自動車でよく聞く言葉、「オートマ(AT)」と「マニュアル(MT)」ってなに?
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自動車には大きく分けて「オートマ(AT)」と「マニュアル(MT)」2つの種類があります。これら2つの種類の違いや仕組みについてご紹介します。
この記事をまとめると
- 運転免許を取るときに、「AT」と「MT」について知っておく必要がある
- 現在は運転が簡単なAT車がほとんどになっている
- エンジニアの活躍により、さらに簡単・安全に運転できる車が開発されるかもしれない
免許は取りたいけど、自動車には詳しくない……
18歳になったら自動車免許を取ろう! と、思っている人はいますか? 東京などの都市部では車で運転するよりは電車やバスに乗った方が移動しやすい場合もありますから、住んでいる地域によって自動車免許取得への関心に違いがあるかもしれません。
もちろん、免許を取ろうと思っている人の中でも自動車にあまり詳しくない人もいるかもしれません。例えば、自動車の用語で良く耳にする「オートマ(AT)」と「マニュアル(MT)」ってどういう意味か知っていますか?
自動車免許を取るために教習所に行くと、まずは教習申し込みの際に決めておかないといけないのが、「オートマ(AT)」にするのか「マニュアル(MT)」にするのか、ということです。細かく書くと、「オートマ」は「オートマチックトランスミッション」の略、「マニュアル」は「マニュアルトランスミッション」の略です。この2つ、一体なにが違うのでしょうか?
MT車より簡単に運転できるのがAT車
まず、ギアチェンジのできる自転車をイメージしてみましょう。例えば、1から6までのギアがついている6段変速の自転車だと、1のギアはペダルが軽く、足に大きな力を入れなくても自転車は走り出しますが、その分、スピードは出ません。対して、6のギアは漕ぎだしたときのペダルはとても重たいですが、一度スピードが出てしまったら、あまり足に力を入れなくてもとても速いスピードで走り続けられます。なので、ギアが付いている自転車に乗り慣れている人は、まず数字の小さいギアである程度スピードを出してから、数字の大きいほうへと徐々にギアを変えていくのです。
車でも自転車と同じようにギアチェンジが行われています。ギアチェンジのためには、ギアを変速するためにクラッチという装置を操作しなければいけないのですが、その操作をドライバーが自分で行うのがMT車、車が自動で行ってくれるのがAT車なのです。
ドライバーがクラッチを操作することで走るMT車は、例えば、停車するたびにギアを変速し直し、再び発進するときは走り出しやすいギアに戻さなければいけません。そして、勢いがついてきたら徐々に力のあるギアを入れて、車のスピードを上げていきます。AT車では、このギアチェンジを車が自動で行ってくれるので、いちいちギアを変速する必要がありません。これにより、MT車に比べてAT車は運転中の動作がかなり簡単になっています。そのため、AT車で運転免許を取った人はMT車を運転することはできませんが、MT車で免許をとった人はAT車も運転することができるのです。
一見するとメリットが何もないように見えるMT車ですが、車好きには「運転する楽しみがある」という理由で好む人が多いようです。なんでも、自分で細かい操作をしなければいけないMT車は、シンプルで簡単に運転できてしまうAT車と違って「車と一体化する」感覚があるのだとか。運転に興味がある人は要チェックですね。
AT車の普及の陰には機械工学による技術開発がある
その一方で、年配の方や車の操作が苦手な女性でも、AT車は手軽に運転することができます。2011年の時点で日本での新車の販売台数の9割以上がAT車となっており、現在ではほとんどの車がAT車になっているようです。そうした背景から運転免許自体もATのみの免許を取る人がほとんどになっており、MT車を運転できる人が少なくなっています。
AT車の普及の陰には、技術者であるエンジニアの活躍があります。現在使われている便利なものに、さらに新たな技術を加えて、工学的な技術を商品にし、世の中に還元していくのがエンジニアの仕事の目的です。安心で安全な未来をつくりたい人は、技術で世の中を変えることができるエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
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「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説
陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。
この記事で取り上げた
「車輌開発エンジニア」
はこんな仕事です
自動車、電車、飛行機、バイクなどのパーツを研究・開発する仕事。ボディーの軽量化やエンジンの高出力化、低燃費化などを企画し、改善や新開発を行う。また、単に自動車の性能を上げるだけでなく、安全性や環境への配慮も求められる。必須資格はないが、自動車の設計に関する技術に加え、製図に必要なコンピューターのスキルやCO2排出削減に関する知識も備えておく必要がある。研究・開発はチームで取り組むことがほとんどであるため、協調性やコミュニケーション能力が大切だ。
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