【シゴトを知ろう】カスタムメカニック ~番外編~

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【シゴトを知ろう】カスタムメカニック ~番外編~

2018.06.26

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】カスタムメカニック ~番外編~

車に携わる仕事の中でも創造性と芸術性に富んでいるのがカスタムメカニックの仕事です。カスタムカーの中でもペイントに力を入れており、日本だけではなく海外のカスタムカーイベントにも出展し、世界中から注目を集めている井澤孝彦さんに、1月に幕張メッセ(千葉)で行われたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2018」でお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 「異星人の技術」といわれ世界中から賞賛を受けるカスタムを施す
  • 展示したカスタムカーをマイケル・ジャクソンの息子が買いに来た!
  • カスタムのアイデアは普段から目にしている建物や壁から得られる

塗装は下描きなし! 1台のカスタムにかかった期間は3カ月!

「東京オートサロン2018」に出展したカスタムカーの中で井澤さんの思い入れが最も深い一台

「東京オートサロン2018」に出展したカスタムカーの中で井澤さんの思い入れが最も深い一台

――「東京オートサロン」とはどのようなイベントですか?

東京オートサロンは1983年に初めて開催され、今年で36回目になります。トヨタ自動車や日産自動車、メルセデス・ベンツといった自動車メーカーをはじめ、全国のカスタムカーを作る会社が多数出展します。近年は来場者が増え、昨年は3日間の開催期間中に30万人以上が来場し、東京モーターショーよりも1日当たりの来場者数が多くなりました。カスタムカーの人気が高まっているのでしょう。

私は東京オートサロンに10年ほど前からカスタムカーを出展しています。海外のお客さまからもとても高い評価をいただいていて、「異星人の技術だ!」なんて言われることもあります(笑)。

東京オートサロンで行われる「東京国際カスタムカーコンテスト」では、これまでにいくつか大きな賞を受賞しました。2015年は各部門賞の頂点となるグランプリ、2017年と2018年は連続してミニバン・ワゴン部門で最優秀賞をいただきました。来場者からの投票で決まる賞なので高く評価されたことはとてもうれしいですし、名誉なことだと思っています。


――今回出展されている車の中で、最も思い入れのあるカスタムカーについて教えてください。

青い日産のGT-Rです。カスタムに一番時間がかかりましたし、何より作業が難しかったです。今回の東京オートサロンでは8台のカスタムカーを出展していますが、およそ3カ月とどの車よりも時間がかかっています。

ポイントになるのはボディを走るラインです。誰もやっていないカスタムをやってやろうと思って毎年新しいことに挑戦していて、今年はこの白いラインだけで魅せたかったんです。

この車を見た方の多くが「これはラッピングでしょ?」と勘違いされます。ラッピングというのはいわば印刷したシートを車に貼るカスタムなので作業が簡単なのですが、私がラッピングを用いることは一切ありません。全て実際に塗装しています。「プリントではなくて塗装です」と説明すると皆さんすごく驚かれますね。


――白いラインが独特のデザインですが、どのように塗装されているのでしょうか?

実はこのライン、下描きをしていないんです。車のボディラインに合わせて魅力的に見せるためにはどれくらいの間隔でラインを走らせればいいかなど、ずいぶん時間をかけて考えました。

実際に塗る時は、まず基準の1本目のラインを引きます。1本目を引くまでは、他のことは何も考えません。基準となる1本目が大事です。そこから、ラインを上下に1本ずつ足していきます。定規で幅を測ることや下描きをすることはせず、目で見た感覚でラインを引いていきます。そして、ボディラインに合わせて曲げたり長くしたりをその場で決めていきます。

このような作業を車の左右それぞれで行います。この車は正統派カスタムでいこうと思ったので、左右対称に仕上げました。

メーカーと協力して塗料作りから始めるこだわり

世界のセレブから購入希望が殺到!? エングレービングと新開発塗料で仕上げた金と銀の日産GT-R

世界のセレブから購入希望が殺到!? エングレービングと新開発塗料で仕上げた金と銀の日産GT-R

――海外のショーにカスタムカーを出展されたことはありますか?

2015年に銀色の日産GT-R、2016年に金色の日産GT-RをSEMAショー(*)に出展しました。銀色の方は、マイケル・ジャクソンの息子さんが「この車が欲しい!」とわざわざ会場まで買いに来られたんですよ(笑)。また、金色のGT-Rは銀色よりもインパクトが大きかったようで世界中から購入希望者が続々と現れ、現在はドバイにある日産のショールームに展示しています。

私は常に新しいカスタムを考えていて、これらの車は世界への戦略車として製作しました。金色のGT-Rは2016年1月の東京オートサロンでデビューした後、2月に開催された大阪オートメッセで総合グランプリを獲得し、3月末には中東のアブダビ(UAE)のカーショーに出展、ドバイにある日産のショールームで展示をしていました。そして、11月にSEMAショーまで運んだという経緯です。


*SEMA ショー:アメリカで50年以上前から開催されているカスタムカーやパーツのトレードショー。


――金銀どちらのGT-Rにもボディに細かい彫刻のようなものが施されていますが、どのような技術なのでしょうか?

これは「エングレービング」と呼ばれる彫刻の技術で製作しています。エングレービングとはカスタムカーの技術の1つで、イスラム芸術から生まれた彫刻をアメリカのカスタムカー好きがローライダー(車高を低くしたカスタムカー)の鉄のバンパー部分に彫ったのが始まりです。

でも、車のボディ本体には絶対に入れなかったんです。というよりも、ボディにエングレービングのカスタムを行うための技術も道具もなかったというほうが正確かもしれません。非常に手間がかかる作業なので、バンパーやドアミラーなど狭い範囲に行うのが一般的だったのですが、このエングレービングをボディ本体に施してみたいと思ってチャレンジしました。


――金色、銀色に光輝くボディも圧巻ですね。

金・銀のボディカラーは、エングレービングの美しさが際立つように新たに開発しました。ボディ全体に施されたエングレービングは世界初、この金色・銀色の塗料も世界初です。

ちなみに塗料の開発は原料メーカーと共同で行い、試行錯誤を繰り返しながら完成までに約10年の年月を費やしました。自動車用塗料としての扱いやすさや耐久性、耐候性など、これまでの自動車用塗料と同じ水準になるまで時間をかけて開発しました。

銀色よりも金色のGT-Rの方が圧倒的に手間がかかっています。なぜなら、銀色の状態に仕上げてからゴールドキャンディという塗料をかけて金色に塗っていくからです。金色の方がエングレービングの量も多いので、手間は2倍以上かかります。

尊敬する人はカスタムペイントの創始者

――カスタムカーの世界で憧れている人はいますか?

マリオ・ゴメスさんというアメリカンカスタムカーの世界では大変有名な方がいて、その人みたいになりたいと高校生の頃から思っていました。当時、カスタムカー雑誌で彼が作ったカスタムカーを見てとても衝撃を受けましたね。

マリオさんはカスタムペイントの創始者のような存在で、アメリカンカスタムペイントで使われるさまざまな技法にはほとんど彼が関わっています。カスタムカーには世界各国それぞれの特徴があるのですが、マリオさんのペイントした車を見ていると、アメリカの歴史や文化がそのまま感じられるんですよ。


――カスタムカーのアイデアはどのようにして生まれてくるのでしょうか?

ヒントはどこにでもあって、例えば、壁の模様や建物の骨組みなど普段の生活の中にもあります。私が生まれ育った奈良には数多くの歴史的価値のある建造物が残っています。それらの建造物や内装、奈良時代の美術品などにおけるデザインや線の重なり方、模様のつけ方などに、幼い頃から関心を持っていました。そのようなところからアイデアが生まれることもあります。


自動車の整備をしたりデザインをしたりする仕事とは違い、カスタムメカニックの仕事は独特の感性やセンスで「作品を作り上げていく」ような印象を強く受けました。

車が好きで強いこだわりを持ち、創作意欲にあふれている人は、自分のこだわりを反映させてオリジナリティあふれる車を創作するカスタムメカニックの仕事が向いているかもしれませんね。


【profile】株式会社ROHAN(IZAWA ART DESIGN) 代表 井澤孝彦

株式会社ROHAN http://www.rohan-izawa.com

取材協力:KUHL RACING JAPAN(クールレーシングジャパン)
http://www.kuhl-racing.com/

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「カスタムメカニック」
はこんな仕事です

自動車、バイクの修理や機能拡張をする仕事。板金、溶接、塗装、機械工などの技術や最新のトレンドについても熟知した上でユーザーのリクエストを聴き取り、車をカスタマイズする。さまざまな車種や部品に関する知識が必要で、必須資格ではないが「自動車整備士資格」が役立つ。ただ、単なる整備とは異なるため、デザインセンスや独創的なアイデアを磨く努力も大切だ。主な就職先としては、カーカスタマイズ専門店や自動車メーカー、自動車修理工場などが挙げられる。

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