高校総体で行われる「空手道」はどういう競技?
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「瓦を割ってみたい!」と空手に憧れを持ったことがある人もいるのではないでしょうか。きびきびとした動きを繰り広げる空手選手は、とてもかっこいいですよね。
日本人にとって身近な武術ともいえる空手ですが、競技としてのルールを知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は高校総体の「空手道」について紹介します。
この記事をまとめると
- 沖縄の伝統的な武術と中国武術が融合して、空手が誕生した
- 空手は、組手と形の2種目がある
- 「動」と「静」を感じることができるのが空手の魅力
沖縄生まれの伝統的な武術
空手がどこで始まったのかは諸説ありますが、14世紀に沖縄で発祥したというのが有力な説です。昔から沖縄にある武術に中国武術が合わさり、空手になったといわれています。当時は唐手(トウディー)と呼ばれていて、武器を持たずに自分の体を武器にするということで伝わってきました。
現在では世界中で空手が行われており、競技人口は1億人以上といわれています。国際大会で正式種目になるなど、ますますメジャーな競技になっていくことが期待されています。
空手はどのようにして行われるの?
空手は、手や足を使って相手を突いたり蹴ったりして勝負をする武道です。空手の試合は相手と戦うことでポイントを競い合う「組手」と技の美しさを競う「形」の2通りに分けられます。
高校総体では、形は個人戦のみで、組手は個人と団体戦が行われます。組手は一本(3ポイント)、技あり(2ポイント)、有効(1ポイント)で判断されます。試合時間の間に相手と8ポイントの差をつけるか、試合が終わった時点で多くのポイントを獲得しているほうが勝者となります。
ポイントはどの部位を狙ったかによって決まり、頭部、顔面、頸部などの「上段」へ蹴りを入れると3ポイント、腹部、胸部、背部、脇腹の「中段」へ蹴りを入れると2ポイントを獲得できます。上段、中段以外の場所を狙うことは禁止されています。
形は技の意味を理解しているか、立ち方や技の正確性、パワーやスピードのバランスが判定基準とされます。高校総体では、公益財団法人全日本空手道連盟の指定形が基準となっています。また「礼に始まり、礼に終わる」といわれているように、礼節が重んじられる競技でもあります。
高校総体の空手道競技は、空手道衣などに細かい規定があるところが特徴的です。特に組手競技に限っては、頭や顔を保護するニューメンホーや、拳サポーター、ボディプロテクターなど、男子5点、女子は4点の安全具を身に付けることが必要です。空手は素手でするものというイメージからは少しかけ離れたものになるかもしれませんが、頭部や顔面に蹴りを入れる競技だということを考えると納得できます。
空手の見どころは何?
空手の醍醐味は「動」と「静」といわれています。組手では選手が繰り出す技のスピード感に目が釘付けになり、形では息をのんで選手の演技を見守ることになります。良い意味で極端なギャップが、空手の最大の見どころといえるでしょう。
また組手の団体戦は、体重や身長が無差別で行われます。出場選手それぞれに実力があっても対戦する順番や作戦によって負けてしまうこともあるのだとか。チームが考え出す戦略にも注目したいです。
空手道は日本人にとって身近な武術ですが、競技として観戦する機会はあまり多くはありません。高校総体では8月9日から11日にかけて沖縄県名護市で競技が行われます。この機会に「動」と「静」の魅力を感じるために足を運んでみてはいかがですか?
【出典】
令和元年度全国高等学校総合体育大会空手道競技大会 第46回全国高等学校空手道選手権大会
実施要項
https://www.koukousoutai.com/2019soutai/okinawa/pdf/event/26%20%E7%A9%BA%E6%89%8B%E9%81%93.pdf
横浜市空手道連盟
http://yokohama.wkf.jp/modules/pico/index.php?content_id=4
キッコーマン 空手
https://kikkoman-sports.jp/karate/index.html
NHK情報サイト
https://www.nhk.or.jp/tokyo2020/enjoy/eye/articles/sekai-23.html