【シゴトを知ろう】航空管制官 編

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【シゴトを知ろう】航空管制官 編

2018.06.07

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】航空管制官 編

航空機に関わる仕事といえば、パイロットや客室乗務員を思い浮かべるかもしれません。しかし、航空機を安全に離着陸させスケジュール通りに運航させるには、航空管制官の存在が欠かせません。
今回は、年間およそ45万回も航空機が発着する羽田空港(東京国際空港)で航空管制官として勤務している野村龍司さんに、仕事の魅力や仕事に就いた経緯などについてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 朝と夕方以降が仕事のピーク。秒刻みのスケジュールで動く
  • 高校時代の同級生の一言が、夢と向き合うきっかけになった
  • 航空管制官には「3秒で7割を判断する」力が必要

航空機の離着陸を定刻通りに行うためにサポート

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

羽田空港の管制塔(飛行場管制所)で航空管制官として働いています。分かりやすくいうと、航空機の交通整理が仕事です。航空管制官は資格によって業務が異なり、私は管制塔で仕事をする航空管制官です。管制塔での管制業務には、大きく分けて2つの仕事があります。

一つは飛行場面を担当する管制官で、離陸する航空機が搭乗ゲートから滑走路まで移動する際や着陸した航空機が滑走路から搭乗ゲートへと向かう際の交通整理を行います。もう一つは滑走路上と飛行中の航空機を担当する管制官で、滑走路における離着陸および空港周辺(半径9km・高さ0.9kmの円柱の範囲)の上空の交通整理をしています。

勤務形態はシフト制で、1日目が早番で2日目が遅番、3、4日目が夜勤となり、その後2日間休みの4勤2休、または2日間の休みのうち2日目の休みが早番となる5勤1休のパターンの組み合わせとなっています。

<シフトのスケジュールの一例>
【早番】
07:30 出勤、天候状況や空港設備の状況をチェック
08:15 管制塔にて管制業務
14:30 ミーティング(チームで1日の出来事を反省する)
16:45 退勤

【遅番】
12:00 出勤、シミュレーターを使用した緊急対応訓練、天候状況や空港設備の状況をチェック
14:00 管制塔にて管制業務
21:15 退勤

【夜勤】
17:45 出勤、会議資料の準備、天候状況や空港設備の状況をチェック
20:45 管制塔にて管制業務
08:30 退勤

※早番のときの昼食は昼頃交代で、遅番と夜勤のときの夕食は勤務前後もしくは勤務中に交代で取る。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

航空管制官の仕事をしていると話すと「かっこいい」「すごい」と言われることがあり、私自身とても誇りを持って働いています。パイロットは定時制を確保した上で安全に離着陸したいものなので、それに応えられるとやりがいを感じます。私はまだ未熟ですが、パイロットとの交信の最後に「ナイスコントロール!」と言ってもらえるように頑張っています。

航空管制官が直接交信するのはパイロットですが、パイロットの声の向こうには数十名、数百名のお客さまがいらっしゃいます。定刻に離発着することは、その方々の大切な時間を守ることにもつながるので、定刻通りの管制をすることが求められています。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

羽田空港は日本国内はもちろん、世界の主要空港の中でも特に過密なスケジュールで知られています。離陸が集中するのは朝、着陸が集中するのは夕方以降で、その時間帯には分刻みならぬ秒刻みでパイロットから航空管制官に呼びかけが入ってきます。ひっきりなしに交信している状態で、それらの呼びかけを手際よくコントロールできた時はうれしいのですが、自分自身としては「もう少しうまく対応できたのではないか」と思う時はあり、落ち込むこともあります。

また、航空機だけではなく電車や地下鉄、新幹線など全ての公共交通機関に共通すると思うのですが、お客さまには、安全はもとより、「時間通りに運航(運行)していて当然」だとの意識があります。特に日本では公共交通機関の運航(運行)時刻が正確ですし、羽田空港は定時運航遵守率が3年連続世界一との調査結果もあります。

もちろん定時運航は航空管制官だけが頑張って実現できるようなものではありません。公共交通機関の担う役割・責任は大変重いので、つらいと感じるほどではありませんが、秒単位で仕事をする現場ではやはりプレッシャーになります。離発着が集中する時間帯は緊張が続きますね。

"完璧"ではなく"ベスト"な判断が求められる

晴れた日には羽田から約150km離れた浅間山(長野県と群馬県の県境)を臨むこともできる

晴れた日には羽田から約150km離れた浅間山(長野県と群馬県の県境)を臨むこともできる

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

幼い頃から飛行機が好きだったので、空港に飛行機を見に行ったり飛行機に乗ったりする機会が多く、小学生の時には航空業界で働くことへの憧れがありました。本気で航空管制官を目指そうと思ったのは、大学に入学してからです。

大学時代に羽田空港で機内清掃のアルバイトをしていた時、仕事が終わって空を見上げたら飛行機が等間隔に並んで順番に着陸してくる光景を目にしたことがあります。その時に、「管制官がコントロールしているからこのように整然と降りてくるんだ。管制官の仕事ってすごいな」と感動に近い気持ちを覚えました。

就職活動では一般企業に就職することも視野に入れて動きましたが、東日本大震災が起こったことによって、途中でいったんストップしてしまったんです。その期間に改めて自分のやりたいことを考えることができ、ちょうどその頃に会った高校時代の同級生から、「そういえばお前、高校生の時は航空管制官を目指してたよね」と言われ、当時のことを思い出すことによって航空管制官にどんどん気持ちが傾きました。

航空管制官の試験に合格した後、保安大(*1)で採用されるまでの間に、カナダに短期留学して英語力を身に付けました。自分には語学力が足りないと思っていたからです。帰国後は保安大で基礎的な研修を受け、卒業後に現在の職場に赴任しました。

*1 保安大:航空保安大学校の略。航空管制官をはじめ、航空の安全を保つための業務を行う航空保安職員を養成する研修施設のことであり、入校と同時に国家公務員として採用されることになる。


Q5. 大学では何を学びましたか?

大学では国際経営学部で会計学を勉強し、 保安大では一般大学とは全く違うことを学びました。航空管制官の仕事のベースとなっている業務規定が書かれた本があり、保安大ではその内容をもとに授業が行われます。また、覚えた知識をシミュレーターを使って実技としても学びました。その他、航空機特性の勉強、さまざまな天候への対応方法、航空無線通信士の資格を取得するための勉強もしました。

会計学では最後の金額を完璧に合わせないとだめなのですが、航空管制官の仕事は完璧を追い求めてはいけない仕事であることを保安大で学びました。状況は刻々と変わるので、その時にベストな選択や判断をしないといけません。瞬時の判断が必要となるので完璧を求めてはいけないんです。保安大では「3秒で7割の判断をするように」と教えられました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

兄の同級生が航空管制官を目指している話を聞き、この仕事の存在を知りました。仕事の内容に興味を持ったため図書館で調べ、中学校の授業で将来の夢を英語で書く時には、「航空管制官になりたい」と書きました。高校生になっても航空管制官への憧れがあり、どのような勉強をしてどのような資格を取れば航空管制官になれるのかといったことを調べていたので、当時の夢が今につながっています。

チームの協力が不可欠! 思いやりがとても大切

反対側にいる管制官に運航票を送る野村さん

反対側にいる管制官に運航票を送る野村さん

Q7. どういう人が航空管制官に向いていると思いますか?

「3秒で7割の判断」ができる人です。完璧にこだわらず、その状況の中でベストな判断ができる人がいいですね。そして思いやりのある人です。管制官はチームで動いているので、仕事をする上で他人を思いやる気持ちが大変重要です。1人だけの知識や技術では回せないことでも、チームのメンバーがフォローすることによってうまくいく場合もあります。また、サポートが必要な時、周囲に「サポートしてください」と言える勇気を持つことも大切です。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

何事も途中で諦めず、1つのことを最後までやり抜く力を持ってください。スポーツでも勉強でもいいので、常に上を目指してチャレンジし続けてほしいです。

そして、友達を大切にしてください。私には保安大でともに学んだ同期が30人いますが、1年間の研修(*2)中、何度も助けられました。つらいことや悩みを相談し、大変なことでも一緒に乗り越えてきたからこそ今の自分があります。友達や同期、一緒に働く仲間の存在は非常に大きいので、大切にしてほしいと思います。


*2 研修:2016年12月より、航空保安大学校で受ける基礎研修の期間が1年間から8カ月間に短縮された。


多くの人々の命を預かっている航空機を無事離着陸させることはとても大切な仕事です。また、スケジュール通りに運航できなければ仕事や生活に支障をきたす人もいます。秒刻みで動く大変な仕事ではありますが、その反面、人々の役に立つことができるやりがいも大きいでしょう。航空関係の仕事に就きたいと考えている人は、航空管制官の仕事に目を向けてみてはいかがでしょうか。


【profile】国土交通省東京航空局 東京空港事務所管制保安部航空管制官 野村龍司

国土交通省東京航空局 http://www.cab.mlit.go.jp/tcab/

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「航空管制官」
はこんな仕事です

国家公務員である航空管制官は、航空機が安全に運行できるようにレーダーと無線電話などで航空機に離発着の誘導指示や許可を与える。多くの航空機が飛び交う空港内では航空管制官が飛行状況を把握し、次々と複数の航空機へ主に英語で指示を出さなければならず、細心の注意と集中力のほか、語学力も必要になる。航空管制官になるには、国家公務員試験の中でも専門職試験である「航空管制官採用試験」に合格後、航空保安大学校での1年間の研修が義務付けられているが、採用試験には21歳以上、29歳未満の条件がある。

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