大工さんは高いところに登るとき、なんで怖くないの?
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高いところをひょいひょいと登って仕事をしているイメージが強い大工さん。普段そんなに高いところに登らない私たちは、ちょっと怖いと思ってしまいますよね……。どうして大工さんは高いところが平気なのでしょうか? そんな素朴な疑問を、個人の住宅を中心に手がける大工さんにお話を聞いてみました。
この記事をまとめると
- 大工というのは、高いところで作業することが多い
- 高いところでの作業は、安全対策がなされている
- 基本的には、高いところが怖いという人は大工にほとんどいない
大工さんはどんなことをやってる?
――どの大工さんも高いところに登るんですか?
「大工というと、一般的には住宅を建てるイメージがあるかもしれませんが、今は型枠大工(かたわくだいく)といって、橋や鉄筋コンクリートのビルなどのコンクリートを流し込む型をつくる大工もいます。もちろん木造住宅の大工もいますが、大手ハウスメーカーの大工など、それぞれ仕事内容が異なっています。それでも、どの大工も高いところには登ると思います」
今の時代、木材で住宅をつくることは少ないそうです。鉄筋コンクリートの建物にも、大工さんが関わっているとは驚きでした。ハウスメーカーの大工さんは、メーカーによって建て方が異なるので、メーカーごとに細かな違いがあるそうです。
高いところは怖くないの?
――大工さんはどうして高いところが平気なのでしょう?
「僕の場合は、最初から高いところが苦手ではありませんでした。今までにいろいろな現場に行きましたが、高いところが苦手という大工はほとんどいませんでした」
「高いところで仕事をするのが大工ですから、仕事を続けるなかで高いところが慣れることがあるかもしれませんが、最初から高いところが大丈夫な人がほとんどのようです」
「今は安全基準が厳しく、高いところに登るときは安全帯という安全装置をつけたり、ヘルメットを被るなど、万が一の事態に備えています。他の大工もみんな高いところに登っているので、怖がらなくて大丈夫ですよ」
他の大工さんが登っているのを見ると、確かに平気になるかもしれません。それに、安全対策がきちんとされいるので、むやみに怖がる必要はないのですね。
大工さんの仕事は、建てる作業だけではない!
――高いところに登る以外に、どんな仕事をしているんですか?
「僕は個人の住宅をつくっていますが、注文者ごとに細かい希望があるので、お客様とコミュニケーションを取りながら家をつくる必要があります。大工は職人の世界だと思われがちですが、注文者と円滑にコミュニケーションをとっていくことが大切な接客業です。ひと昔前の無口で頑固な大工というのは今の時代にはあまりいないと思います」
「大工は野外で仕事をするので、夏は暑いし、冬は寒いです。 雨が降ったら大工の仕事はお休みと思うかもしれませんが、今は雨でも作業できることもあるし、現場の状況によって違います。大工という仕事が好きでないとできない職業です」
「たいへんな仕事だとは思うけれど、大工という仕事は建物をつくっているので、建物はずっと先まで残ります。次の世代まで残る仕事をしているので、下手なことはできないし、こちらとしても真剣になります」
家を建てるのはもちろんですが、注文者の意見を上手に取り入れるのも大工さんの仕事の一つなのですね。
家というのは、大人にとっては人生で一番大きな買い物になりますから、だからこそ大工さんも全力で仕事に打ち込んでいるんですね、このように、大工という仕事は形として残るものを作り上げ、長期間の間に渡り、人々の役に立つ建物をつくります。時代ととものそのスタイルは変わりつつあるようですが、大工という仕事には、ものづくりの楽しみや世の中の役に立つ喜びなど、たくさんのやりがいがあるといえそうです。
この記事のテーマ
「建築・土木・インテリア」を解説
建築や土木に関する技術を中心に学ぶ分野と、インテリアコーディネイトなどデザインを中心に学ぶ分野の2つに大きく分かれます。資格取得のために学ぶことは、建築やインテリアの設計やプランニングに必要な専門知識、CADの使い方などが中心です。どちらの分野も依頼主の要望を具体化できる幅広い知識とコミュニケーション能力も求められます。
この記事で取り上げた
「大工」
はこんな仕事です
主に木造住宅の建築・修理を行う。勤務先が小さな工務店の場合は木材加工も大工自身で行うが、住宅メーカーなどの場合は木材加工は機械化されており、建築現場での施工が主な仕事となる。基本的には住宅の骨組みや外壁、室内の床・壁・天井を造ることが役割で、内装や電気工事などは専門業者と協力するケースもある。経験がものをいう仕事であるため、一人前になるには最低でも5年程度の修業が必要となる。