【シゴトを知ろう】航空管制官 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】航空管制官 ~番外編~

2018.06.07

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】航空管制官 ~番外編~

日本を訪れた外国人が驚くことの一つとして、電車や地下鉄など日本の公共交通機関の運行時刻の正確さが挙げられます。その正確さのおかげで、私たちは予定通りに生活を送ることができています。
高校生の皆さんが日常的に利用する乗り物ではありませんが、遠方への旅行などに欠かせない航空機の運航時刻をつかさどっているのが航空管制官。世界トップクラスの定時運航遵守率を誇る羽田空港(東京国際空港)に勤務する野村龍司さんに、航空管制官の仕事や豆知識について教えていただきました。

この記事をまとめると

  • パイロットとの交信は英語。ネイティブの発音に苦戦することも
  • 新たな勤務地へ移るたびに資格を取り直す必要がある
  • 管制室は宙に浮いているような構造になっている

日本にいても日本の時間は使わない!?

――航空管制官とパイロットの交信は何語で行われるのでしょうか?

世界の航空業界の共通言語は英語なので、航空管制官とパイロットの交信は基本的に英語で行います。近年LCC(*1)が複数就航しており、外国人パイロットと交信する機会が増えたので、もっと英語を勉強しないといけないなと実感しています。

ひと口に英語といっても、パイロットの国籍によって発音の違いや英語力に差があります。英語圏出身ではないパイロットの英語は、日本人が話す英語の発音に近くゆっくり話してくれるので聞き取りやすいのですが、母国語が英語で早口で話すパイロットだと聞き取りが大変なこともあります。


*1 LCC:ローコストキャリア(Low Cost Carrier)の略。格安で運航サービスを提供する航空会社のこと。運賃が低価格である反面、JALやANAといった大手航空会社とは異なり、機内食やチェックイン時に預ける荷物が有料であったり、欠航時の保証がなかったりすることがある。


――日本と外国とでは時差がありますが、航空管制の世界ではどこの時間を基準にするのでしょうか?

あまり知られていないのですが、航空管制の世界では日本にいても日本の時間は使いません。使うのは協定世界時(*2)です。日本とは時差が9時間あり、日本が午後10時の場合、協定世界時は同じ日の午後1時となります。航空管制官とパイロットとの交信には協定世界時を使いますが、日本の時間も把握しておかなければならないので、協定世界時と日本時間の2つの時間が常に頭の中にあります。


*2 協定世界時(UTC):世界共通で使用されている時刻のこと。世界各地の標準時は協定世界時をもとに決められている。


――ベテラン管制官と新人管制官の違いはありますか?

航空管制官は資格に基づく業務を行っており、管制業務を行う上では年齢による違いはありません。ベテランでも新人でも同じです。でも、新人よりもベテランの方が経験も豊富であり、通常とは異なる事態が発生した場合はスムーズに対応できると思います。私はまだ航空管制官になって5年目なので、普段と違うことがあった場合や経験したことがない状況が発生した場合には、ベテランの管制官にアドバイスを求めます。
また、経験を重ねるにつれて、自らが実施する管制業務だけでなく、後輩の育成やチームのとりまとめなどの役割を担うこととなります。

航空管制官はベテランになっても勉強をし続けなければいけない

奥に見えるのが新しい管制塔。手前の古い管制塔は現在は使われていない(緊急時には使用する場合も)

奥に見えるのが新しい管制塔。手前の古い管制塔は現在は使われていない(緊急時には使用する場合も)

――配属される空港は希望を出せるのでしょうか?

航空管制官は全国各地に働き場所がある仕事ですし、空港だけではなく、上空を巡航する航空機を管制する機関もあります。経験したことがない業務に就きたいなどの意向を述べることはできますが、必ず反映されるわけではありません。

ちなみに、羽田空港で管制官の経験があっても、別の空港に異動したときは異動先の空港で業務を行うための資格(技能証明)を取る必要があります。管制業務自体は同じでも、空港によって地形や気象が異なります。雪が多かったり霧がよく出たりする地域がありますし、滑走路の数や運航する航空機の種類も違うので管制の方法が変わってきます。そのため、飛行場ごとの技能証明がなくてはなりません。異動の度に訓練が必要となりますので、航空管制官はずっと勉強し続けないといけないんですよ。なお、羽田空港の飛行場管制業務の資格を取得するための標準的な訓練期間は14カ月前後です。

管制官とパイロットの交信は誰でも聞くことができる!

地震で大きなダメージを受けないよう、管制室は管制塔の建物から浮いたような構造になっている

地震で大きなダメージを受けないよう、管制室は管制塔の建物から浮いたような構造になっている

――航空管制官とパイロットとの交信を聞くことはできますか?

エアバンドレシーバーという無線機を使うと、管制官とパイロットが交信する様子を聞くことができます。一般の航空無線では、民間機であれば「VHF(117.975~137MHz)」、軍用機であれば「UHF(222~253.8/275~322MHz)」の周波数帯に合わせることで聞けます。個人で楽しむ分には問題ありませんが、スピーカーから大音量で流すことや聞いた内容を他の人に話すこと、インターネット上で公開することは電波法で禁止されているので注意してください。


――羽田空港の管制塔はどれくらいの高さがありますか?

高さは115.7mあり、約150km離れた浅間山(長野県と群馬県の県境)が見えることもあります。以前は東京空港事務所のビルの建物の間に立つ管制塔で業務を行っていましたが、新しい滑走路(D滑走路)に対応できるように現在の管制塔を立て、2010年1月から運用しています。

羽田空港の管制塔は日本国内で最も高く、世界でも4番目の高さです。地震への対策も万全で、管制塔の最上部にある管制室は建物から浮いたような構造になっており、激しい揺れが起きても揺れを逃すようになっています。管制室が大きな揺れでダメージを受けてしまうと大変なことになりますからね。実際、2011年3月に発生した東日本大震災の時は震度5弱ありましたが、管制室は大きなダメージは受けませんでした。


航空管制官になるには、大学卒業程度の難易度である国家公務員試験「航空管制官採用試験」に合格した後、航空保安大学校で8カ月間の基礎研修(*3)を受けることになります。あらかじめ専門の知識を学んでおく必要はありませんが、野村さんのお話にもあったように仕事をする上で英語力は欠かせません。試験にも英語のヒアリングや筆記、英会話が盛り込まれていますので、航空管制官を目指すのであれば、今のうちからしっかりと英語力を磨いておきましょう。


*3 基礎研修:2016年12月より、航空保安大学校で受ける基礎研修の期間が1年間から8カ月間に短縮された。


【profile】国土交通省東京航空局 東京空港事務所管制保安部航空管制官 野村龍司

国土交通省東京航空局 http://www.cab.mlit.go.jp/tcab/

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「航空管制官」
はこんな仕事です

国家公務員である航空管制官は、航空機が安全に運行できるようにレーダーと無線電話などで航空機に離発着の誘導指示や許可を与える。多くの航空機が飛び交う空港内では航空管制官が飛行状況を把握し、次々と複数の航空機へ主に英語で指示を出さなければならず、細心の注意と集中力のほか、語学力も必要になる。航空管制官になるには、国家公務員試験の中でも専門職試験である「航空管制官採用試験」に合格後、航空保安大学校での1年間の研修が義務付けられているが、採用試験には21歳以上、29歳未満の条件がある。

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