洗剤を自動で投入? 家事をお助けしてくれる洗濯機がある

「洗剤がもうすぐなくなるよ」と洗濯機がスマホに知らせてくれる。そんなびっくりするような洗濯機が発売されました。この洗濯機は、衣類の重さに応じて洗剤や柔軟剤を自動投入してくれる他、洗剤の残量を検知してお知らせしてくれる、まさに全自動な洗濯機。それでは、洗濯機はどのようにして、洗剤の残りが少ないことや衣類の量を検知しているのでしょうか。
この記事をまとめると
- 衣類の重さに応じて洗剤を自動で投入してくれる洗濯機がある
- 洗剤が無くなりそうになると、スマホにお知らせ
- モノのインターネット化(IoT)でセンサーは重要な役割を果たすように
洗剤の残量を把握してお知らせしてくれる洗濯機が登場
みなさんは家事を家族に任せっきりにしていませんか? ひとくちに家事と言っても、掃除に洗濯に料理、片づけ、ゴミ出しなどさまざまな仕事があり、限られた時間で全てをこなすのは大変です。そんな悩みを少し解消してくれるかもしれない洗濯機が登場しました。
2017年にパナソニック株式会社が発売した洗濯機には、液体洗剤や柔軟剤を自動投入してくれる機能があります。あらかじめ洗剤を洗濯機にセットしておけば、衣類の重さや洗剤の銘柄に応じて適量を入れて洗濯をしてくれるのです。洗剤や柔軟剤は、洗う物の重さや選択方法などによって必要な量が変わります。この洗濯機を使えば、洗剤などを軽量する手間が省けて便利ですね。またこの洗濯機、スマホで洗濯を開始させることもできます。洗濯物だけ洗濯機の中に入れておけば、あとはスマホで運転開始させるだけ。忙しい人にはとても喜ばれそうな機能ですね。
この洗濯機の機能はこれだけではありません。洗剤や柔軟剤が少なくなってきたら、スマホに残量が少ないことを知らせてくれるのです。お知らせがきたら洗剤を買いに行けば良いので、買い忘れも防げますね。
残量を検知する仕組みは、内蔵されたセンサーにあり
どうやって洗濯機は、洗剤が少ないことを教えてくれるでしょうか。洗剤の残量は洗濯機に内蔵された「洗剤・柔軟剤残量センサー」によって検知されます。液量が一定量以下になったら、スマホのアプリを通じて洗剤が少ないことを知らせてくれるのです。
残量を検知するセンサーは「レベルセンサ―」と呼ばれていて、フロート(浮き)の位置から残量を把握するセンサーや、超音波で高さを検出し残量を把握するセンサーなど、いろいろなタイプがあります。最近では、このようなレベルセンサ―がさまざまな家電や物に搭載されています。
例えば米の保存容器に設置し、米が少なくなるとスマホに知らせてくれる「米びつセンサー」。センサーを設置しておけば、米びつの中身を毎回確認しなくても、米を買うタイミングが分かります。
ビールのジョッキに取り付け、お客さんがあとどのくらいでビールを飲み終わりそうなのかを検知するセンサーも開発されています。このセンサーを使えば、忙しい居酒屋であってもタイミングを逃さずに客にお代わりを勧めることができそうですね。
センサーはこれから重要な役割を果たすように
パソコンやスマホだけではなく、さまざまな家電や物にセンサーや装置が内蔵されてインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」の時代がくると言われています。総務省が発表したデータによると、2011年以降IoTデバイスは増加の一途をたどっており、今後ますます普及規模が拡大していくと予測されています。
センサーはこれからますます多くの物に組み込まれ、重要な働きを担うでしょう。今回紹介したレベルセンサ―の他、いろいろなセンサーについて興味がある人は、「システム・制御工学」を学んでみてはいかがでしょうか。将来もっと便利な家電製品作りに挑戦できるかもしれませんよ。
【参考サイト】
パナソニック株式会社|ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX9800L/Rを発売
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/08/jn170824-2/jn170824-2.html
PR TIMES|「農業×IoT」新鮮なお米をタイムリーに自宅へ届けるサービスを開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000022730.html
日東金属工業株式会社|液体・粉体の残量を確認できる!レベルセンサーってなに?
http://www.nitto-kinzoku.co.jp/archives/technic/level_sensor
日経トレンディネット|「IoTが分からない」と悩むなら、まずは酒場へ行きなさい
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/022200789/?rt=nocnt
総務省
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc254110.html
この記事のテーマ
「情報学・通信」を解説
情報通信産業には、通信業、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の5分野があります。中でも注目されているのが、インターネットに代表される情報通信工学。政治や経済、日常生活など、情報化社会のあらゆる面でますます必要とされる、活躍の場の広い学問です。
この記事で取り上げた
「システム・制御工学」
はこんな学問です
ロボット技術を機械・電子などの工学的視点から研究開発する学問である。研究分野は、製造現場で働く工作ロボットや福祉施設で活躍する介護ロボット、家庭で愛されるペット用ロボットなどを研究する「ロボット工学」、機械やロボットの動きを計算する「計測システム工学」、飛行機・鉄道などの大型の乗り物のコントロール技術を研究する「制御システム工学」など、幅広く生活や産業に密接につながっている。
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