即戦力の育成を目指す専門職大学 入学後の学びとは?
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制度的な枠組みとしては大学に位置づけられながら、専門学校のように実践的技能も学べる専門職大学。入学後は、具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか。専門職大学のカリキュラムについて紹介します。
この記事をまとめると
- 卒業までに必要な単位数は大学と同じ
- 企業などに出向いての実習がかなりの時間行われる
- 専門職大学では、理論と実践をバランス良く学ぶ
卒業に必要な単位数は、大学と同じ
専門職大学が開学するのは、2019年4月です。そのため、2019年3月以降に高校を卒業する皆さんにとっては、進学先の新たな選択肢となります。気になるポイントの一つは、入学した後の、具体的な学びの内容でしょう。
専門職大学は、制度的には大学に位置づけられますので、カリキュラムの大枠は現状の大学に準じています。卒業までに必要な単位数も大学と同じく「124単位以上」と設定されており、授業に参加するトータルの時間は、ほぼ大学と同程度になります。
ただし、大学と大きく異なるのは授業の中身です。全体の3~4割は実習で占められ、そのうちの一部は、企業などに出向いて行われます。この点は、講義形式での座学が多くを占める大学との大きな違いといえます。
企業などに出向いて行われる「臨地実務実習」
実習のうち、企業などに出向いて行われる実習を「臨地実務実習」と言います。「臨地実務実習」では、経験豊富な職業人の指導を受けながら、実際の仕事に従事します。医療系の専門職大学であれば病院、情報システム系の専門職大学であればIT企業などに出向き、そこの社員・職員とともに働きながら、職業的な技能を高めていきます。
専門職大学における「臨地実務実習」の必要単位数は、原則として20単位です。1単位は30~45時間と設定されていますので、学外での実習に参加すると総時間数は、実に600~900時間にも上ります。この数字を見ても、専門職大学と大学での学びの違いが大きいことが分かります。
実習以外のカリキュラムは?
専門職大学のカリキュラムは、大きく「基礎科目」、「職業専門科目」、「展開科目」、「総合科目」の4つに分かれています。このうち、最も多くの授業時数が割り当てられているのは、特定の職業において必要な知識・技能を学ぶ「職業専門科目」です。先ほど説明した実習も、この科目に含まれます。
一方で、専門職大学の授業では、特定の職業の枠を超えた知識・技能も学びます。「基礎科目」では、ICTや外国語など職種を問わずに役立つ力を高め、「展開科目」では専攻する分野の知識・技能を他分野に展開していく応用力を培います。また、「総合科目」では、学んだ知識・技能を統合し、発展的に活用していく課題解決力や創造力を養います。
このように、理論と実践をバランス良く学ぶのが、専門職大学のカリキュラムです。4年間しっかりと学べば、社会で即戦力として活躍できるだけでなく、将来起業をしたり、新しいビジネスを立ち上げたりする力も、養われるかもしれませんね。
(参考)
文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1394417.htm
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmon/1397422.htm
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmon/1395435.htm