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真夏でも、眠くても……気分を爽快にしてくれる物質の正体とは?

2018.07.13

提供:マイナビ進学編集部

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真夏でも、眠くても……気分を爽快にしてくれる物質の正体とは?

うだるような夏の暑さを吹き飛ばすために、気分爽快!などと書かれたタブレットやガムを口にする人も多いでしょう。爽やかな刺激は受験勉強中の眠気覚ましや気分転換にも役立ちます。ところでこの爽やかさの源になっている物質がどのようなもので、どんな風に誕生したか知っていますか?

この記事をまとめると

  • ひんやりと気分爽快にしてくれる物質の正体は?
  • メントールはこうやって作られる
  • 合成化学の発展でメントールがより身近に

真夏でも気分を爽やかにしてくれる物質の正体

この爽やかな刺激を生み出す物質の正体は「メントール」。ひんやりとした感覚を与えてくれるメントールですが、実際に体温が下がっているわけではありません。皮膚の中に存在する冷感受容体(冷たさを感じる神経細胞)にメントールが作用することでひんやりとした感覚が得られるのです。この爽やかな刺激を呼ぶメントールはお菓子・清涼飲料水はもちろん、歯磨き粉・芳香剤・シャンプーや入浴剤にも配合されています。
このメントールはどのようにして生み出されたのでしょうか?

気分爽快をもたらすメントールはどこから作られている?

メントールには天然と合成のものがあります。このうち天然のメントールはハッカ(薄荷)草という植物から抽出され、香りに独特の柔らかさ・深さを持っています。日本国内では北海道の北見地方で多く栽培されています。ハッカ草は5月に地下茎からいっせいに芽吹き、成長がピークに達する9月に収穫します。

ハッカ草からメントールを抽出する際には、まず乾燥したハッカの葉を水蒸気蒸留法(蒸気を使用して目的成分を抽出する方法)で精油を抽出します。さらにこの精油を冷やした際に現れる無色透明な結晶が「ハッカ脳」です。ハッカ脳はほぼ100%メントール成分です。しかしハッカ草から水蒸気蒸留法・結晶を精製してハッカ脳を作る方法は時間・コストがかかります。
このことから、天然のハッカは供給や価格が不安定というデメリットがあります。そこで登場したのが合成ハッカです。

メントールが身近になったのは合成化学のおかげ

合成ハッカは化学反応を利用して人工的に作られたハッカのこと。最初に作られたのは旧西ドイツで、その後日本でも工場が建設されて製造されるようになり価格も安定するようになりました。現在流通しているハッカを利用した製品のほとんどが、合成ハッカを使用しています。

メントールだけを製造する目的で作られる合成ハッカは、

・シトロネラ草に含まれるシトロネラール
・ハッカ油に含まれているメントン
・ユーカリ油に含まれるピぺリトン
といった成分が原料になっています。

また合成メントールは、ノーベル化学賞を受賞した野依良治教授が完成させた「不斉合成法(バイナップ)」によっても作られています。

このように、私たちがメントールの配合された菓子やいろいろなケア用品などを身近に感じるのは、合成化学の発展の賜物ともいえるでしょう。このように植物などに含まれる成分を抽出する際には有機化学や分析化学が、合成メントールには合成化学が応用されています。興味がある人は化学分野の見識を深めてはいかがでしょうか?

【出典】
鈴木薄荷株式会社
http://www.suzuki-menthol.com/
高砂香料工業株式会社
http://www.takasago.com/ja/index.html
長岡実業株式会社
http://www.nagaoka-mint.co.jp/mint/menthol.html
株式会社北見ハッカ通商
http://www.hakka.be/knowledge/component.html

この記事のテーマ
数学・物理・化学」を解説

私たちの生活基盤である自然界で生じるさまざまな事象や物質、それらが織りなす理論が研究対象です。宇宙や生物がどのようにして誕生し、どのような構造になっているのかという、究極的な知的探究心は人類ならでは。森羅万象の構造や性質、法則と変化を探求する物理や化学、その習得に必要な数学というように、これらの学問は互いに深く関連しています。未知の領域への研究を進めながら、さまざまな原理解明をしていく分野です。

「数学・物理・化学」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「化学」
はこんな学問です

身のまわりにある物質の原子・分子構造を解明して理解し、新しい物質をつくることにもつながる学問。無機化合物の構造を解明する「無機化学」、エネルギーなどの熱力学量の観点から物質を解明する「物理化学」、新たな化合物をつくる「応用化学」など、研究範囲は広い。クリーンエネルギーや医療への活用など、人の未来にとって大切な役割を担う学問といえる。化学製品や食品、薬などの製造業へ進む人が多いが、研究職を選ぶ人もいる。

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