聖徳太子は予言者だった?

この記事をまとめると
- 歴史上の偉人には、予言や予知をしていた人物がいる
- 聖徳太子は黒船来航と東京遷都を予言していたという
- ナポレオンは中国の経済成長を予言していたのかもしれない
聖徳太子、ナポレオン、アインシュタインなど、歴史上の偉人たちは、現在から見れば予言ともとれるような、未来を予測する言葉を多く残しています。偉人達の予言エピソードを見ていきましょう。
黒船来航を予言? 聖徳太子
日本人なら誰でも知っている聖徳太子。飛鳥時代に、十七条の憲法を制定したほか、「生まれてすぐ言葉を発した」、「一度に10人の話を聞くことができた」などの逸話が残る超人でもあります。さらに聖徳太子には、未来予知能力があったというのです。
聖徳太子は、「私の死後二百年以内に、一人の聖皇がここに都を作る。かつてない壮麗な都になり戦乱を十回浴びても、千年の間都として栄える。しかし一千年の時が満ちれば、黒龍が来るため、都は東に移される」と話したといい、平安京遷都以降ずっと都が京都にあったこと、そして黒船来航と東京遷都を予言しているのです。
さらにもう一つ気になる予言が。「それから二百年過ぎた頃、クハンダ(仏教用語で末世に現れる悪鬼のこと)が来るため、その東の都は親と七人の子供のように分かれるだろう」という言葉を残しているのです。仮に明治維新から数えると200年後は2000年代。ちょっとオカルトなこの予言。聖徳太子には一体どんな未来が見えていたのでしょうか?
ナポレオンの予言に追いついた?
ナポレオンは「中国が目覚める時、世界は震撼(しんかん)するだろう」という言葉を残しています。しかしその没後しばらく、中国は「眠れる獅子」のまま、予言が現実になることはありませんでした。ところが近年、中国経済は急成長。2010年にはGNPで日本を抜き世界第2位に躍り出ました。また2013年には輸出入の貿易総額がアメリカを抜いて世界第1位に。そんな中国に対して各国が懸念しているのが軍事大国化です。中国は経済発展とともに、軍事力増強を図っています。「世界を震撼させる」というこの部分の予言は、当たらないでほしいですね。
アインシュタイン最後の宿題
「宇宙はビッグバンから始まった」というビッグバン理論。そして、宇宙はそこから膨張し続けていると科学者たちの間では考えられています。アインシュタインは100年前、この膨張を裏付ける仮説として、物体が加速しながら動く時に光速で伝わる時間と空間の揺れ、「重力波」の存在を予言していました。これは「アインシュタイン最後の宿題」と呼ばれ多くの科学者たちがその存在の観測に挑戦していました。そしてついに、アメリカの研究チームが2014年、この重力波を観測したと発表したのです。100年越しの発見に、「アインシュタインの予言が的中した」と話題になりました。予言を追いかけ続けた科学者たちがそれを実証し、宇宙の始まりと進化を解明する大きな手掛かりを手にしたのです。
予言というと占い師のイメージですが、偉人たちには共通して「先見の明」があったと言えます。歴史や文学を通して、先人たちのものの見方を学べば、未来を切り拓く手掛かりが得られるかもしれません。
この記事のテーマ
「文学・歴史・地理」を解説
文学は、長い歴史のなかで変遷してきた人間の生活や社会、人々の考え方や感情の変化などを、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解いて比較検討し、過去から現在、さらには未来に至る人間のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、今日の私たちの生活や文化、経済活動などについて、基盤となった地形や気候、史実やさまざまな事象、最新の研究結果や歴史的な遺構をもとに、その成り立ちから考える分野です。
この記事で取り上げた
「歴史学」
はこんな学問です
歴史学とは、対象とする大陸・国・地域などにおいて、過去に起こった物事を取り上げ、当時それがどのような意味を持っていたのかを、残された物や建造物、文書などから研究する学問である。ただ、資料を正確に読み取るだけではなく、事実かどうかを疑い、踏み込んで検証する批判的視点も重要である。歴史学の基本的なラインナップには、日本史、東洋史、西洋史、考古学がある。また、政治制度・経済活動・芸術文化・信仰宗教などに特化した考察も行う。