高校総体で行われる「フェンシング」ってどういう競技?
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ヨーロッパを舞台にした映画や漫画などで、フェンシングをするシーンを見たことがある人もいるのではないでしょうか。互いに戦ってはいるものの、貴族的でどことなく優雅な雰囲気がありますよね。日本でも国際大会で活躍する選手が出てきてからは、注目する人も多くなってきました。
今回は高校総体で行われる「フェンシング」について紹介します。
この記事をまとめると
- 「自らの身と名誉を守る」ために発達してきたフェンシング
- フェンシングには「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3種目がある
- 3種目それぞれルールが違うので、見どころもたくさんある
フェンシング発展のベースになったのは「騎士道」
もともとフェンシングは、ヨーロッパ中世の騎士たちが「自らの身と名誉を守る」ために発達してきた剣技です。火器類の武器が登場してからは戦いの場で剣が使われなくなり、競技として進化していきました。伝統ある競技として知られています。
日本では、明治時代にフランス人によってフェンシングが伝えられました。競技として知られるようになったのは昭和に入ってからで、フランスに留学していた岩倉具清氏が大学生に教えたところから広がっていきました。
フェンシングはどのように競技が行われるの?
フェンシングは剣で相手の体を突く競技で、「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3種目に分かれます。高校総体では、試合時間3分間で5ポイントを先取したほうが勝ちとなります。男女ともに個人対抗戦では3種目全てが行われ、学校対抗では「フルーレ」のみが行われます。
各種目で大きく違うのは、剣で相手の体を突いた際にポイントとなる場所です。「フルーレ」は背中を含んだ胴体のみ、「エペ」は頭の先から足の裏まで全身、「サーブル」は頭を含む上半身に剣を突けばポイントになります。
フェンシングの見どころはどんなところ?
フェンシングは3種目それぞれルールが違うところから、見どころもさまざまです。
フルーレは「攻撃権」が尊重される種目で、先に剣先を相手に向けたほうに攻撃権が与えられます。攻撃権がなければ相手の体を突いてもポイントにはなりません。攻撃権を得るには相手の剣に触れて剣先をそらせたり逃げ切ったりする必要があり、両選手の攻撃と防御の動きが目まぐるしく変わるところが大きな見どころです。
エペは体のどこを突いてもポイントとなり、攻撃権が無いため先に突いたほうが勝ちという、とても分かりやすいルールです。そうしたことから簡単に攻撃を仕掛けないで、相手に隙ができるように選手たちは駆け引きをします。剣やフットワークで相手選手をどう惑わすかが見どころです。
「相手の体を突く」ことだけができるフルーレとエペとは違い、突くことに加え「斬る」ことができるのがサーブルです。斬る動作が加わることで、ダイナミックな剣さばきを見ることができます。映画のワンシーンのような戦いを目の当たりにできるかもしれません。
フェンシングと一言でいっても3種目それぞれでルールが大きく異なり、それぞれに見どころがあります。2019年高校総体のフェンシング競技は7月27日から7月30日にかけて鹿児島県霧島市で行われます。この機会に、認知度が高まりつつあるフェンシングを観戦するのも楽しいかもしれませんよ。
【出典】
令和元年度全国高等学校総合体育大会フェンシング競技大会 第65回全国高等学校フェンシング選手権大会
実施要項
https://www.koukousoutai.com/2019soutai/kagoshima/pdf/event/1.%E5%AE%9F%E6%96%BD%E8%A6%81%E9%A0%85%EF%BC%88%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%8931.05.10.pdf
公益社団法人 日本フェンシング協会
http://fencing-jpn.jp/