【シゴトを知ろう】機関車運転士 編

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【シゴトを知ろう】機関車運転士 編

2018.06.27

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】機関車運転士 編

「鉄道」という言葉を聞くと、電車を想像する人が多いと思います。しかし、数十年前の日本では、皆さんにとってなじみのある電気モーターによって動く電車ではなく、石炭による蒸気やディーゼルエンジンなどを動力源とする機関車が走っていました。

乗ったことのある経験を持つ人は少ないかもしれませんが、機関車はまだ日本各地で運行しています。今回は静岡県にある大井川鐵道で蒸気機関車(SL)を運転する杉本真さんに、どのような仕事をしているのかについてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 真夏の蒸気機関車、走行中の乗務員室は60℃を超える暑さ!
  • 仕事は現場で覚える!? 先輩の仕事ぶりから技術や知識を学んだ
  • 機関車運転士(蒸気機関士)は、より良い運転をするために試行錯誤している

子どもたちに大人気! きかんしゃトーマス号も走る大井川鐵道

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

石炭を燃やして水を沸騰させることによって発生する蒸気をエネルギー源にする蒸気機関車の運転士である蒸気機関士と新金谷(しんかなや)乗務区の区長を兼ねています。大井川鐵道には大井川本線(金谷駅~千頭駅間)と井川線(千頭駅~井川駅間)があり、私の所属する新金谷乗務区(大井川本線39.5km)に在籍する22名のうち12名が蒸気機関士です。

蒸気機関車は1年中走っていますが季節によって運行の頻度が変わり、冬は週に4日間運行しています。私の休みは月に8日間です。

<一日のスケジュール>
07:30 出勤、点呼
07:40 蒸気機関車の運行準備(およそ100カ所に油差し、ボディ磨き、ゆるみや傷がないかどうか点検、蒸気圧の調整(*1)など)
10:50 昼食
11:15 新金谷駅から千頭(せんず)駅に向けて出発準備(車両入れ替え、蒸気機関車と客車連結など)
11:52 新金谷駅出発
13:09 千頭駅到着、写真撮影などお客さま応対
13:30 蒸気機関車のメンテナンス、転車台(*2)に乗せて方向転換など
14:00 休憩
14:30 千頭駅から新金谷駅に向けて出発準備、点検
14:53 千頭駅出発
16:09 新金谷駅到着、客車の入れ替えなど
16:55 終了点呼
17:00 ミーティング
17:30 帰宅


*1 蒸気圧の調整:通常、蒸気機関車は機関士(運転士)と助士(機関助士)2名が3人1組となって走らせる。機関士が運転している時や運行前の準備の時にボイラーの中の火室(かしつ)に石炭を入れて湯を沸かし、蒸気圧を上げるのは助士の役目。

*2 転車台(ターンテーブル):蒸気機関車などの向きを変えるための装置。大井川鐵道には新金谷駅と千頭駅の2カ所にある。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

大井川鐵道では従来の蒸気機関車に加えて、2014年からアジアで初めてきかんしゃトーマス号の運行を開始しました。さらに2015年にきかんしゃジェームス号、2016年にはバスのバーティーといった『きかんしゃトーマス』に登場するキャラクターをモチーフにした乗り物が加わったことで、全国各地から小さなお子さま連れのお客さまがいらっしゃるようになりました。ご家族皆さんで喜んでくださるんですよ。

トーマス号を含め蒸気機関車に乗車されたお客さまからお礼の言葉をいただいた時、お子さまやそのご家族が喜んでいる姿を見た時、走っている蒸気機関車に手を振ってくださる沿線の住民や観光客がいらっしゃった時にやりがいを感じます。

お客さまから記念に写真撮影をお願いされるだけではなく、時には「サインください」と言われることもあります(笑)。後日、撮影された写真を会社に送ってくださるお客さまもいらっしゃって、そんな時にはとてもうれしい気持ちになりますね。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

真夏の乗務は大変です。運行の準備段階ですでにひと汗かきますし、蒸気機関車は石炭を燃やしながら走るため機関車全体がとても熱くなるんです。エアコンなどの冷房装置はなく走行中の乗務員室は60℃以上になるので、脱水症状を起こさないように水分を取るようにしています。窓から入ってくる外気の涼しさにホッとしますね。といっても外気温は30℃以上あるのですが(笑)。

また、冬は暖かくてちょうどいいかというとそうでもなくて、乗務員室にはすきま風が入ってくるので寒いんです。火を燃やしているボイラーがある側は暑いので、体半分が暑くもう半分は寒いです(笑)。

乗り物好きが高じて鉄道の世界へ。27歳からSL一筋!

夏は猛烈に暑く、冬はすきま風が吹き抜ける乗務員室。昭和初期に製造されたほぼそのままの状態

夏は猛烈に暑く、冬はすきま風が吹き抜ける乗務員室。昭和初期に製造されたほぼそのままの状態

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

子どもの頃から乗り物全般に興味がありました。高校の先輩が電車の車掌として働いている姿を見ていたので、自分も電車に乗務する仕事ができたらと思っていました。ただし、その時は蒸気機関士になろうという気持ちは全くありませんでした。

私が大井川鐵道に入社したころ、電車はまだワンマン(運転士が車掌を兼ねて一人で運行する)ではなかったので、まず車掌となり、次に免許を取って電車の運転士になりました。電車運転士の経験を積んだ後に蒸気機関車の助士として2~3年働き、国家資格である甲種蒸気機関車運転免許(*3)を取得して、27歳の時に蒸気機関士の仕事に就きました。それからずっと蒸気機関車を運転しています。


*3 甲種蒸気機関車運転免許:電車や新幹線、機関車、路面電車などを運転するには、動力車操縦者運転免許を取得しなければならない。動力車操縦者運転免許は乗り物の動力の種類や走行する場所によって分かれていて、蒸気機関車を運転するには甲種蒸気機関車運転免許が必要となる。


Q5. この仕事に就くために何を学びましたか?

高校生の頃、車掌をしている知り合いから、「運転士として電車に乗務する場合、まず車掌の仕事から始める」と聞きました。車掌は車内で切符を売ったりお釣りを渡したりするため、暗算が素早くできなければいけないとも言われたので、暗算力を磨くためにそろばんの勉強をしました。

また、蒸気機関車の助士をしていた時に、蒸気機関士である先輩方の仕事を見ながらたくさんのことを学びました。この仕事は特にマニュアルがあるわけではないので、先輩方が仕事をする様子からさまざまな運転技術や安全に走るために知っておくべき情報などを、見て、聞いて覚えました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代は地域に貢献する仕事がしたいと思っていて、乗り物も好きだったので、まさに当時の夢が現在の仕事につながっています。

実は、テレビカメラマンにも憧れていたのですが、大井川鐵道の蒸気機関車や駅舎はドラマや映画の撮影に使われることが多く、撮影に立ち会ったりカメラマンの仕事を間近で見たりすることもできるので、その時はとてもうれしいです。

目の前のチャンスを逃さずにチャレンジする気持ちが大事

1936(昭和11)年に三菱重工業神戸造船所で製造された蒸気機関車「C56形44号機」

1936(昭和11)年に三菱重工業神戸造船所で製造された蒸気機関車「C56形44号機」

Q7. どういう人が機関車運転士に向いていると思いますか?

乗り物や電車が好きな人が向いています。あとは、向上心がある人ですね。例えば、「より経済的に運転するにはどうしたらいいか」「石炭や水の消費を抑えるにはどうしたらいいか」といったことを考えられる人がいいです。お客さまに安心して喜んで乗っていただく方法を考えられる人、さらにいい運転を心掛けられる人も向いています。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

将来、自分がやりたいことや就きたい仕事がはっきりと決まっていない人も多いと思います。でも、問題はありません。すでに社会に出ている大人でも、それが明確に分かっている人は少ないものです。

とにかく今は、目の前のチャンスを逃すことなく、興味のあることにどんどんチャレンジするのがいいと思います。苦手なことであっても、とりあえずやってみたほうがいいですよ。面倒くさいとか自分にはできないなどといって逃げ回っていると、そのうちできることもできなくなってしまいます。

失敗しても、それはきっといい経験になります。何にでもチャレンジしていれば、そのうち自分に合ったもの、自分が将来の仕事としてやってみたいことに出合える確率が高まります。あとは、少しくらい怒られてもへこまない強い精神力を持つことも大事です。


蒸気機関車に乗る機会は多くはありませんし、蒸気機関車が今後生産されることはないでしょう。けれども「汽笛が聞きたい」「すすの匂いがいい」といったように、蒸気機関車を求めるお客さんは存在します。鉄道の歴史を未来に継承していくやりがいもあるでしょう。鉄道が好きな人は機関車運転士にも目を向けてみてはいかがでしょうか。


【参考】
大井川鐵道「C56形44号機」
http://oigawa-railway.co.jp/archives/library/%E8%92%B8%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8Ac5644


【profile】大井川鐵道株式会社 新金谷乗務区区長 杉本真

大井川鐵道 http://oigawa-railway.co.jp/

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「機関車運転士」
はこんな仕事です

機関車には主に、電気を原動力とする電気機関車、ディーゼルエンジンを動力源とするディーゼル機関車、石炭の熱でつくり出される蒸気を動力源にする蒸気機関車(SL)などがあり、これらの機関車を運転するのが機関車運転士だ。例えば蒸気機関車の運転士になるには、訓練を受けてから国家試験である「甲種蒸気車操縦者試験」の筆記・技能試験、身体検査に合格して免許を取得し、さらに「ボイラー技士」の資格も必要になる。そのほかの機関車の運転士になる場合も、それぞれの機関車ごとの試験を受けなければならない。

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