“いいもの” だけど “使いにくい” 伝統工芸品。 進化のカギはプロダクトデザイン。

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“いいもの” だけど “使いにくい” 伝統工芸品。
進化のカギはプロダクトデザイン。

2018.04.16

提供:大同大学

“いいもの” だけど “使いにくい” 伝統工芸品。
進化のカギはプロダクトデザイン。

全国各地にある伝統工芸品。その地域の文化が息づく大切に守り伝えるべき物ですが、普段の生活にあまり馴染みがないと思いませんか?これから先も存続させるためには、より多くの人が手に取り、使ってもらうことが必要です。そんな伝統工芸品をデザインの力でいかに身近なものへと進化させるか。このテーマに取り組んでいるのが、第一線のプロダクトデザイナーとしても数々の商品を世に送り出してきた、大同大学情報学部情報デザイン学科プロダクトデザイン専攻の岡田先生です。先生に、プロダクトデザインとは?というテーマで語っていただきました。

この記事をまとめると

  • 地方の伝統産業が衰退している理由
  • デザインというスパイスにより、地域産業に新たな魅力が生まれる
  • 地元の職人さんとのコミュニケーションの中にヒントがある

伝統工芸品を守り伝えるために必要な進化とは。

情報学部 情報デザイン学科 プロダクトデザイン専攻 岡田心先生

情報学部 情報デザイン学科 プロダクトデザイン専攻 岡田心先生

日本には、伝統工芸品と呼ばれるものがたくさん存在しています。江戸切子や輪島塗、美濃焼、大島紬など、みなさんもいくつかは思いつくのではないですか。いずれも地域の文化的な財産として、また地場産業の重要な柱の一つとして大切に受け継がれています。しかし、どの地域でも大きな問題となっているのが後継者不足です。伝統工芸品と聞くと、職人が一つひとつ手作業で作り上げる芸術品のようなイメージがあります。

実際、伝統的な工芸品の多くは時間もコストもかかり産業としての成長を見込むことは難しそうです。

その伝統技術を現代のニーズにマッチした形に進化させることで、工芸品を身近なものにできないかという考えから、研究に取り組んでいるのが岡田先生です。

このままで満足?当たり前の物に疑問をもつ。

スタイリッシュに生まれ変わった「すいちょこ」のほか、カラフルにデザインされた枡や枡を作成する際に出る薄いヒノキを使った加湿器も。

スタイリッシュに生まれ変わった「すいちょこ」のほか、カラフルにデザインされた枡や枡を作成する際に出る薄いヒノキを使った加湿器も。

どこか古くみえて普段の生活で使用するイメージがない伝統工芸品を、使ってみたい!と思ってもらうものにするために重要なのが、デザインというスパイスを加えることです。

岐阜県の大垣市は、「木枡」の生産では全国の8割を誇る日本一の産地です。イベントなどの鏡開きなどでよく見かける木枡は、ヒノキの香りが飲み物をより味わい深くしてくれますが、形といい容量といい、どうしても「オヤジ」感があります。岡田先生はそこで、女性にももっと使ってもらえるようにと、製造方法はそのままに、三角の木枡「すいちょこ」を作りました。スタイリッシュに生まれ変わったこの枡は、その年のグッドデザイン賞にも選ばれ、発売以来人気商品となっています。

「当たり前と思って、実は見ないふりをしているものがたくさんあります。それを敢えて少し違う視点から見てみる。本当にこれで満足?もっとこんな風だったらいいのにと思っていることを、カタチにしていくこと。これもプロダクトデザインなのです」と岡田先生は語ります。

重要なのは地域性。現場に足を運び、現地の人との交流の中にヒントがある。

マトリョーシカのよう、次々と道具がでてくるのも面白い「potterin」。

マトリョーシカのよう、次々と道具がでてくるのも面白い「potterin」。

岡田先生は第一線で活躍するプロダクトデザイナーとして、ほかにも多くの製品を手がけてきました。

富山県の仏具メーカーとタイアップして、仏間のない現代の住環境にも合った、おりんとりん棒、香立、花立が一体となった「potterin」を発案。リビングにあっても違和感なく、しかもコンパクトにまとまった仏具は、これまでの「当たり前の形」への疑問から生まれました。

そんな岡田先生が指導する研究室で、先生が大切にしているポイントは二つ。まず、成熟した現代の世の中で、新しいものを生み出すために必要なのは、これまでにない視点です。「そんなことやっていいの?」と思う固定概念を捨てること。アイデアの可能性は「そんなこと」から広がります。もう一つは、その土地に行き、そこの人たちとコミュニケーションをとることです。「すいちょこ」も「potterin」も、現場に何度も通って職人さんとの絆を深めることから生まれた製品です。新たなプロダクトデザインを考える上で、忘れていけないことは地域性です。

岡田研究室では、その工芸品を作り出す現場を大切にし、職人さんたちとの何気ない会話の中からデザインの糸口を見つけ出しています。同時にその作品が、現代生活の中でどんな場所で使われるものなのかという「使う現場」も重視。デザインの力で「普段の生活の中で使いたい」と思うものを生み出していく。岡田研究室では、そのプロセスを通じて、プロダクトデザインの本当のおもしろさを見つけ出すことができるのです。

【広告企画】提供 : 大同大学

この記事のテーマ
芸術・表現・音楽」を解説

絵画や造形、声楽や楽器演奏、演劇や芝居、マンガやアニメーションなど、さまざまな芸術分野で、表現者としての感性や技術を磨きます。近年では、活躍の場を広く海外に求め、高い評価を受けている人たちも多くいるようです。作品の制作や演習などの実技はもちろんのこと、それを裏打ちするために専門分野の歴史や理論の授業も行われます。そのため、アーティストとして作品を発表する以外に、指導者や研究者としての道もあります。

「芸術・表現・音楽」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「デザイン」
はこんな学問です

物や空間をデザインするための技法と創造力を養う学問。広告、服飾、雑貨、建築物、環境、空間など、あらゆるところにデザインは必要で、分野としては「ビジュアルデザイン」「プロダクトデザイン」「スペースデザイン」「テキスタイルデザイン」などがある。美しさだけではなく、使いやすさなどの機能性が求められる点で、絵画・彫刻とは異なる。現在ではデジタル時代に対応した制作物も出ており、常に最新の文化とともに変化していく学問といえる。

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