【シゴトを知ろう】キュレーター 編

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【シゴトを知ろう】キュレーター 編

2018.05.24

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】キュレーター 編

私たちが足を運ぶ博物館や美術館の裏側では、どのような企画を催し、どういった作品を展示するかを決めるキュレーターと呼ばれる人が活躍しています。欧米では、特別な資格を持たずフリーランスで活躍している人も多いキュレーターですが、日本では博物館や美術館で働く学芸員を指すこともあります。
今回は、キュレーターの仕事の内容ややりがいについて、横浜市歴史博物館で活動されている小林紀子さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 博物館で働くキュレーターに共通する3つの仕事とは?
  • 大学生の時キュレーターが働く様子を見て、将来目指す道を決めた
  • 企画力が求められる仕事。専門分野にとらわれず、面白そうなことに挑戦しよう

いいものを作りたい気持ちと時間がせめぎ合う

横浜市内の小学校にて出張授業を行う小林さん

横浜市内の小学校にて出張授業を行う小林さん

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

横浜市歴史博物館で、近世(*)史の中でも主に江戸時代を専門とするキュレーター(学芸員)として働いています。最近では浮世絵の展示を企画しました。博物館が収蔵する古文書の目録を毎年発行しているので、その編集なども行っています。

また、横浜市内の小学校に出張して江戸時代に関する授業をしたり、当館で実施している市民講座の講師を務めたりもしています。

博物館の仕事は多岐にわたるため、当館のキュレーター(学芸員)はそれぞれ違う内容の仕事をしています。館によっても力を入れている事業が違うのでキュレーター(学芸員)の仕事は多様ですが、共通している大きな仕事は3つあります。

まず1つ目は、博物館は資料がなければ成立しませんので、資料を収集して保存することです。2つ目は、その資料に関する研究や館のコンセプトに基づいた調査研究を行うことです。そして3つ目は、それらの研究の成果を展示会や講座、ワークショップなどを通じて市民の方々や社会に広く還元する活動を行うことです。

*近世:歴史における時代区分(原始時代、古代、中世、近世、近代、現代)の一つ。日本史では、16世紀後半から19世紀後半までの安土桃山時代と江戸時代を指すことが一般的。

<一日のスケジュール>
08:45 勤務開始、事務仕事、メールチェック・返信
09:15 事務職員とキュレーター(学芸員)の会議
10:30 キュレーター(学芸員)の会議
12:00 昼食
13:00 企画展についての会議
15:00 企画展や講座の準備
17:30 業務終了

※企画展や講座の間際には、そのまま業務を続けることも。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

展覧会や講座、ワークショップなどを企画して準備を進め、開催されて形になった時は、長い準備期間がある分喜びややりがいを感じます。さらに、それを見にいらっしゃった、あるいは参加したお客さまが、「面白かった!」と反応してくださるととてもうれしいです。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

企画展のための調査は、資料を所蔵する機関や個人の方のお宅に出向いて行うことも多く、体力的に大変なことがあります。以前、夏に神楽(かぐら)という民俗芸能に関する展示の調査を担当した時は、お祭りに何度も通い、炎天下の中数時間にわたる調査が続いたため、なかなか大変でした。でも、そうやって頑張って1つの企画展を作りあげると達成感がありますね。

他には、企画展の開催直前になると、展示作品の写真や解説などを載せた図録を仕上げたり資料を借りに行ったりポスターやパンフレットの校正をしたりと、一気に仕事が増えます。企画展直前のタスク(行わなければならない業務)の同時進行は、締め切りが破れない仕事なので、かなり精神的にも体力的にも大変ですが、やり終えたときには達成感を感じます。

図録の解説を書くなど静かな落ち着いた環境で取り組みたい仕事もあるため、終業時間後に仕事をすることもあります。最高にいいものを作りたいと思っていますが、時間や予算は限られているので、落としどころをどこにするのかについても常に考えています。

苦戦した就職活動。でも、専門知識が生かせる場所と出合えた

小林さんの背後にあるのは、江戸時代に存在していた神奈川宿の茶屋「桜屋」の大型模型

小林さんの背後にあるのは、江戸時代に存在していた神奈川宿の茶屋「桜屋」の大型模型

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

日本近世史を専攻していた大学生の頃、卒業論文を書く際に地元である栃木県小山市の古文書を探したところ、小山市の博物館にあることが分かりました。そこで博物館に連絡をしてみると、学芸員の方が丁寧に対応してくれたんです。大学で学芸員の課程を取ってはいたものの、仕事の様子を実際に見るのは初めてでとても興味深く感じ、本格的に学芸員を目指そうと決めました。

日本史関連のキュレーター(学芸員)になる場合、自分で古文書の読解や調査ができなければいけません。そのためには大学で学ぶだけでは不十分だったことから大学院に進みました。

大学院の修士課程が終わった後は、博士課程に在籍しながら就職活動を行いました。キュレーター(学芸員)として働くのは狭き門なので、いろいろな博物館の面接を受けては落ちということを繰り返しました。
合否はキュレーター(学芸員)を募集している博物館がどんな人材を求めているかによって決まります。当時、当館では江戸時代を専門とし、かつワークショップにも取り組めるキュレーター(学芸員)を募集していたので私の専門や興味と一致し、採用していただくことができました。


Q5. 大学では何を学びましたか?

大学では史学科で日本近世史を専攻し、日本史に関する古文書や記録などの文献を正確に読み、その内容を検討して事実を解明する方法を学びました。

また、決められた科目の単位を修得すれば卒業時に学芸員の資格を得られる学芸員課程を履修し、博物館に関する科目を通じて、博物館に関する法や社会的な役割、資料の取り扱いや展示などの活動の意義、博物館における学芸員の多様な業務について学んだ他、博物館で10日間ほど実習も行いました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

小さい頃に近所にあった古墳や史跡公園でよく遊んでいて、中学生くらいになってからあれは古墳や史跡だったのだと理解しました。自分と同じ人間が何千年も前にここで暮らしていたのだと考えると楽しく、歴史に興味を持ちました。そして将来は歴史に関わる仕事ができたらいいなという漠然とした夢を持っていました。

大学で日本近世史の勉強をして、その知識や研究手法を生かしながらキュレーター(学芸員)として活動できているので、当時の思いは今につながっていますね。

キュレーターになりたいのなら、興味のある分野を見つけることが大切

Q7. どういう人がキュレーターに向いていると思いますか?

博物館の仕事を通じて、資料を所蔵している方や研究者の方、来館者の方々、博物館を支えてくださっている受付の方、警備の方、ボランティアの方など、キュレーター(学芸員)はさまざま々な方々と交流します。人と触れ合うことが好きな人や感謝の気持ちを持てる人が向いています。

資料がないと博物館は成り立ちません。資料には優劣がなく、どんな資料も大切です。「もの(資料)」と「人」の両方に対して誠実に責任と敬意を持って接することができる人に、キュレーター(学芸員)の仕事を目指してもらえるとうれしいです。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

キュレーター(学芸員)は、資格を持っている人の数に対して求人数がとても少ないので、簡単になれるものではありません。キュレーター(学芸員)に一歩近づく方法は、興味のある分野を見つけて、知識を深めるために一生懸命に努力をすることです。

そして、企画を立てるには常にいろいろなことに興味を持っていないといけないので、専門にとらわれずに面白いと思ったことに挑戦してほしいです。思いがけないところで役に立つことがあるので、専攻以外の分野の本を読んでみるなど、視野を広げるといいと思います。


一般の企業とは違って、博物館や美術館に行くことで誰もが展示や講座を通じてキュレーターの仕事に触れることができます。それだけではなく、館によってはボランティアとして館の事業に参加することも可能です。
キュレーターに興味がある人は、ぜひ博物館や美術館に足を運んでみてください。展示をじっくりと観たり、イベントに参加してスタッフに話を聞いたりしてみることで、思わぬ発見があるかもしれませんよ。


【profile】横浜市歴史博物館 学芸員 小林紀子

横浜市歴史博物館 https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/

写真提供:(2枚目)横浜市歴史博物館

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「キュレーター」
はこんな仕事です

美術品や芸術作品を鑑定し、展示品などの企画選定をする。美術館などでは作品の保管・管理も行う。欧米では仕事の範囲が限られているが、日本では学芸員のことをキュレーターということが多く、美術館や博物館に関わるあらゆる業務を行う。学芸員になるには文部科学省の国家資格が必要である。一方、フリーランスで活動する場合は資格が不要だが、信頼を得て認められるまでは実績の積み重ねが必要。美術品に対する知識のみならず、企画力や交渉力、管理能力、さらに空間を構成するための表現力も重要となる専門職である。

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