【シゴトを知ろう】舞台機構調整技能士 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】舞台機構調整技能士 ~番外編~

2018.05.23

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】舞台機構調整技能士 ~番外編~

ライブハウスや演劇、ミュージカル、ダンス、放送などの世界に欠かすことができないのが「音」です。プロとしてお客さまに届ける音の品質は高くなければなりません。そのようなさまざまな世界において音を調整するのが舞台機構調整技能士です。1級舞台機構調整技能士の資格を持つ山中秀一さんに、業界に関するお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 現場を経験することで知識や技術が身に付く職人の世界
  • 舞台機構調整技能士の仕事は「音響」に限定されている
  • 現場で音響を確認するために、好きな曲を入れたCDを持ち歩く

仕事の繁忙期は、イベントの多い夏から秋にかけての期間

――山中さんはどんな場所で舞台機構調整技能士の仕事をすることが多いですか?

50席の小劇場から2,000人くらい入れる大ホール、ホテルや結婚式場の宴会場や会議室、集会所、野外だとお祭りの会場や花火大会の海岸全体などで仕事をしています。空き地を利用した巨大美術の中で仕事をしたこともあり、規模も催しの内容もさまざまです。


――年間を通して忙しい時期はいつでしょうか?

春は年度が変わったばかりなのでイベントや催し物は少ない傾向にあります。夏から11月いっぱいまでがピークですね。夏祭りがありますし、秋は学校祭の他に文化事業も集中します。文化団体に支払われる助成金の決定時期が年度末ギリギリになるのも要因の1つだと思います。

土日や祝日、連休など皆さんが休んでいる時が仕事です。お金を稼ぐことも大切で、繁忙期にはたくさん仕事を入れます。でも体は1つなので、いくつも現場を担当すると頭がこんがらがりますね(笑)。


――先輩の技を見て聞いて覚える職人の世界のような部分もあると聞きました。上下関係は厳しいですか?

上下関係は厳しいですが、理不尽なことも我慢しなければならないような封建的な関係ではありません。仕事をしながら覚えていくことが圧倒的に多く、どれだけ事前に打ち合わせやシミュレーションをしていても現場では予定していなかった指示が飛び交い、それに対応しなければならない厳しさはあります。特に時間が少ないときや微妙な調整が必要な場面では、緊張感が漂う現場になります。

舞台機構調整技能士の試験では、音楽を聞いて楽器の数を当てる問いが出題

1級舞台機構調整技能士の合格証書。学科試験と実技試験があり、ミキシングや音質の判別などが出題される

1級舞台機構調整技能士の合格証書。学科試験と実技試験があり、ミキシングや音質の判別などが出題される

――舞台機構調整技能士の資格には1級から3級までありますが、何が違うのでしょうか?

この資格は正確には「舞台機構調整(音響機構調整作業)」という名称で、厚生労働省が定めた国家検定制度で取得できます。1級であれば上級技能者として、3級であれば初級技能者として扱われます。

実務経験が受験資格に絡んでくるのが特徴で、1級の場合、3級を取得した後4年以上もしくは2級を取得した後2年以上の実務経験、または実務経験を7年以上持つ人しか受けられません。2級を受けられるのは、3級の合格者または実務経験が2年以上ある人です。3級は、実務経験がある人や専門学校・職業学校など音響関連の学科に在籍している人が受けられます。

私が受験した時はまだ3級がありませんでしたし、1級の受験資格は実務経験10年と長かったのですが、現在では少し緩和されて3級は学生でも受験することができ、就職先を探す時に資格を持っていると有利なようです。ちなみに、私は1級舞台機構調整技能士です。

舞台の仕事には大きく「舞台」「照明」「音響」と3部門あり、「音響機構調整作業」とかっこ書きにある通り、舞台機構調整技能士の仕事は「音響」に限定されています。


――1級の検定試験に合格するために、どんな準備をされましたか?

学科(筆記)試験と実技試験があり、学科試験は音響や音楽、電気、基本的な舞台やホールなどに関する知識が問われるので問題集を買って勉強し、バンド演奏の仕込みからリハーサル、本番までの作業を評価される実技(作業試験)は講習会に参加しました。

この2つの試験は普段の仕事で行っている舞台の知識やミキシング技術でほとんど対応できましたが、実技(要素試験)には大変苦労しました。これは聞き取りの試験なのですが、音楽を聞き取り、使用されている楽器やその数を問う問題が出されます。付け焼き刃の知識ではなく、普段から専門的な意識を持っていろいろなジャンルの音楽を聞くことの重要性を学びました。


――音響の仕事は資格がなくてもできるのでしょうか? 舞台機構調整技能士の国家資格がある人とない人とでは、どのような違いがあるとお考えですか?

資格がないと音響の仕事ができないことはありませんし、資格を持っているからといって優れた技術者であるわけでもありません。業界の中であれば、これまで携わってきた仕事の評価によって資格を持っていなくても仕事が成立することがあります。

ただ私は、仕事を依頼してくださる一般の方やホールなどを設置している自治体の方などが、私のスキルを評価する上で一定の基準になると思い、資格を取得しました。実際に、仕事を発注する条件に有資格者であることが明記されている案件を目にしたことがあります。

海外で自分の力が通用するか腕試し!

CDやテスター、PCMレコーダーなど舞台機構調整技能士の必携アイテム

CDやテスター、PCMレコーダーなど舞台機構調整技能士の必携アイテム

――これまで携わった仕事の中で、最も印象的だった仕事について教えてください。

海外で仕事をさせていただく機会があり、今までに香港やロシア、フランスへ行きました。語学は得意ではありませんが、日本と海外で機材の調整の仕方は全く変わりませんし、共通する仕事内容が多いので劇場スタッフとのやりとりは可能です。日本でやってきたことが海外で通用するかどうかの腕試しになって、文字通り世界も視野も広がりいい経験になりました。


――舞台機構調整技能士の仕事においてしてはいけない失敗はありますか?

スピーカーやパワーアンプ、ミキサーやマイク、それらを接続するケーブル類など音響で使用する機材は用途によってさまざまなので、忘れ物をすると仕事になりません。マイクとマイクスタンドを持ってきても、マイクホルダーを持ってくるのを忘れるとマイクを自立させられないからです。

また、専門用語が多く、型番やメーカーを間違えたりすると想定していた仕事ができなくなるため、そのようなミスは避けなければいけません。


――仕事のときにいつも持ち歩いている道具はありますか?

まず、会場の電圧や周波数を測るテスターです。次に、下見で会場の大きさや角度を測ったり、スピーカーの音の広がりの角度を調べたりするレーザー距離計です。自分の耳になじんだヘッドフォンも持ち歩いています。あとは、自分の調整した音楽を録音するためのPCMレコーダー、そしてCDですね。CDには自分の好きな音楽を入れていて、各システムの音場(*)を把握します。


*音場(おんば):音が伝わる環境。または、室内における音の響き具合のこと。


音響の調整は資格がなくてもできますが、音響調整のプロとして活躍するのであれば、周りからの信頼を得るためにも舞台機構調整技能士の取得を目指すといいでしょう。

本気で舞台機構調整技能士になりたい人は、音楽について学べる学校で音響の勉強をするのも手です。就職先は、コンサートホールやライブハウス、音響専門の会社などさまざま。自分が活躍したいフィールドを探してみてください。


【profile】有限会社現場サイド 代表取締役・1級舞台機構調整技能士 山中秀一

有限会社現場サイド http://genba-side.net/

写真提供:(1枚目)加納準さん

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「舞台機構調整技能士」
はこんな仕事です

劇場やコンサートホールなど、舞台演出に必要な音響機器・設備のセッティングやミキシング全般(音響機構調整作業)を任される仕事。国家資格を取得した者のみが「舞台機構調整技能士」を名乗れる。資格には1~3級があり、各級に必要な実務経験が定められているが、2・3級は認定校の卒業や在学により受験資格を得られる場合もある。そのため在学中に3級を取得して音響専門の会社やコンサート制作プロダクションに就職し、実績を積んだ後、上級を求める人も多い。

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