ネットゲーム依存が病気に認定! 認定した世界保健機関ってどんな団体?
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皆さんの中には、スマホやパソコンでのネットゲームが趣味だという人もいるでしょう。しかし国内外でネットゲームに依存して健康を損なう事件などが起き、問題となっています。そしてついに世界保健機関(WHO)が、この問題を解決するための方針を決めました。
この記事をまとめると
- ネットゲーム依存が病気として指定されることを世界保健機関(WHO)が発表した
- 世界保健機関(WHO)は、世界的な保健問題について議論する国際機関
- 世界の課題・問題解決に興味があるなら、その鍵となる「保健衛生学」を学んでみよう
WHOが警鐘を鳴らした「ネットゲーム依存」とは?
世界保健機関(WHO)は、ゲームのやり過ぎが原因で日常生活に支障が出る症状を、新たに疾病として認定する見通しであることを発表しました。疾病名は「Gaming disorder(ゲーム症・障害)」。具体的な症状としては、ゲームをしたい衝動が抑えられない、日常生活よりゲームを優先する、健康を損なうなどの問題が起きてもゲームを続けてしまうことが定義されています。
これまでゲーム依存については統一した定義がありませんでした。しかしネットゲーム先進国ともいわれる韓国で、86時間ネットゲームを続けた男性が、長時間同じ姿勢をとることで下半身に血がたまる「エコノミークラス症候群」を発症して死亡したことなど、ネットゲームへの依存が問題視されてきました。
世界保健機関(WHO)って、いったい何をしているの?
今回ネットゲーム依存を新たに疾病として認定する方針を決めた世界保健機関(WHO)とは、そもそもどんな団体なのでしょうか?
世界保健機関(WHO)は「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に設立された保健分野専門の国際機関で、WHOはWorld Health Organizationの略です。1948年に設立されて以来、感染症や疾病を撲滅するための活動や医薬品・食品の品質向上などさまざまな活動を行っています。
世界的な保健問題について総会で定期的に話し合い、健康に関する規範や基準の設定、加盟国への技術的支援などを行います。今回のゲーム症・障害認定も、ネットゲーム依存を新たな疾病として認定することで、予防や治療、対策が進むことを期待しての措置とされています。
地球規模で健康問題に取り組みたい人が学ぶべき学問は?
世界の保健医療分野で主導的な役割を果たすWHO。将来そんな国際的組織で、グローバルに働きたいと考える人もいるでしょう。国際機関における日本人職員数はまだまだ不足しており、国連事務局が毎年発表している「望ましい日本人職員数」と比べて、実際の日本人職員数は半数にも満たないのが現状です。
WHOで働くためには、外国語の習得に加えて、病気の予防や健康の保持増進の方法、またそのための社会的環境づくりなどの知識が必要です。それらを学べるのが「保健衛生学」です。
国際機関でなくとも、ネットゲーム依存をはじめ、生活習慣や環境が引き起こす疾病や障害を予防する医学の重要性が高まっている今、必要とされている学問です。将来、WHOなどの国際的組織で働きたい人はもちろん、国際保健や公衆衛生について興味のある人も、ぜひ学ぶべき学問といえるでしょう。
【参考サイト】
外務省|世界保健機関(WHO)(概要)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/who/who.html
朝日新聞|ネットゲーム依存、疾病指定へ WHO定義、各国で対策
https://www.asahi.com/articles/ASKDV3VXHKDVUHBI00D.html
朝日新聞|86時間続け…「ネトゲ廃人」死者も 韓国、国挙げ対策
https://www.asahi.com/articles/ASKDW33CCKDWUHBI005.html
外務省|国際機関で働く
http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/unp_a/page22_001263.html
この記事のテーマ
「体育・健康・スポーツ」を解説
病気やけがの予防、治療後のケアを通して、人々が健やかに暮らせるようにするのが健康学の考え方です。食生活や運動、心理状態、検査やリハビリテーションなど、学ぶ内容は多岐にわたります。体育やスポーツは、健康維持の身近な方法を学ぶとともに、競技技術の向上、メンタルや栄養、指導者としてのスキルも学びます。
この記事で取り上げた
「保健衛生学」
はこんな学問です
病気の予防や健康の保持増進について学び、そのための環境づくりを研究する学問である。病気の要因がどこにあるのかを、心理的要因や生活環境にまで広げて解明し、健康障害をどう防ぐのかなどを追究する。生活習慣病や環境に起因する疾病・障害、予防医学の重要性が高まっている今、必要性が高いといえる学問である。医療系、看護系、リハビリテーション系の学校・養成機関などで学ぶことができる。
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