部活中に足がつったとき、頼れる人は?
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高校1年生のカスミは陸上部の短距離選手。部活に慣れてきたある日、ふとした油断から、準備運動をさぼって練習に入ると、ふくらはぎに激痛が……。そこに運良く、アスレチックトレーナーである斉藤さんがやってきました。
この記事をまとめると
- スポーツの現場でケガの予防や応急処置を行う「アスレチックトレーナー」という仕事がある
- プロのスポーツチームでは、専属のアスレチックトレーナーを雇うのが一般的
- 医療現場やフィットネスクラブなど、活躍の場は広がっている
運動中のトラブルの救世主! アスレチックトレーナー
カスミ:イッタァーーーイ!! ヤバイ! 足つった! 助けてぇ〜!
斉藤さん:あらあら、まずは落ち着いて脚をまっすぐ伸ばして。そうしたらつま先をつかんで頭の方に向かって伸ばすの。できる? 私も足の裏から押して手伝ってあげるから。
カスミ: めちゃくちゃイタイけど、なんとかやってみます……。
斉藤さん:どう? 少しは痛み治まってきた?
カスミ:はい、スゴイ! 斉藤さんの言った通りにしたらかなり楽になりました。
斉藤さん:よし、これで大丈夫ね。それより、足がつるなんて練習前にちゃんと準備運動したの!?
カスミ: うっ……。今日はついサボっちゃいました……。
斉藤さん:準備運動は必ずしなさいっていつも言ってるでしょ~! 身体を温めないままいきなり激しい運動をしたら、筋肉がびっくりして肉離れを起こす場合だってあるんだから! そうしたら練習どころか、しばらく歩くこともできないんだよ。
カスミ:すみません、反省します……。
斉藤さん:あと、汗をかいて水分とミネラルが不足しても足がつりやすくなるから、ちゃんとスポーツドリンクで水分補給も忘れずにね。
カスミ:はーい。気をつけます! でも斉藤さんみたいなアスレチックトレーナーがいてくれるおかげで、安心してケガができます(笑)。
斉藤さん:もう! ケガはしないにこしたことはないの! それにケガの予防を指導するために私がいるんだから。でも確かに、現場にアスレチックトレーナーがいるといないとじゃ、ケガをしたときのその後のリスクは変わってくるかもね。
カスミ:前に先輩が骨折したときに、斉藤さんが素早く手当てしているのを見てすごくカッコイイと思いました! もし斉藤さんがいなければ、みんなどうしてイイかわからなかっただろうし、先輩もすごく不安だったと思う。
斉藤さん:選手がケガをしたときのための的確な判断能力と応急処置スキルは、アスレチックトレーナーには必須なの。処置の仕方でその後のケガの具合が大きく左右されることもあるし。あと、早く復帰できるように、その後のリハビリをサポートしてあげることもすごく大事。だからアスレチックトレーナーはみんな医学的知識を一通り勉強してきているの。
カスミ:医学の知識も豊富なんて、ますます頼もしいですね! あっ、そういえば私、斉藤さんが指導してくれた通りにトレーニングをしたらタイムが伸びたんですよ!
斉藤さん:それはヨカッタ! 顧問の田中先生と相談しながら、カスミちゃんに合うトレーニングは何かなってけっこう試行錯誤したんだから~。
カスミ:ありがとうございます! 斉藤さん、ちゃんと私の練習とかコンディションを見ていてくれてるんだなってうれしくなっちゃいました♪
斉藤さん:当たり前じゃない、みんなのパフォーマンスを向上させるのも私の役目なんだから任せて! カスミちゃんは期待の1年生なんだし、次の大会までにベストの状態にしておかないとね。
カスミ:期待に応えられるよう頑張ります! じゃあ足の痛みも完全になくなったみたいなので、今から練習に戻りますね♪
斉藤さん:あっ、こら! だから準備運動はちゃんとしなさい!
カスミ:は~い(苦笑)
スポーツ環境の向上にアスレチックトレーナーは欠かせない!
アメリカではスポーツ選手の健康管理チームに欠かせないメンバーとして認知されているアスレチックトレーナー。日本での知名度はまだ低いですが、プロのスポーツチームでは専属のトレーナーを雇うことが一般的になってきています。今後は、スポーツの現場以外にも、大学や医療機関、フィットネスクラブなど、活躍できる場は広がっていきそうです。子供から大人まで、誰もが安心してスポーツが楽しめる環境を整えるためにも、今後はさらなる活躍が期待されている仕事です。
この記事のテーマ
「健康・スポーツ」を解説
スポーツ選手のトレーニングやコンディション管理に関わる仕事と、インストラクターなどの運動指導者として、心身の健康管理やスポーツの有用性を一般に広める仕事に分かれます。特に後者は、高齢化や生活習慣病が社会問題化する中、食生活や睡眠も含めて指導できるスペシャリストとして需要が高まっています。
この記事で取り上げた
「アスレチックトレーナー」
はこんな仕事です
アスレチックトレーナーは、スポーツ選手などがベストの状態で試合に臨めるように、身体づくりの面からトレーニング・ケアをする仕事。リハビリ指導や健康管理、けがの予防まで、スポーツドクターや指導者と連携し、選手をメディカルの視点から支える重要な役割を担う。プロの選手はもとより、学校などのスポーツ現場での事故やけがを防ぐためにも、知識と技術を持ったトレーナーが必要とされており、活躍のフィールドは多様。医者に代わって代替治療が行えるため、医療従事者の一員ともいえる。
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