿勢に感動しました。
――若旦那さんもボランティアをされていますが、ボランティアに興味を持たれたきっかけは何ですか?
若:自分自身がミュージシャンになってヒット曲に恵まれ、活動の場が広がっていったときに、自分は「命」の歌を歌いたい、頑張ってる人たちの力になりたいという気持ちがどんどん膨らんでいきました。そんなとき、テレビで難病に苦しむ子どもたちの姿を見たんです。こういう子どもたちのために歌いたいと思い、その番組放送から約1年後、雑誌の連載企画で難病の子どもたちを助けるプロジェクトの連載をさせていただくことになりました。そこから自分のボランティア活動が始まり、輪が広がっていきました。
――これからボランティアを始めようとしている高校生にメッセージをお願いします
若:今、何から始めればいいか分からなくても、ボランティアに関わりたいと言い続けていれば、そのうち一緒にやろうという人が増えてきて、活動する時期が来ると思います。ボランティアへの想いを持ち続けていれば、いつか花が開き、そこから社会支援の輪が広がっていきます。そしてもしかしたら、その活動が今後の進路や天職となる仕事を見つけるきっかけになるかもしれません。本やインターネットには載っていない、貴重な経験ができると思います。
――今日はどうもありがとうございました。
「ボランティアに関わりたいという想いを持ち続けることが、実現の最初の一歩」とお話してくださった若旦那さん。ブースで発表を行っている高校生の皆さんからも、ボランティアへの想いを感じる1日目の発表でした。
次回は2日目の様子をお届けします。
☆「高校生ボランティア・アワード2018」はこちらから☆
http://xn--cckab3lsa3izd6b5a7fn.jp/
【取材協力】
公益財団法人 風に立つライオン基金
http://lion.or.jp/