【シゴトを知ろう】計器組立工 ~番外編~

さまざまなものの数値測定に使用する計器。「【シゴトを知ろう】計器組立工 編」では、ものの重量を量る計器を製造する日本製衡所の立川憲一さんに、計器組立の仕事について教えていただきました。番外編ではより詳しく、仕事の工夫や業界ならではの「あるある」などについて伺います。
この記事をまとめると
- 計器が目に入ると自社製品かどうか確認してしまう
- 前後工程の担当者とコミュニケーションをとり、情報共有を徹底している
- 現在の仕事を先輩から引き継いだときのことが一番思い出深い
重たい荷物を持つと、つい重量を当てたくなる!?
――さまざまな種類の計器を製作していると思いますが、今まで製作したはかりの中で、特にイチオシのものがあれば教えてください。
「カートスケール」という計器です。文字通り荷物を台車やカートごと計器に載せて、重量を計測することができます。以前、レールをカートスケール上に設置して、荷物車両を載せられる仕様の計器も製作しました。とても汎用性が高い計器です。
――この仕事ならではの「あるある」話や、プライベートでもついやってしまう癖を教えてください。
まずは、液晶デジタルの数値を見ると、「kg」なのか「t」なのか、単位が気になって見てしまいますね。あとは、重たい荷物を持ったときに、その荷物の重量を当てたくなります。
また、販売店や工場などで計器が目に入ると、自社製品かどうか確認してしまいます。
作業の始めと終わりに図面を確認し、ミスを防止
――作業を正確に、効率的に進めるために心掛けていることや工夫していることがあれば教えてください。
計器組立作業は製造工程の一部であるため、その前後工程の担当者とコミュニケーションをとり、必要な情報をしっかり共有・伝達することを実行しています。
また、組立作業の始めと終わりに図面を確認することで、ミスを防止するように心掛けています。
先輩から引き継いだ仕事を無事に行い、自信につなげた
――最後に、仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
現在の仕事を先輩から引き継いだときのことが一番心に残っています。前任の先輩から多くのことを指導していただき、仕事を引き継いで最初に手掛けた業務が無事に終了した瞬間には、大きな安心と達成感が得られました。また、ミスなく業務を終えたことで、その後の仕事への自信につなげることができました。
計器組立と聞くと、黙々と作業をしているイメージがあった人もいるかもしれませんが、立川さんのお話を聞いて、普段から先輩や、共に作業する人たちとたくさんのコミュニケーションをとっていることが分かりましたね。
私たちの生活にも身近な計器。社会のたくさんの人々に関わることができる仕事に惹かれる人は、ぜひこの仕事に目を向けてみてください。
【profile】株式会社日本製衡所 立川憲一
公式HP:http://www.nikko-scale.com/
この記事のテーマ
「機械・電気・化学」を解説
製品を効率よく大量に生産する機械の製造・操作・保守に関わったり、電気、石油やガスなどのエネルギーを安定かつ安全に供給する設備を運営・管理したりするための知識や技術を身につけます。機械や電気、化学物質を取り扱う資格取得を目指すカリキュラムが中心。危険物を扱うことも多いため、仕事への注意力や慎重さも身につける必要があります。
この記事で取り上げた
「計器組立工」
はこんな仕事です
計器組立工は、水道・ガスのメーター、温度計やはかりといった機械部品を組み立てる仕事。材料になる金属、合成樹脂などを加工し、各パーツを作り、組み立て・調整を行って製品化する。そして最終検査の後に出荷と、これら一連の工程を受け持つ。計器の種類は多様だが、工程はほとんど一緒になり、完成させた機械の動作確認・調整などをして問題がなければ梱包・出荷する。納品した機械を工場に設置する際に、いったん分解し、設置場所で組み立て直すこともある。