【シゴトを知ろう】ろくろ職人 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】ろくろ職人 ~番外編~

2018.05.08

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】ろくろ職人 ~番外編~

木を回転させてカンナで削り、お椀やお皿を作っているろくろ職人の仕事。さまざまな木の味わいを生かした、手作りの風合いが魅力です。

今回は長野県にある「カネキン小椋製盆所」の小椋浩喜さんに、人気の木材やこだわりの商品製作の裏側について伺いました。

この記事をまとめると

  • 主な木材として、ケヤキ、トチ、セン、モミを使用している
  • 普段見られない原木を乗せたトラックに出くわすとつい追いかけたくなる
  • 自分が開発した木製のスピーカーは今も改良を続けている

今は洋風の部屋や食事に合う白い木が人気

――使う木材の種類によって、出来上がる商品の質感が変わると聞きました。主に使う木材の種類や、それぞれに合った製品について教えてください。
 
私が主に使う木材は、ケヤキ、トチ、セン、モミです。それぞれの特徴は下記のとおりです。

ケヤキ…昔から家の大黒柱や太鼓に使います。漆を塗ると木目がきれいに出るので、スピーカーやお椀にも使います。

トチ…柔らかく白い木なので、漆を塗らずに白い色味を生かして洋食器として使うことが増えています。最近はデザイナーズマンションのような、白い器の似合う場所で使われます。

セン…匂いやアクが無いので、食べ物を直接乗せるような、ちらし寿司の器などに使います。

モミ…針葉樹ですが、漆を塗ると絵に描いたような木目が現れ、きれいな器になります。

木材によって選定時のポイントも変わりますが、基本的には在庫が足りていないものや売れ行きの良いものを補充するような形で仕入れています。今は洋風の白っぽい内装の部屋が増えているので、少し高いですがトチのような白い木がよく売れます。昔は和室に合う、ケヤキに漆を塗った器がよく出ていました。食生活も洋風に変わったことで、椀物よりもプレートなど洋食器の需要が高まっています。
 
 
――この仕事ならではの「あるある」話や、プライベートでもついやってしまう癖があれば教えてください。

原木を乗せたトラックに出くわすとついて行きたくなります。普段市場に出ている木材は4mくらいに切ってあるので、1本の大木を見るのはとても珍しいのです。そのため、トラックに10mくらいの木材が乗っていると、「どこへ行くのか」「誰が使うのか」「何に加工されるのか」ということがつい気になってしまいます。

実は、実際に追いかけてついて行ったこともあります(笑)。その時はトラックのドライバーさんに話しかけて、どこの産地に行くか聞きました。確か高山に行くと言っていましたね。恐らく家具に使われるだろうということでした。

自分の耳を頼りに微調整! 木製スピーカー製作秘話

小椋さんが作成した木製のスピーカー

小椋さんが作成した木製のスピーカー

――器の他にろくろの技術を使って作っている意外な商品があれば教えてください。

変わったものとしては、木製のスピーカー「音蔵」シリーズを作っています。木で作ったスピーカーは、お客様から優しい音と評判です。「自分が欲しい」という動機で作り始めたこともあり、最初は男性が買っていくことを想定していましたが、意外に女性が気に入って買っていかれますね。奥さんが試聴して「いいな」と思い、旦那さんを連れて買いに来てくれたりして、夫婦で楽しんでいる人も多いです。

四角いスピーカーというのは世の中にたくさんありますが、ろくろで作る関係で円筒形のスピーカーにする必要がありました。もちろん構造の雛形もないので、自分の耳で音の鳴り方、響き方を確認しながら微調整し、製作していきました。それこそ、スピーカーは20個、30個くらい試作品があります。今でもところどころ改良して進化しています。

夜中に「このパーツを作ろう」と思いついて、次の日の朝さっそく試してみたりします。こうして思いついたらすぐに変えられるのが、手作りの良さだと思います。客観的に聞いて良い音かどうかではなく、「これが自分の好きな音」というのを追求し、提案していく。そして展示会や店頭で実際にお客様に聞いてもらい、良いと思った人に買ってもらう。器もそうですが、結局は自分の好みのものを作っているんです。それに感動したお客様が商品を買ってくれることに喜びを感じます。手作りの伝統工芸は、ある意味自己表現でもあるといえるかもしれません。

子どもたちが「この仕事を継ぎたい」と言ってくれる喜び

――最後に、仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。

子どもたちも物心ついた頃から、「この仕事を継ぎたい」と言ってくれていることが一番うれしいです。長男と次男は小さい頃から私の作業を横目で見て、木を削ることに興味を持っていました。私の作ったスピーカーも気に入っていて、よく好きな音楽を聞いています。長女はろくろ職人になることは考えていないようですが、幼い頃はよく私が作ったものを人にプレゼントしたりしていました。

進学先などは子どもが自分で決めていますが、いずれは自分と同じように、他の産地の職人の元へ修行に出そうと思っています。自分が子どもに教えるということは全く考えていません。職人になるなら、違う産地の、違う工房を知らないと新しいものが作れなくなってしまうからです。実際、私にとっても香川の師匠のもとで学んだことはとても良い経験だったと思っています。いろんな修行、経験を積んで、子どもたちが職人に育っていくのが楽しみです。
 

「自分が欲しいもの」「自分が聞きたい音」を追求して、それがお客様にも喜ばれるというのは職人冥利に尽きそうですね。一つひとつ手作りだからこそ、それぞれに小椋さんの思いが込められているのだと感じました。

小椋さんが所属するカネキン小椋製盆所をはじめ、工房には見学を受け付けているところもあります。より深くろくろについて学びたい方は、一度自分の目で見てみるといろいろな情報が得られるのではないでしょうか。
 

【profile】カネキン小椋製盆所 小椋浩喜
公式HP:http://www.kanekin-ogura.co.jp/

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「ろくろ職人」
はこんな仕事です

ろくろを使って回転する木をカンナで削り、わんや皿、こけし人形など、漆を塗る前の円形の刳物(くりもの)木地を作る仕事。漆器のできの良し悪しを、大きく左右する根本の工程を担う。また、必要に応じてカンナを自作することも少なくない。漆器製造会社や一流の職人に付いて修業することになるが、一人前と呼ばれるまでには少し年月がかかる。木のぬくもりや柔らかな丸みを生み出す技術、素材である木の種類やその性質についての知識のほか、ろくろの回転運動に負けない持続的な体力と集中力、芸術的センス、器用さが求められる。

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