【シゴトを知ろう】金型工 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】金型工 ~番外編~

2018.06.11

提供:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】金型工 ~番外編~

子どもの頃にプラモデルを作った経験がある人は、全く同じ製品が大量に存在していることを不思議に思いませんでしたか。どの製品を見ても、細部のパーツに至るまで寸分の違いなく同じ大きさと形をしています。このように全く同じものを大量に作ることを可能にしているのが金型で、金型を作っているのが金型工です。そんな金型工の豆知識や裏話などを、株式会社タミヤの金型部で働く佐野圭佑さんに伺いました。

この記事をまとめると

  • ベテランになると、図面を見ただけで完成した形がイメージできる
  • 金型はタミヤの宝。数千万円もする金型が存在する!
  • 運ぶのも一苦労。自動車より重い金型を作った経験もある

時代の変化に伴い新しい技術や機械を導入。でも、求められるセンスは変わらない

タミヤの模型は各パーツが作りやすいよう配置されているため、金型工の技術とセンスが問われる

タミヤの模型は各パーツが作りやすいよう配置されているため、金型工の技術とセンスが問われる

――昔の金型と現在の金型で作り方に違いはありますか?

まず、金型が完成するまでの時間が圧倒的に短くなりました。3DCAD(*1)の導入や精度の高い加工機が導入されたためです。それらの新しい機械を使いこなすことによって、人の手が関わってくる部分が減ってきています。

昔は金型が合わない場合は人の手で微調整をしていましたが、今は精度のいい機械で加工するため、人が行う最終調整の部分は格段に減りました。ただし、最新の機械を使えば新人の金型工でもすぐに精度の高い金型が作れるわけではありません。8割くらいまでは機械さえ使えれば同じようなレベルの金型ができるようになりましたが、残りの2割の最終仕上げには、金型工の技術力や経験値などが大きく関わってきます。

模型が完成したときの美しさや精緻を出すためには、機械の性能はもちろん必要ですが、その性能をうまく引き出すことが必要です。精度のいい機械を使うことで、加工する時間は昔に比べ格段に速くなり、嵌合精度(*2)が格段に向上しましたが、最終的にいい製品を生産できるように仕上げるには経験値に基づき養われる「技術力」が要求されます。この部分は、昔も今も変わりません。


*1 3DCAD:工業製品の設計をする上で、製品の図面を3次元で立体的に表示して作図を行うシステムのこと。

*2 篏合(はめあい・かんごう):軸と穴のはめ合わせ。


――ベテランの金型工と新人の金型工との違いはどんなところにありますか?

図面を見ただけで、完成形が見えているか見えていないかが最も大きな違いです。20年以上の経験を持つベテランの金型工の場合、図面を形にするとどのような金型になるのかが明確に分かっています。入社して5年目くらいの新人金型工ではそれが分かりません。

また、スキルの違いは金型の修理をする場合にも現れます。タミヤの金型の中には作られてから50年以上経過しているものがあり、何十万回、何百万回、ものによっては何千万回も使われている金型もあります。金型の修理が必要と判断されたとき、時間をかけて修理してから使うほうがいいのですが、それには時間も手間もかかります。そこで、可能な場合は応急処置をして、ひとまず作業を長く中断せずに進める方法を取ります。残りの生産数などを考慮し、「どのような応急処置をすればいいのか」「どの部分を直せば効率良く作業ができるのか」といったことを判断できるのがベテランの金型工です。当然ですが、金型自体の仕上がり(製品の仕上がり)も違います。


――会社には何人くらいの金型工がいますか?

タミヤには日本だけではなくフィリピンにも自社工場があります。日本には30人、フィリピンには300人の金型工が在籍している他、技術を指導し、製造の管理をする日本人の金型工が3人フィリピンに駐在しています。その中には、かなりベテランのゴッドハンドと呼ばれる金型工も含まれています。

新人に対する教育は日本もフィリピンも全く同じマニュアルで行いますが、仕事の内容においては少し違いがあります。日本ではより精度が求められる金型や、金型の修理が中心で、全般的に短納期(1~2カ月)で行われています。

金型の素材には昔も今も鋼(はがね)が使われている

構造を正確に知るために、実車を購入して分解して調査することも

構造を正確に知るために、実車を購入して分解して調査することも

――金型の材料には何が使われているのでしょうか?

鋼(はがね)と呼ばれる鉄です。金型の材料に鉄を使うことは昔も今も変わりませんが、添加物などによって、耐久性を上げたり加工しやすいように性質を変えたりしているものもあります。鉄と鋼は元素記号で表すと同じFeですが、炭素の含有量によって定義や性質が異なります。鉄は炭素含有量が0.02%未満、鋼は0.02~2.14%となります。

炭素を含んでいる量によって鉄の持つ性質が変わり、炭素が増えると硬く、強くなりますがその分加工がしにくくなります。金型ではなく樹脂型もありますが、数万、数十万個の製品を作るとなると耐久性の面で不安があります。


――非常に高額な金型もあると伺いました。いくらぐらいなのでしょうか?

タミヤにある金型には、1960年代に作られたものから現在作っているものまでいろいろとあります。ミニ四駆用のボディの金型は1つ数百万円はしますし、高額なものだと数千万円もする金型があります。

金型はタミヤにおいて最も資産価値の高いもので、定期的にメンテナンスを行っており、社内で厳重に保管されています。古い金型は当時の金型工がほぼ全て手作業で作製していて、データという概念はなかったため、二度と同じものを作ることはできませんからね。

製作期間を左右するのは大きさではなくパーツの細かさ

――タミヤ模型が高い評価を受けている理由はどこにあると思われますか?

タミヤでは、金型から製品になるまで自社で一貫して製造できる体制を整えています。金型に限らず、パッケージ(箱)や印刷物、模型に貼るステッカーなど製品に関わるほとんどを社内で作っていますので、高品質を保つことができているのだと思います。

金型工の教育においては、社内の熟練の金型工が新入社員を育て、立派な金型工に成長できる仕組みになっています。金型を作る(鉄を加工する)道具に関しても、精度の高い金型ができる5軸の加工機を導入しています。3軸の加工機で作るのが一般的で、5軸の加工機を導入して金型を作っている模型メーカーは日本ではごく少数だと思います。


――これまでに手掛けた金型で最も印象的なものについて教えてください。

インパクトの強さでいうと総重量2トン超という金型を作ったことがあります。ダンプカーの積載部分、つまり荷台のところの成形品で、模型用の金型としては非常に大きなものでした。これを仕上げたことがとても印象に残っています。本社工場(静岡県静岡市)では試射(試しに金型を使って作ってみること)できないので、生産本部がある同じ市内の別の自社工場まで行ってテストを行いました。金型の設計から完成まで数カ月かかりましたね。これだけの大きさになると、通常はクレーンを使って運びます。運ぶのも大変なんです。

ちなみに、大きなものをつくるからといって金型を作るのに必要な期間が長くなるわけではありません。飛行機や艦船の模型のように細かいパーツの金型のほうが高い精度が要求されるので、模型のサイズは小さくても逆に時間がかかることもあります。


私たちは、きれいなフォルムをした使いやすい製品に囲まれて生活しています。その中には金型工の力がなければ存在しない物もたくさんあります。家庭生活や社会のインフラ、企業の製品など多くの領域で人々の支えとなることができる仕事が金型工です。専門的な技術を駆使して人々の支えになるものづくりに興味がある人は、金型工を目指してみてはいかがでしょうか。


【profile】株式会社タミヤ 金型部金型製作課 佐野圭佑

株式会社タミヤ http://www.tamiya.com

この記事のテーマ
機械・電気・化学」を解説

製品を効率よく大量に生産する機械の製造・操作・保守に関わったり、電気、石油やガスなどのエネルギーを安定かつ安全に供給する設備を運営・管理したりするための知識や技術を身につけます。機械や電気、化学物質を取り扱う資格取得を目指すカリキュラムが中心。危険物を扱うことも多いため、仕事への注意力や慎重さも身につける必要があります。

「機械・電気・化学」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「金型工」
はこんな仕事です

金型とは金属でつくられた型のことで、自動車や建築資材、医療機器、化学機械などの金属でできている部分の生産に使う。金型工はこれを設計、製造する仕事。多くの工業製品は金型がなくては製造ができないため、製造業界において重要な役割を担う。まずはコンピューターで金型設計図面を作成。それを基に機械を使って金属を加工し、金型を仕上げていく。関連資格としては、国家資格の「金型製作技能士」がある。取得は必須ではないが技術の証明となり、仕事の幅が広がるだろう。

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