【シゴトを知ろう】水産系研究・技術者 編

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【シゴトを知ろう】水産系研究・技術者 編

2018.07.03

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】水産系研究・技術者 編

スーパーでは、野菜や肉、魚の他、それらを加工した商品が数多く販売されています。調理時間の短縮や栄養補助といったさまざまな目的を持つそれらの加工食品は、企業などの研究・開発の成果として生み出されたものです。
「いかにおいしく食べるか」をテーマに神奈川県水産技術センターで日々研究を行っている主任研究員の臼井一茂さんに、水産物の研究開発についてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 商品開発のための研究アイデアを絞り出すのは一苦労
  • 水産技術センターでは日々食品成分の分析や加工開発が行われている
  • 研究と向き合うまじめさと遊び心の両方が大切

捨てられてしまう魚をおいしく食べる研究を行う

捨てられることが多いマグロの血合い部分。「未利用・低利用の水産物をいかにおいしく食べるか」が臼井さんの研究テーマ

捨てられることが多いマグロの血合い部分。「未利用・低利用の水産物をいかにおいしく食べるか」が臼井さんの研究テーマ

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

神奈川県水産技術センターで水産に関する研究をしています。当センターは神奈川県の研究機関なので、「○○について調べてほしい」「○○の有効利用方法を研究してほしい」といった県内で水産業に関わる多くの方(市町村や水産関係団体など)からの依頼をもとにさまざまな研究を行っています。

当センターの研究部門は栽培推進部と企画資源部に分かれており、私は後者に所属し、主に未利用・低利用魚(*1)をいかにおいしく食べるかについて研究しています。研究部門に配属された当初は1~2本の研究を担当するだけでしたが、現在は11本の研究を同時に進めています。これまでに2,000種類以上の加工品を作って国内外に送り出しています。


*未利用・低利用魚:一般的には市場に出しても売れないので、捨ててしまうような魚のこと。

<一日のスケジュール>
08:00 出勤、始業前に実験室をチェックし準備と異常がないかを確認
08:30 研究、実験、事務仕事など
12:00 昼食
13:00 研究、実験、事務仕事など
20:00 退勤


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

実験の結果や仕事の成果が目に見えるので、それがとても面白いです。
マグロは多くの方が食べると思いますが、マグロの中でも「血合い」と呼ばれる赤黒い部分は捨てられることが多く、あまり食べられていません。でも、港の近くの市場などでは安く売られていることがあり、加工や調理の仕方によってはとてもおいしくいただけます。マグロで有名な三崎(神奈川県三浦市)では、「血合いのステーキ」として提供しているマグロ料理専門店もあるんですよ。

一般にはほとんど利用されない魚や捨てられてしまう部分を、いかにおいしく食べてもらうか、その研究成果として出したアイデアが評価されるととてもうれしいです。
水産物の「食」に関する研究は実に幅広く、鮮度保持や品質、栄養成分、味に関することからごみ処理まで多くのテーマが研究対象となるのでやりがいがあります。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

私が行なっている研究は、実験をしても結果が出ないことがあったり、結果が出るのに時間がかかったりすることがあります。また、結果から実用化に向けた成果につなげるアイデアを出すためにいろいろな知識や資料、データが必要になってくるので、それを見つけ出すのが大変です。

最近では、水産の技術だけではなく農業や畜産などの技術を利用して、さまざまなアイデアを出しています。海外の事例からもたくさんの発見があります。日本では、魚を食べるときは昆布だしで食べることが多いのですが、海外では豚骨でとったスープを使うこともあります。組み合わせ方が日本とは全く違いますね。

また、日本の魚料理は全般的に、しょうゆや塩、みそを使った塩分が多い味付けです。しかし、海外の魚料理は塩分を少なくして、辛みや甘味、酸味などを盛り込んだ味付けをします。料理の発想からして全然違うので、どこを真似するか、どこからヒントを得るのかによって限りなく幅が広がり、そこからいいアイデアを絞り出すのに苦労することがあります。

大学選択の決め手は、子どもの頃から好きだった「魚」だった

研究で使うさまざまな器具。大学では研究方法や機材の扱い方などについて学んだ

研究で使うさまざまな器具。大学では研究方法や機材の扱い方などについて学んだ

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

子どもの頃から魚が好きでした。食べることもそうですが、田んぼで魚を捕ったり釣りをしたりすることも大好きだったんです。自然の中にいることが好きだったので、小学生の時知り合いのおばさんから「水産大学に行けば、魚に関するいろいろな研究ができるよ」と言われたことがずっと頭の中にありました。大学受験の際、水産関連について学べる大学を選んだのはそれが理由です。他の大学に行くことは思い浮かびませんでした。

父からの助言もありました。料理人から経営者になった父が、「衣食住に絡むことは一生続けられる。食いっぱぐれないし、好きなことだったら一生続けられる」とアドバイスしてくれたんです。それなら私の場合は「食」だなあと思い、食品分野を研究する学科を選びました。

就職する際は民間企業で働くことも考えましたが、民間の場合は何年もかかって製品開発を行い商品を世に送り出しますが、役所では製品開発の他に家庭で役立つ技術や情報など、食に関わるさまざまな研究ができると思ったので、県(当センター)への就職を決めました。


Q5. 大学では何を学びましたか?

大学では食品生産学科で食品加工や水産食品化学を中心に学び、古くから伝わるかまぼこ作りや缶詰作り、基礎的な実験方法、鮮度指標であるK値の測定法、うまみ成分の抽出方法や分析などを教わりました。
当センターには食品を分析する装置があり、アミノ酸や核酸関連物質など200~300種類の分析を日々行っているのですが、分析をする装置の扱い方や分析方法も大学で習得しました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代から、将来は水産関係の研究をしたいと思っていました。何しろ魚介類が好きで、特に食べることが大好きでしたから(笑)。高校生の頃にやりたいと思っていたことが、大学での学びを通じて現在の仕事につながっています。

夢を追い求めれば道が開ける。達成感を感じられるものを見つけよう

Q7. どういう人が水産系研究・技術者に向いていると思いますか?

真面目な人が向いています。さぼったりインチキしたりするような人は向いていません。でも、研究者として真面目なだけでは仕事が成り立ちません。時には遊び心を持った発想や斬新なアイデアが必要ですからね。

そして、水産物が好きなことも重要です。使命感と工夫する能力を持った人がいいと思います。柔軟にアイデアを出せる人や方向転換ができる人、現場でさまざまな対応ができる人が理想です。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

自立できる、生活が成り立つレベルの報酬が得られて、達成感があり自分なりに納得できる意義のある仕事を見つけてください。皆さんには夢がありますか? 私にはあります。夢の実現を追い求めていけばいろいろな道が開けてきます。スターになれるかもしれません。でも、スターになれなかったとしても、他の道に進むこともできます。最終目標に届かなくても、ゆっくりでも確実に進んでいってほしいですね。


水産系研究・技術者の仕事は、日々の努力とともに発想力がとても重要な仕事であることが分かりました。結果につながるアイデアを絞り出すには、さまざまな情報や新たなものの見方が必要になるので大変ですが、苦労した末に成果が出たときの面白さややりがいも大きいようです。

今までになかった発想で商品を世に出すクリエイティブな仕事をしたい人は、水産系研究・技術者を目指してみるといいかもしれませんね。


【profile】神奈川県水産技術センター 企画資源部(企画調整担当)主任研究員 臼井一茂

神奈川県水産技術センター http://www.pref.kanagawa.jp/div/1730/

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「水産系研究・技術者」
はこんな仕事です

水産資源を調査し、水産業の技術開発をする仕事。水産業関係の企業などで、水産生物を持続的に利用できる管理法や漁業環境の改善について研究。併せて、養殖魚介類の品質改良を進めることで増養殖を、漁法や漁具の研究・開発で漁業技術の効率化を図る。自然環境の変化や乱獲などが原因で漁獲量が減少する近年、安全な水産物を安定供給できるように、水産系研究・技術者が活躍している。民間の企業の他、公務員採用試験に合格すれば、国立の水産研究所や都道府県の水産試験場などで働くこともできる。

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