【シゴトを知ろう】カフェプランナー 編
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皆さんはカフェと聞くとどんなイメージを持つでしょうか。ドリンクがおいしい、内装がおしゃれなど、さまざまな要素がありますよね。カフェをオープンするにあたって、運営や内装についてアドバイスする人を「カフェプランナー」といいます。
今回はカフェ「Café戸田日和lab」を経営する一方、カフェプランナーとして活躍している大澤有理さんにお話を伺いました。
この記事をまとめると
- カフェプランナーとしてカフェに必要な技術や知識を講座で伝えている
- コーヒーの淹れ方に興味を持ち、営業の仕事から飲食業へ転職した
- まずはどんなカフェを作りたいかと想像し、知識を深めていくと良い
カフェを経営しつつ、オーナー向けに営業支援講座を開いている
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
カフェプランナーとはカフェの運営や営業をサポートする仕事です。私は自身のカフェを運営しつつ、カフェを営業したいと思っている人向けに講座を開いています。受講生はカフェのオープン準備を進めている方や、飲食店経営を視野に入れている学生さんです。講座は複数人で行いますが、中にはより深く話を聞きたいという受講生さんもいるため、1対1でお話することもあります。講座ではメニュー考案や経営などに関する座学をはじめ、キッチンスタジオを使用してコーヒーの淹れ方やカフェフードの調理といった実践的なレッスンを行っています。
他にも、ラテアートの講習会やカフェの内装に適したインテリアのレッスンなども開催しています。また、自分のカフェや外部のカフェでイベントを行うことも。イベントではフードコーディネーターさんと協力し、通常のメニューとは異なるフードやデザートを提供しています。
<一日のスケジュール>
10:00 買い出し
11:00 カフェ開店
18:00 カフェ閉店、仕込み、清掃
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
新しいイベントや企画を考えたり、他店でイベントを行うときはお客様や他のカフェのスタッフさんといった多くの人と交流できたりします。特に、カフェのオーナーさんやフードコーディネーターさんはクリエーティブな思考の方が多く、自分では思いつかないようなアイデアを提案してくれます。そのような人たちと仕事をすると刺激を受け、自分自身も成長できる楽しさを感じられます。
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
カフェプランナーにとって、自分でカフェを経営しながら活動するのはデメリットもあると感じます。私の場合、活動の拠点や生活の土台としてカフェを運営しているので、なかなか他店に足を運ぶことができずにいます。しかし、逆に店舗を持たずに活動するとなると資金面のやりくりや顧客からの信頼度が下がるなど、異なる問題が出てくると思います。メリットも大きいので、うまく両立していきたいですね。
営業として働いている中でコーヒーに興味を持ち転職した
Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?
大学卒業後、広告代理店やデザイン事務所、出版社といくつかの会社で仕事をし、営業の仕事をしていました。当時、仕事の取引先で飲んだコーヒーがとてもおいしくて、「いつも飲んでいるコーヒーと何が違うのだろう」と興味を持ったことがカフェの仕事に就こうと思ったきっかけです。自分でコーヒーを淹れるようになったころ、コーヒーを提供するカフェの仕事をしたいと考えるようになり、当時の仕事を辞めて、フードコーディネーターの学校に通いながらカフェでアルバイトをして経験を積みました。
独立してカフェをオープンしてから地域の自治体のイベントの一環として、カフェ経営を支援する「カフェ・飲食店開業支援講座」を行うことになり、カフェプランナーの仕事を始めました。
Q5. 大学では何を学びましたか?
大学は商学部に通っていましたが、正直、試験前だけしか勉強しないような学生でした。社会人になってから、簿記や会計・経営学を学んでみると数字を扱うということが楽しく感じたので、もっと勉強しておけば良かったなと悔やんでいます。
しかし大学は勉強だけではなく、さまざまな人と知り合える場所でもあります。自分の考え方とは異なる人たちと接したことで、柔軟な考え方ができるようにもなりました。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
高校は進学校に通っていたので、必死に勉強していました。また部活もやっていたため、当時は将来を考える余裕が持てずにいました。ただハードな生活を送っていましたので、カフェプランナーとカフェ経営という2つの仕事を同時に進めることができる精神力や根性が養われたように思います。
立ち上げたいカフェを考え、そのために必要な知識を理解しよう
Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?
プランナーやコーディネーターという職種名はかなり広い意味を持っていて、同じカフェプランナーでもさまざまな専門に分かれると思います。そのため、まずはカフェプランナーの中でもどんなカフェを専門にしたいのかということを考えてみてはいかがでしょうか。たださまざまなアイデアを提示しなくてはいけませんので、常に仕事について考え続けられる人が向いているかもしれません。また、同業の人を見ていると行動をすぐに起こせる人が結果を残していると思います。
さらに人との交流が多い仕事ですので、コミュニケーション能力や社会人としての常識を持つことは重要です。まずはコミュニケーションの取り方や空気を読むことを意識してみてはいかがでしょうか。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
カフェプランナーは、職種というより肩書に近いものだと思っています。カフェ業界が盛り上がりを見せる近年になって生まれた仕事のため、まだあまり認知されていません。それでもカフェが好きで仕事にしたいという方は、ぜひ仕事のひとつとして選択肢に加えていただけるとうれしいです。
まずは、自分の好きなものや得意なこととカフェをどうコラボレーションさせるか自由に頭の中で考えてみてください。それがカフェをプランニングする第一歩だと思います。そして、それを実現するためにはどうすればよいか考え、日々生活の中で経験や知識を積んでいきましょう。
カフェに関連した仕事に就くため、飲食業で経験を積んだという大澤さん。インターネットや書籍でもコーヒーの淹れ方や内装について学ぶことはできますが、何よりも重要なのは実際に働いたという経験なのかもしれません。
【profile】Café戸田日和lab. 大澤有理
公式HP:http://www.todabiyori.com/index2.html
この記事のテーマ
「食・栄養・調理・製菓」を解説
料理や菓子などの調理技術を生かしてサービスを提供したり、栄養に関する知識を生かして豊かな食生活を提供したりする仕事です。栄養に関する知識はもちろん、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、食材や飲料に関する幅広い知識も求められます。
この記事で取り上げた
「カフェプランナー」
はこんな仕事です
カフェの開業・運営をサポートする仕事。開店や立て直しを目指す店やオーナーに、経営のノウハウをアドバイスする。そのため、不動産・建築、内装・設備、メニュー開発、サービスや人材、コスト管理など、カフェビジネスに関する総合的な知識とプロデュース力が必要で、日本カフェプランナー協会が実施する民間資格もある。飲食業の経験や知識を生かし、自ら経営する店を成功させた人がカフェプランナーとして活躍する場合が多い。消費者のニーズや動向を見定め、幅広い人脈や信頼関係を築いておくことも大切だ。
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