パンダよりもゴリラのほうが実は貴重!?  絶滅危惧種にはランクが付けられている?

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パンダよりもゴリラのほうが実は貴重!?  絶滅危惧種にはランクが付けられている?

2018.05.14

提供:マイナビ進学編集部

パンダよりもゴリラのほうが実は貴重!?  絶滅危惧種にはランクが付けられている?

昨年6月、東京・上野動物園でジャイアントパンダのシャンシャンが誕生し、大きな注目を集めました。現在もその姿を一目見ようと多くの人が足を運んでいます。パンダといえば、これまで「絶滅の恐れがある動物」として取り上げられてきました。しかし、私たち人間と縁が深いあの動物も、今その危機にさらされているのです。

この記事をまとめると

  • 近年、野性環境でのゴリラの数は減少しており、絶滅の危機が問題視されている
  • ゴリラの減少の背景には、開発のための森林伐採や食肉による密猟が原因となっている
  • 一方、絶滅の危機に瀕していた動物が、保護を進めたことで数を増やしたケースもある

パンダよりも深刻? 絶滅の危機に近いあの動物

皆さんは、SNSやインターネットで話題となり人気を集めたゴリラのことをご存じでしょうか。名古屋市の東山動植物園にいるニシローランドゴリラのシャバーニで、その端正な顔つきから「イケメンゴリラ」と呼ばれています。その人気ぶりは、昨年同園で行われた人気投票「東山どうぶつ総選挙」でも、堂々の第1位を獲得するほど。 しかし、人気で盛り上がっている一方で、ニシローランドゴリラは現在、絶滅危惧種に指定されているのです。

ゴリラはパンダとは異なり、あまり絶滅や数が少ないということをイメージすることが少ない動物でしょう。しかしゴリラは今、パンダ以上に保護が必要だといわれています。

絶滅の恐れのある生物は、国際自然保護連合(IUCN)が発表している「レッドリスト」に記載されていますIUCNは野生生物や自然環境の保護や研究を行う団体で、絶滅の危機性がある動物をいくつかのレベルに分けています。このリストによると、ニシゴリラは、野生環境での絶滅まであと一歩となる「近絶滅種」に分類されています。他にも、同じくゴリラの仲間であるボルネオオラウータンが近絶滅種に分類されており、2016年にはアフリカに生息するヒガシゴリラも同じく近絶滅種となりました。

携帯電話の普及が、ゴリラの姿を消してしまった!?

では、なぜゴリラの数は減っているのでしょうか。これはゴリラの生息地と大きく関係しています。

主にゴリラは、コンゴやカメルーン、ナイジェリアといった中央アフリカ地域の森に生息しています。この地域では木材や鉱物を採集するために森が破壊されてきており、ゴリラは次第に住む場所を失ってきています。またゴリラの肉を目当てにした密猟も行われていることが減少に輪をかけました。

こうした状況に歯止めをかけるべく、ゴリラが住む森の一部は、各国で国立公園に指定され保護されています。しかし保護されているはずの国立公園の中でも密猟が行われ、ゴリラの数は減少するばかりです。

この地域でとれる金属が携帯電話などに使用される貴重なレアメタルであることも、森林伐採に拍車をかけています。そのためヒガシゴリラ同様、ニシローランドゴリラやボルネオオランウータン、スマトラオランウータンといった他のゴリラたちも近絶滅種に分類されています。ヒガシゴリラも、現在地球上で約5,000頭しか生存していないとされています。

このように現在のレッドリストでは、パンダよりもゴリラの方が絶滅の緊急度が高いという状況にあるのです。ゴリラはサルの中でも、ヒトに近く高い知能を持つ大型類人猿と呼ばれる動物です。しかしヒトを除くと6種類いる大型類人猿ののうち、4種類が絶滅の危機にさらされているという状況なのです。

絶滅の危機を脱した動物も

ジャイアントパンダは、絶滅の危機に瀕しているイメージが強かったのですが、2016年にこれまで指定されていた絶滅危惧種から解除されました。長年にわたり保護に力を入れた甲斐があり、パンダは着実に数が増え続けているようです。

ジャイアントパンダと同じく保護に努めたことで、絶滅の危機を脱した動物は他にもいます。その一つがオオタカです。オオタカは東日本や中部の里山などに生息しており、1984年には300~480羽まで減ったと推定されていました。そのため1993年には捕獲が原則禁止とする、希少種に指定。しかし、年月をかけて保護に努めたことで数が徐々に数が増え、2008年には5,000~9,000羽にまで増加しました。こうして2017年、オオタカは希少種から外れることになったのです。

今後ゴリラも、このような保護活動に力を入れていくことが求められるようになるでしょう。

動物の保護や、生態系などの知識を深めることは、生物学を学ぶことにつながります。生物学では地球の生態系やミクロな細胞の世界まで、さまざまなレベルで起きている生命現象を実験し、観察していきます。ひとくちに生物といっても研究対象は人間をはじめ、動物や植物、微生物などあらゆる生き物です。大学では生物の発生や遺伝など生物学をベースにしたさまざまな研究を行うことができます。

地球の生態系など環境が変わっていくと、動物の種類によっては数が増減し、絶滅の危機に瀕します。生物学を学ぶことは、ゴリラのような身近な動物を守る方法を考えていくことにもつながっていくことでしょう。


【参考文献】
https://www.asahi.com/articles/ASK5Q5DJPK5QULBJ016.html
AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3099781
ナショナルジオグラフィック
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/428921/
オルタナS
http://alternas.jp/study/global/19498
コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E9%A1%9E%E4%BA%BA%E7%8C%BF-884339
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23392380S7A111C1CN0000/
産経ニュース
http://www.sankei.com/life/news/160905/lif1609050007-n1.html

この記事のテーマ
農学・水産学・生物」を解説

私たちはほかの生物から栄養をもらって生活をしています。しかも、採集や狩猟だけではなく、食物を生産するという手段を得て、今日のように繁栄しました。人口増加や環境悪化などに対応し、将来的に安定した食料の確保を維持するためには、農業、林業、水産業などの生産技術の向上が必要です。さらに突き詰めて考えれば、動植物や微生物などの多様な生物に対する研究も重要です。自然との共生が大きなテーマになる学問です。

「農学・水産学・生物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「生物学」
はこんな学問です

マクロな地球の生態系からミクロな細胞の世界まで、さまざまなレベルで起きている生命現象を実験・観察することによって研究する学問である。人間を含めた動物・植物・微生物など、あらゆる生命体が研究対象となる。主な研究分野としては、タンパク質を中心にした生体内の高分子の機能をその構造から研究する「構造生物学」、生態系の構成要素である生物と環境の関わりを研究する「環境生態学」などがある。

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