【シゴトを知ろう】舞台機構調整技能士 編

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【シゴトを知ろう】舞台機構調整技能士 編

2018.05.23

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】舞台機構調整技能士 編

皆さんの中には、コンサートや演劇を見るために舞台に足を運んだことがある人も多いのではないでしょうか。何気なく見ている舞台は、裏側にいるさまざまなスタッフの力によって支えられています。特に音響の役割は重要です。
今回は、舞台の「音」を調整する国家資格である舞台機構調整技能士の資格を持つ山中秀一さんに、仕事のやりがいや大変な部分などについてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 舞台は生もの。やり直しがきかないので、毎回緊張感と刺激を味わえる
  • 高校生の頃に映画制作に携わったことがきっかけで音響に興味を持った
  • デジタル化が進んでいる時代だからこそ感受性を高めてほしい

コンサートやイベントを通してお客さまに生で音を届ける

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

私は、音響(舞台機構調整)と舞台監督の仕事をしています。音響の仕事では、ダンスや芝居などの舞台を通して、音楽や効果音を再生したり、マイクで収録した音や歌をミキサー(*)でまとめ、スピーカーで拡声してお客さまに音を届けています。舞台監督の仕事では、音響だけでなく照明や舞台装置、出演者や演出家などと当日の進行やスケジュールを調整して、催しが円滑に進むようにします。

以前はコンサートやイベントの音響を担当していましたが、今は舞台監督として催しに関わることが多いです。どちらも専門性が高く、自分の仕事について説明するのにいつも苦労します。

スケジュールは、その時に関わっている催しの内容によって毎日全く違います。例えば、野外のイベントだと朝早くから設営し夜に本番があって、撤収作業が深夜に及ぶこともあります。劇場だと数日間にわたって仕込み作業(準備・設営)を行い、リハーサルを重ねて本番に臨むこともあれば、1日か2日で全てを行わなければならないこともあります。会場にいない時は、前の仕事の片付けや次の現場の打ち合わせ、機材の準備、リハーサルに参加したりしています。

<一日のスケジュール>(催しの本番当日の仕込み)

09:00 劇場入り、打ち合わせ、機材などの搬入、仕込み(設営作業)
11:00 チューニング(スピーカーシステムの調整)
12:00 休憩
13:00 役者やアーティストの位置決め
14:00 シュート(照明スタッフの調整作業)
15:00 場当たり(部分的な稽古・練習)、サウンドチェック(出演者を交えてのリハーサル)
16:00 ゲネプロ(最終リハーサル、通し稽古のこと)
18:00 開場
19:00 開演
21:00 終演、撤収作業
22:00 退館


* ミキサー:さまざまな音声信号を入力して、それぞれの音量や音質を調整・混合、またはアレンジする機械のこと。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

舞台の仕事はひとつとして同じものがありません。全てがオーダーメイドで、1つの公演に多くの人のこだわりや技術、苦労が詰め込まれています。お客さまに生で作品を届けるわけですから、緊張感があり毎回刺激的です。公演を作る過程で多くの人と議論をしたり、いろいろなことを調べて試行錯誤を重ねたりすることが大好きです。あと、ツアーの仕事に関わらせてもらうときは、各地でおいしいものを食べることも楽しみの一つになっています(笑)。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

楽しさややりがいと表裏一体なのですが、催しの本番を迎え成功した時、お客さまに感動していただけたと実感することが刺激的な一方で、絶対にミスはできないので神経を使います。生の舞台はやり直しがききません。その瞬間で判断して、機材を操作したり舞台上で動いたりしなければなりません。不安材料を少しでも減らすために、日々技術の研究をして事前の打ち合せを重ねます。そうすると必然的に時間が必要になってくるので、プライベートの時間を削ることもあります。

舞台機構調整技能士は、理科(物理)の他に幅広い知識が必須

音響のテストを行う山中さん。国内だけでなく海外で仕事をすることもある

音響のテストを行う山中さん。国内だけでなく海外で仕事をすることもある

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

大学に入学してすぐに新入生歓迎の演劇公演を見る機会がありました。学内にテントが設営されていて怪しい雰囲気でしたが、とても面白かったんです。それから少しずつ演劇公演の手伝いをするようになり、裏方の仕事が楽しくなって、少しでもそのような仕事に近いことなら何でもしました。テレビ局のADの仕事や楽器のセッティング、大道具の搬入搬出など、学生時代にさまざま分野に触れました。

そうこうするうちに卒業が近くなり就職を考える時期になりましたが、当時は超就職氷河期といわれていた頃で、文系の学生の就職率が良くありませんでした。就職セミナーに顔を出したこともありますが、「営業職しかないよ」といわれ、それまでに経験してきたことを生かす仕事に就きたかったので、結局就職はせず、そのまま舞台の活動とアルバイトを続けました。

ちょうどその頃、地域に大きな文化施設がオープンしたり、いろいろな現場に呼んでいただけるようになったりして、2006年に現在の会社を立ち上げて今に至っています。


Q5. 大学では何を学びましたか?

人文学部文化学科に進学し、日本や世界の文化について学びました。私の仕事は技術職ですが多面的な仕事です。音楽のジャンルはさまざまですし、文学や歴史を扱う作品に関わることもあります。理科(物理)の知識も必須です。これらの知識は大学の一般教養を通して一般常識として学んで以来、仕事の現場においてとても役に立っています。役に立たない学びは一つもなかったと言うと誇大表現になるかもしれませんが、そのくらい役に立っています。また、大学は自分の向き不向きをはっきりさせてくれる場所だと思います。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の頃は野球部に所属していて体育会系だったのですが、体育祭よりも文化祭の方が好きで出し物を作って参加していました。明確に夢と意識していたわけではありませんが、友人に8mmフィルムの映画制作に誘われて参加したのが、現在の道に進む大きなきっかけになったのかもしれません。漠然と作品づくりをしてみたいと考えていました。

8mmのフィルムは高校生にとって高価でしたし現像代もかかりますから、失敗しないようにロケハンしたりリハーサルを繰り返したりしました。編集作業の時、カセットの4chMTR(マルチトラックレコーダー)に触ったのが、おそらく音響機器に関わった最初の作業です。作品づくりに携わりたいという思いが今につながっていると思います。

理想を持つよりも、実際に触れてみて興味を持ったら少しずつ前進してみる

2,000人近く収容できる三重県文化会館の大ホール

2,000人近く収容できる三重県文化会館の大ホール

Q7. どういう人が舞台機構調整技能士に向いていると思いますか?

こんなことをいうと夢も希望もありませんが、あまりこの仕事に憧れのない人の方がいいかもしれません。自分なりの理想を持ってこの世界に触れるよりも、触れてみて興味が湧いたら少しずつ入り込んでくる方がいいと思います。その方が、深く関わっていけるはずです。

音響や舞台の技術は社会に出てから学んでも遅くはありません。自分の好奇心に貪欲な人、めげない人、めげてもすぐ立ち直る人、根気のある人、粘り強い人、少しオタク気質のある人などが向いていると思います。根が明るくても暗くても構いませんが、いや応なしにたくさんの人と関わりますよ。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

表現に関していえば、コンピューターやインターネットの普及によっていろいろな情報を集めたり、自分の作品を発表して人に感動を与えたり、楽しませたりできる手段や発表できる機会に恵まれていると感じています。舞台の音響の世界もデジタル化が進んでいて、その知識と能力が必須になってきてはいます。ただ、デジタルだけでなくアナログの世界も大切にしてください。学校の勉強や部活以外にも、旅をして、恋をして、音楽を聞いて、読書をして、映画を見て、友達の趣味に興味を持って、感受性を高めてほしいと思います。


山中さんは、同じ仕事は一つもないとおっしゃっていました。舞台機構調整技能士は、さまざまな音楽に触れ合うことができ、ミキサーであるゆる音を届けることのできる、刺激的でクリエイティブな仕事です。ステージに「音」という華やかさを添え、観客に臨場感を伝えていく仕事をしてみたい人は、舞台機構調整技能士を目指してみてはいかがでしょうか。


【profile】有限会社現場サイド 代表取締役・1級舞台機構調整技能士 山中秀一

有限会社現場サイド http://genba-side.net/

写真提供:(3枚目)三重県文化会館大ホール

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「舞台機構調整技能士」
はこんな仕事です

劇場やコンサートホールなど、舞台演出に必要な音響機器・設備のセッティングやミキシング全般(音響機構調整作業)を任される仕事。国家資格を取得した者のみが「舞台機構調整技能士」を名乗れる。資格には1~3級があり、各級に必要な実務経験が定められているが、2・3級は認定校の卒業や在学により受験資格を得られる場合もある。そのため在学中に3級を取得して音響専門の会社やコンサート制作プロダクションに就職し、実績を積んだ後、上級を求める人も多い。

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