ノラ猫はたくさんいるのに、ノラ犬は全然いないのはどうして?
メイン
テーマ

犬はある条件を満たさなければ「ノラ犬」とされてしまいます。「飼い犬」と「ノラ犬」の違いと、ノラ犬が街にいない理由を解説します。
この記事をまとめると
- ノラ犬がいないのは、保健所や動物保護センターが保護をしているから
- 狂犬病は発症したらほぼ100%死亡する恐ろしい病気
- 人間と動物が幸せに共存できるために必要な「保健衛生学」
そういえば、いつからか街にノラ犬がいなくなった
どんな街でも、ノラ猫を見かけることがあります。特に都市部の飲食店付近には必ずといっていいほど、食べ物を狙うノラ猫が出没します。その一方、ノラ犬を見かけることはあまりなくなりました。昔は首輪のない犬がウロウロしていることも少なくなかったのですが、いったいどうしてノラ犬はいなくなったのでしょう。
結論からいうと、ノラ犬がいなくなった理由は、保健所や動物保護センターが積極的に保護(捕獲)しているからです。ノラ犬とは、決まった飼い主がいない犬を指し、野犬とも呼ばれます。日本で犬を飼う場合には、飼い犬の登録や狂犬病の定期的に予防接種を行うなどの義務が生じます。そして、街を勝手に動き回らないように首輪をして、鎖などでつないでおく必要があります。例えば、もし、近所に仲の良いノラ犬がいて毎日エサをやっているとしても、こうした規則が守られていない場合は、野犬とみなされてしまいます。そしてそうしたノラ犬を発見した場合、狂犬病予防法第6条に基づき、保健所や動物保護センターが積極的に保護(捕獲)しているのです。
狂犬病は発病したら致死率がほぼ100%という恐ろしい病気
こうした処置を取る理由の一つに、狂犬病の予防があります。狂犬病は犬だけがかかる病気ではありません。人間も狂犬病にかかっている動物に噛まれて唾液に含まれると、狂犬病ウィルスに感染し発病します。発病した場合、致死率はほぼ100%、という恐ろしい病気なのです。
日本では1956年以降、狂犬病による人間の死亡は発生していませんが、海外ではいまだに多くの発生例がありますし、日本でもいつ発生してもおかしくないかもしれません。その予防のために、飼い犬に年に1回予防注射を受けさせることが義務付けられているのです。その予防接種を受けていない犬が街中を歩き回っていてはとても危険なので、保護センターが保護(捕獲)しているんですね。
保健衛生学は人間と動物が幸せに共存できるために必要な学問
狂犬病など、病気の予防と対策、そのための社会づくりの方法を学ぶのが、「保健衛生学」という学問です。保健衛生学は、病気の予防や健康を保つための研究から人間や動物の暮らしに役立てる学問です。近年、犬を室内で飼うことが多くなってきましたが、飼い犬を衛生的に健康に飼うことは、最終的に飼い主自身を守ることにもつながるのですね。保健衛生学を学ぶことで、人間と動物が一緒に暮らすために必要なことを知り、より幸せに共存できる社会にすることができたらいいですね。
この記事のテーマ
「体育・健康・スポーツ」を解説
病気やけがの予防、治療後のケアを通して、人々が健やかに暮らせるようにするのが健康学の考え方です。食生活や運動、心理状態、検査やリハビリテーションなど、学ぶ内容は多岐にわたります。体育やスポーツは、健康維持の身近な方法を学ぶとともに、競技技術の向上、メンタルや栄養、指導者としてのスキルも学びます。
この記事で取り上げた
「保健衛生学」
はこんな学問です
病気の予防や健康の保持増進について学び、そのための環境づくりを研究する学問である。病気の要因がどこにあるのかを、心理的要因や生活環境にまで広げて解明し、健康障害をどう防ぐのかなどを追究する。生活習慣病や環境に起因する疾病・障害、予防医学の重要性が高まっている今、必要性が高いといえる学問である。医療系、看護系、リハビリテーション系の学校・養成機関などで学ぶことができる。
-
PICK UP! 「保健衛生学」について学べる学校
-
体育・健康・スポーツについて学べる学校

