「泣く子はいねがー!!」 ユネスコ無形文化遺産にナマハゲが登録提案された理由って?

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「泣く子はいねがー!!」 ユネスコ無形文化遺産にナマハゲが登録提案された理由って?

2018.05.16

提供:マイナビ進学編集部

「泣く子はいねがー!!」 ユネスコ無形文化遺産にナマハゲが登録提案された理由って?

「泣く子はいねがー!!」という叫び声がおなじみの秋田のナマハゲ。鬼と思っている人もいるかもしれませんが、実は1年の節目となる時期に現れる神様であることをご存じですか?

この記事をまとめると

  • 男鹿のナマハゲは、1年の節目に地域の家々を戒め無病息災や豊作をもたらす「来訪神」の伝統行事
  • 来訪神は地域の結びつきを強める役割があり、政府はユネスコ無形文化遺産への登録を目指している
  • 伝統行事などを実際に体験して研究する学問の一つに「文化人類学」がある

怠け者の印「ナモミ」をはぎにやって来る

秋田県男鹿(おが)市の「ナマハゲ」は、大晦日の夜に民家を訪ね歩きます。男鹿の人々にとってナマハゲは、怠け心を戒めて無病息災や豊作をもたらす「来訪神」の存在。来訪神とは、家を訪れ、人々の邪気を払う神を指します。

男鹿ではナマハゲが民家に来ると、住んでいる人の「ナモミ」を剥ぎます。ナモミとは、方言で手足にできる火斑を意味します。囲炉裏で暖をとると手足にできるもので、「暖をとって怠けてはいけない」と戒める意味でナモミを剥ぐのだとか。実はナマハゲという呼び名も「ナモミ剥ぎ」が由来しているといわれています。

各地区の青年たちが赤や青の鬼の面を着け、わら製のケデ(ワラでできた衣装)をまとい、包丁を片手に大声で扉をたたく姿は迫力満点。見た目が怖く鬼だと思われることも多いナマハゲですが、実は神様なのです。

日本にはナマハゲに限らず、地域の民家を訪ねる来訪神が現れる行事があります。日本の地域文化に深く根差し、信仰を象徴するものとして親しまれている来訪神ですが、だんだん伝承する地域が少なくなっているようです。

そこで政府は、この伝統行事を保護するべくユネスコ無形文化遺産に登録することを目指して動き始めました。

何世代にもわたり受け継がれる、ふるさとの原風景

石川県輪島市の能登町では、正月や節分の時期、地区の子どもたちが扮する「アマメハギ」が現れます。この地方の方言で火だこを示す「アマメ」を剥ぎに家々を回りますが、外見は天狗や猿など、さまざまです。「アマメを作っている者はいないかー」と大声でいわれると、思わず背筋がピンと伸びるといいます。

毎年2月に佐賀市で行われる「カセドリ」は、笠をかぶり、わら製の蓑を身に着けた青年2人が、カセドリに扮して各家を訪ね、長い竹の棒を床や畳に打ち付け、悪霊をはらいます。カセドリの笠で隠れた顔を見ると、御利益があるのだとか。家に来たカセドリにはお茶が出され、カセドリは帰り際、家にあるかごに「ないが切餅」を入れていきます。

このように、各地で行われる来訪神の行事は、何世代にわたり伝承され、地域に住む人々との絆を深めてきました。また故郷を離れても、幼い頃に経験したこれらの行事は心に残り、ふるさとを思い出させてくれる重要な役割を担っています。

政府が、ナマハゲ・アマメハギ・カセドリを含む来訪神の行事10件を一括してユネスコ無形文化遺産に登録を目指す理由は、地域と関わった人々の結びつきを強める大切な行事としてこれからも守っていく必要があるからです。

地域の風習を学ぶ「文化人類学」とは

昔の人々は、豊作豊漁を願う気持ちや、怠惰や邪気への恐れなど、形のないものを来訪神に託し、後世に受け継いできました。このような行事の伝承に力を入れている地域もあり、秋田県男鹿市の「男鹿真山伝承館」では、観光客が実際のナマハゲ行事の迫力を体験することができます。

国内外のあらゆる地域に伝わる文化や風習を研究する学問が「文化人類学」です。実際に現地へ行き、そこで暮らす人に話を聞いたり、行事を体験したりすることで見識を深めていくのが特徴です。民話のような伝承方法や、言語や芸術などに注目しながら研究対象の文化を考察します。「百聞は一見にしかず」をモットーに、日本だけでなく世界のあちこちを見ることができるのはワクワクするはずです。

文化人類学に興味がわいた人は、地域の伝統行事に改めて目を向けてみてはいかがでしょうか? 小さい頃からおなじみの神社の祭りが、実は、国や県の文化財に指定されていたなんてこともあるかもしれません。ぜひ身近なところから文化人類学への関心を深めていってください。


【参考文献】
文化庁
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2017030201.pdf
「重要無形文化財」男鹿のナマハゲ
http://www.namahage-oga.akita.jp/
なまはげ館
https://www.namahage.co.jp/namahagekan/namahage.php
佐賀県地域文化データベースサイト
http://www.saga-otakara.jp/search/detail.php?id=5346
石川県観光情報ホームページ
https://www.hot-ishikawa.jp/event/4517

この記事のテーマ
文学・歴史・地理」を解説

文学は、長い歴史のなかで変遷してきた人間の生活や社会、人々の考え方や感情の変化などを、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解いて比較検討し、過去から現在、さらには未来に至る人間のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、今日の私たちの生活や文化、経済活動などについて、基盤となった地形や気候、史実やさまざまな事象、最新の研究結果や歴史的な遺構をもとに、その成り立ちから考える分野です。

「文学・歴史・地理」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「文化人類学」
はこんな学問です

世界各地のさまざまな社会や地域で日常的に行われている文化的な活動を、実際にその社会や地域に入っていき、一緒に生活してみたり、インタビューすることなどを通じて細かく調査し、研究する学問。調査の対象は、伝統的な風習を守る部族社会から、現代的な地域社会まで、非常に多岐にわたる。また、国内の文化も調査の対象として重要である。学問的な特徴としては、文献による研究よりもフィールドワーク(現地調査)に重きを置く傾向がある。

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