【シゴトを知ろう】海女・海士(あま) ~番外編~

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【シゴトを知ろう】海女・海士(あま) ~番外編~

2018.03.06

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】海女・海士(あま) ~番外編~

2013年に放映されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で話題となった海女・海士(あま)と呼ばれる職業。素潜り漁でアワビやサザエ、ウニ、ワカメ、モズクなどを捕って、私たちの食卓を潤わせてくれます。

山口県下関市で海士の仕事をされている花岡昌雄さんに、海女・海士を目指すなら知っておきたい制度や実際の漁の様子について教えていただきました。

この記事をまとめると

  • 海女・海士などの漁師を目指すなら、都道府県が支援する研修制度を活用するのがお薦め
  • にわかに注目されるようになった海藻「アカモク」。ブームが及ぼした影響とは?
  • 30代後半なのに若手!? 高齢化が進む漁業の世界

家族の反対を押し切って海士を目指した

――海女・海士(あま)になるにはどんな方法がありますか?

都道府県が行っている漁業就業支援制度を利用するのがスムーズです。私も海士などの漁師として独立する前にさまざまなことを学びました。2年間の研修期間中はアルバイトとして扱われるため収入は少ないのですが、海女・海士に必要なことを学べるので、学校に通っているようなものです。

たくさんのことを効率よく身に付けることができますし、漁具や漁船を買う際の支援もあるので、海女・海士などの漁師になるのであればこの制度を利用するのが一番いいと思います。

漁業就業支援制度をお薦めする理由はもう1つあります。海女・海士などの漁師になるには地元の漁業組合に入る必要があるのですが、制度を利用すれば、2年間の研修期間中に人柄や人間性を地元の方たちに分かっていただけます。私は快く組合員として迎え入れてもらえました。

――海女・海士になると決めた時のご家族の反応について教えてください。

最初は反対されました。生活や収入が不安定になるイメージがありますからね。だから、研修の計画段階で妻にも現場に来てもらって、研修をしてくれる師匠や漁業組合の方と話し合いもしました。

研修期間中は収入が少ないし、厳しい生活になります。家族を持つ人はその部分で悩むことがあるでしょう。ですが、神聖な海に囲まれながら努力した分の報酬を得ることができるのが、海女・海士の仕事の一番の醍醐味だと思います。


――漁業就業支援制度の研修で一番つらかったことはどんなことですか?

海士だけではなく漁師の研修も受けたのですが、延縄漁(*1)の研修の際、しけ(*2)で港に戻れないことがありました。海が荒れているので沖に泊まっていかりを下ろし、しけが収まるのを待つ(沖泊)のですが、一番長い時で6日間沖泊になりました。船は揺れるし、寒いし、いつ帰れるのか分からないしで、それはもう経験したことがないような過酷さでした。

でも、師匠として研修をしてくれていたベテランの漁師さんがいい人で、「あと1日で帰れるぞ」と励ましてくれたので心強かったです。それで頑張ろうと思えました。今思えば面白い経験でしたね。


*1 延縄漁(はえなわりょう):1本の長いロープに釣り針をつけた複数の短い釣糸をつなげて魚を捕る漁法のこと。

*2 しけ:天候不良で海が荒れること

水産資源を捕るだけでなく、守り育てることも大切

海士など漁師として活動するには、漁業協同組合員になる

海士など漁師として活動するには、漁業協同組合員になる

――素潜り漁で捕っていいものは時期によって決まっているのでしょうか?

県全体や漁業組合、地域などの単位で、捕っていいものとだめなものが決まっています。それには、水産資源を守り育てる意味もあります。例えばアワビの場合、10cm以下だと捕ってはいけない決まりがあります。あとは、素潜り漁は夏が中心ですが、ナマコは冬に捕ります。


――漁で捕ったものはどのようにしてお金に換えるのでしょうか?

漁で捕ったアワビやサザエなどは生きたまま市場に持っていき、買い取ってもらいます。下関であれば唐戸魚市場ですね。捕れるものは日や漁場によって異なり、アワビやサザエが多い日と少ない日とでは収入にだいぶ差があります。


――印象に残っている素潜り漁について教えてください。

海藻の一種であるアカモクの漁が印象に残っています。アカモクは捕れる時期が決まっていて、メカブのようなトロトロした海藻特有の栄養成分が出てくる3~5月頃に一番品質が高くなります。

段ボールに11kg入れて1箱800円で買い取ってもらうのですが、市場から「どんどん捕ってくれ」と言われたので、1日で170~180箱分捕ったことがあります。朝5時に漁に出て、17時に帰る頃にはくたくたでした。大量に捕るのは大変で手が腱鞘炎になりましたが、ずいぶん稼がせてもらいました(笑)。

実は、アカモクに火が付いたのは3年ほど前です。健康志向の高まりで急に注目を浴びるようになりました。それまでは誰も目もくれず、山口県内でアカモクを捕っている人や加工している会社がなかったくらいです。ちなみに、アカモクは動かずに生えている海藻なので、泳ぐ魚を捕獲するよりずっと楽ですよ。

海は常に危険と隣り合わせ。冷静な判断が求められる

船で作業を行う花岡さん。船に乗るときはライフジャケットを必ず着用する

船で作業を行う花岡さん。船に乗るときはライフジャケットを必ず着用する

――漁業組合員ではない人が海産物を採取している場面に遭遇することはありますか?

山口県では、貝類(アワビ、サザエ、アサリ、ハマグリ、カキなど)や海藻(ワカメ、ヒジキ、テングサ、アカモク、モズクなど)、ナマコ、ウニなどは、漁業権にもとづかずに採取することは禁止されています。しかし、密漁する人に遭遇することもあります。

先日も密漁者がいて通報したのですが、海上保安庁が現場に来る直前に逃げられてしまいました。密漁は犯罪です。私たち漁業をなりわいとしている者にとっては、漁業権を侵害されることになります。もちろん、潮干狩りなど漁業組合が認めた範囲で遊漁を楽しむのは別の話です。


――漁業就業者の高齢化が進んでいると言われていますが、花岡さんの周辺ではどうですか?

私が所属している漁業組合には約25人の組合員がいますが、半分くらいが60代以上で80代の方も所属しています。38歳の私が一番若いです。山口県全体で漁業就業者は5,000人程度いますが、65歳以上が半数を占めています。


――素潜り漁に出て危険な目に遭ったことはありますか?

素潜り漁は、船を沖に出して漁場まで行き、いかりを下ろして船を泊めてその周りで行います。ある時、鉛で海中に固定した捕った貝や魚を入れておくための籠につながっているロープが、足に巻き付いて取れなくなったことがありました。

鉛ごと動かせばいいのですが、その時は鉛が岩の隙間に引っかかってしまっていたんです。かなり焦ったものの、息に余裕があったので冷静になって考え、鉛に掛かっているフックを外して足にロープが絡んだまま何とか脱出することができました。一歩間違えれば命に関わるので心臓がバクバクしましたね。


海と向き合う海女・海士の仕事にはさまざまな危険が伴うため、決して楽な仕事ではありません。でも、「時間の自由が利き、会社員以上の収入を得ることができる魅力がある」と花岡さんはおっしゃっていました。

体力がものをいう世界ですが、若いうちに漁業の仕事に就けば目標とする収入を得ることができるかもしれません。海が好き、自由な働き方に憧れる人は、海女・海士という職業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。


【profile】山口県漁業協同組合伊崎支店 海士・海女(あま)・漁師 花岡昌雄

山口県漁協 http://www.jf-ymg.or.jp/

【取材協力】山口県漁業就業者確保育成センター

山口県漁業就業者確保育成センター 漁業就業支援制度
http://www.jf-ymg.or.jp/ryoushi/01guide/

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「海女・海士(あま)」
はこんな仕事です

海に潜って伊勢エビ、サザエ、アワビ、ウニ、岩ガキなどの魚介類やワカメ、コブなどの海藻、真珠を採集する漁を行う。一般的には女性が多いが、女性を「海女」、男性を「海士」と区別して記される。海女・海士による漁の歴史は非常に古く、縄文・弥生時代から現代に受け継がれている。海女を取り巻く環境には、高齢化、後継者不足、漁獲資源の減少といった課題もあるが、近年、テレビで取り上げられるなど注目が集まり、後継者育成のための研修を行う漁業組合もある。

「海女・海士(あま)」について詳しく見る

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