【シゴトを知ろう】神祗調度装束職人 編

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【シゴトを知ろう】神祗調度装束職人 編

2018.05.09

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】神祗調度装束職人 編

神社や祭事のときに、美しい調度品や神具が目に入った経験はありませんか? こういった品物を作ったり修理したりするのが、神祗調度装束職人の仕事です。

今回は、京都で神具指物師として活躍されている有限会社牧神祭具店の牧圭太朗さんに、仕事について詳しく伺いました。

この記事をまとめると

  • 神社などで使う神具、祭礼具の木工調度品を作っている
  • 刃の切れ具合に商品の良し悪しが左右されるため、丁寧な手入れが必要
  • 家業を継ぎ、神具の伝統技法を後世に残していくためにこの仕事に就いた

何千年も続く、後世に作品を残せる魅力ある仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
私は神具指物師として、神社などで使う神具、祭礼具の木工調度品を作る仕事をしています。木と木の組手、仕口(木材の接合)、曲げなどの長年培ってきた伝統技法を受け継ぎ、三方(お供え物を置く台)・辛櫃(からひつ)・太刀(刀の形をした御神宝の一種)などの神宝殿内木具調度品や、社寺・家庭用の御社・地蔵堂・神輿の製作、修理に携わっています。

現在は神祗工芸組合の仕事で、賽銭箱の製作もしています。賽銭箱も神社によっていろいろな形があり、「辛櫃のように轅(ながえ・担ぎ棒)を付けて、祭りのとき行列と一緒に氏子地域を回れるようにしたい」という依頼に沿って、加工しています。

1日のタイムスケジュールは製作しているものによって変わりますが、9時から18時が大体の作業時間です。適宜休憩をとりつつ、日々の作業を進めています。

 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
ノコギリ・カンナ・ノミなどの道具の手入れにより、木組み・仕口を仕上げたとき、釘や金物を使わず木と木がピタッと隙間なく組み合うとやりがいを感じます。釘を使うと腐食してしまうため、木組みによる修理を行うことで自分が作った品物を後世に残していくことができるのです。時には先々代が作った品物を直すこともあります。

また、神社や神宮など、普通の人では入れない本殿の内側に品物を納めたり、神が置かれる御帳台などを製作したりすることができます。神具指物の仕事は神社などで何千年も維持されてきました。私たちも神具を新調・修理することで、後世に作品を残せる魅力ある仕事だと思いながら、日々木と向き合っています。

 
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
 
苦労するのは、木取りと道具の手入れ、方木の見方です。

木は一本一本癖があり、木目の詰まった木材を見てどれを使用するか決めます。木取りは丸太の切り方により一本の原木からきれいな柾目(まさめ・まっすぐに通った木目のこと)を取り出し、かつ無駄なく墨を付けて加工する作業です。一つひとつの工程が大事なので、少し緊張する作業ですね。

道具は工房に150種類以上のノコギリ・カンナ・ノミなどがあり、数年に一回使うか使わないか、というものもあります。ノコギリやノミだけでも、平らな面のものから自分で作った特殊な刃物もあり、全てが仕上げの加工に必要になるため、刃の切れ具合に商品の良し悪しが左右されます。木曾ひのきの光沢感や肌触りが変わってしまうため、1日のうち大半が刃物の研ぎに費やされる日もあります。

また、神具には図面がなく、方木と呼ばれる間口・奥行き・高さの墨が付いている木の棒から品物を作っていきます。品物の数だけ異なる方木があり、その見方を覚えるまでに苦労しました。

高校生の頃は、建築士になりたいと思っていた

工房の風景

工房の風景

Q4. どのようなきっかけ・経緯での神祗調度装束職人の仕事に就きましたか?
 
もともとは建築士を目指し、建設会社で働いていました。しかし、私の家では祖父の代から神具を作る仕事をしており、途中で家業を継ぎ、神具の伝統技法を後世に残していく必要があると思ったんです。そして転職し、今の仕事に就きました。
 

Q5. 専門学校では何を学びましたか?

専門学校では建築を学びました。図面の書き方を学んだことで、神具指物の品物の数だけ種類がある方木についても説明できるようになりました。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
当時は具体的に将来について考えていたわけではありませんでした。ただ建築に興味があり、建築士になりたいと思い専門学校に進学しました。同じものづくりという点では、当時の夢とつながる部分があるかもしれません。

まずは神社や祭りに足を運び、神事に触れることが大事

Q7. どういう人が神祗調度装束職人の仕事に向いていると思いますか?
 
神具指物の仕事は同じ商品でも神社により少し仕様が違うため、下準備で時間がかかります。そのため、忍耐力と根気強さが必要です。そして何より、ものを作ることが好きな人が向いていると思います。 
 

Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
神祗調度装束職人は特殊な仕事です。僕自身、働き始めてから神祗工芸の勉強をしていきました。まずは専門的な知識をつけるというよりも、神社を見に行き氏神の祭りなどに参加して、神事に触れることが大事だと思います。

また、神祗調度装束職人の仕事にはさまざまなものがあり、私が作っている神具指物以外にも神職の装束・神鏡・鈴緒(参拝の時に鳴らす鈴)・太鼓など、神社の品物だけでも多くの種類があります。神社に行った際は、自分の興味のある道具について神職に質問してみるのも良いかもしれませんね。
 

道具の研ぎ具合一つで、品物の出来が大きく変わってしまうとは驚きでした。製作に必要なもの全てに留意してこそ、神聖な品物を美しく、かつ丈夫に仕上げることができるのですね。この仕事に興味を持った人は、牧さんのおっしゃるようにまずは神社や祭事に参加して、どんな品物が使われているのか自分の目で確認すると良いのではないでしょうか。

 
【profile】有限会社 牧神祭具店 牧圭太朗
【取材協力】京都府商工労働観光部 染織・工芸課、京都神祇工芸協同組合

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「神祇(じんぎ)調度装束職人」
はこんな仕事です

神事の祭祀・祭礼に用いられる調度や、神職の装束を作る職人。調度は木具、鏡、御簾(みす)、几帳、戸張、雅楽器などを指す。装束には狩衣、浄衣(じょうえ)、束帯、衣冠、烏帽子などがある。その種類は多種多様で大部分が手作りのため、高度な専門性と技術を持つ職人が求められる。これらの製造分野は伝統的に代々、家業として継承されてきた面が強いため、こうした技術継承者を探すのが、職に就く第一歩となるだろう。技術継承者は、長く皇室が置かれ今も神事が数多く行われる京都に多い。古都の暮らしの中で伝統の技を学ぶ仕事だといえる。

「神祇(じんぎ)調度装束職人」について詳しく見る

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