日本が9つに分割される計画が進行中!?

47の都道府県に分かれている日本。しかし、実は日本を「9つに分ける」という計画があるようです。その計画とは一体どんなものなのでしょうか。地理の勉強をしている高校生のケンタくんが、大学生のお兄さんに聞いています。
この記事をまとめると
- 日本を「9つに分ける」という計画がある
- 9つに分けることで、財政の管理の仕方も変わる
- 11個あるいは13個に分けようという案もある
47の「都道府県」から、9つの「道州」へ?
ケンタ「北海道、青森県、宮城県、岩手県、えーと、えーと……。ああ、ダメだ! 47の都道府県を暗記できない! これじゃあ、テストの点も上がらないよ。そもそも、都道府県が47個もあるなんて、多すぎるんだよ! 10個くらいだったら覚えられるのに……」
兄「おっと!? ケンタ、お前いいことを言ったな。実はな、47都道府県ではなく、日本を9つに分けようという計画が本当にあるんだよ!」
ケンタ「日本を9つに分ける……。そんな話が本当にあるの?」
兄「本当にあるんだよ。北海道はそのままだけど、それ以外の地域を、新しいくくりで分けるんだ。これまでの都府県に変わる「州」という単位でね。そこで、北海道の「道」と他の地域の「州」を合わせて、「道州制」と言われてるんだよ」
ケンタ「(インターネットで“道州制”と検索して)本当だ! なんかいろいろ出てきたよ。ウソじゃなかったんだ。でも、何でそんなことする必要があるの?」
兄「簡単にいえば、いろいろな手続きがシンプルになることだ。今は『国』という大きな単位があって、その下に47もの都道府県があるだろ? 47もあるから、すべての都道府県とやりとりするのが大変だし、ミスも出てくる。それが9つになれば分かりやすくなるはずだ」
ケンタ「そうか。でも、そんな理由だけで変えられるの?」
兄「いいや、もちろんそれだけではない。47に分かれていた都道府県が9つの道州になれば、当然、一つあたりの規模は大きくなるだろ? そうすると、一つあたりで持つお金の規模も大きくなる。今は、都道府県ごとでお金をやりくりしているけど、もっと規模が大きくなると、今より多額のお金を管理できるから、いろいろとやりやすくなることもあるんだ。小さなお店が合わさって、デパートになるようなものだよ」
ケンタ「なるほど。じゃあ、道州制になる日も近いんだね?」
兄「いや、そんなこともないよ。実現にはいろいろな課題がある。まずは、どういう分け方にするか。今は、9つに分ける案が有力だけど、11個あるいは13個に分けようという案もあるんだ。この分け方については、いろいろな意見があるから、まとめるのは簡単じゃないだろうね」
ケンタ「そうだよね。『俺はあっちに入りたい!』っていう県もありそうだもんね」
兄「そうだね。あとは、州の中心地をどこにするかも問題だ。県には『県庁所在地』という中心地があるだろ。同じように、州でも『州都』という中心地を作る必要がある。ただ、州は県よりずっと広いから、州都に企業や人が集まると、そこから遠い地域は極端に人がいなくなるかもしれないんだ。となると、どこに州都を置くかで大きく変わるんだよ」
ケンタ「広くなった分、いろいろな問題も出てくるんだね」
兄「そもそも、くくりを大きくしたところで、本当にいろいろとやりやすくなるのかも分からないからね。これだけ大きな改革をして、『失敗だった』では済まないんだよ」
ケンタ「へー、政治って大変だね。今よりよくしなければいけないけど、失敗したら大問題だもんね」
兄「そういうことだね。だから『政治学』という分野のスペシャリストたちは、道州制にすべきかどうかを研究している。ケンタも、こういう分野を学んでみると面白いかもしれないな」
ケンタ「地理は苦手だけど、政治学はやってみてもいいかもしれないね。47都道府県を覚えるのはやめて、今から政治を勉強しようかな」
兄「素晴らしい心がけだ! でも、まずは47都道府県を覚えるんだ。それが兄からの命令だ」
ケンタ「わかったよ、兄ちゃん……」
政治学を学ぶことで、道州制の効果を考えよう!
日本の未来に大きく関わる「道州制」。これを実現すべきかどうか、または、それによるメリットやデメリットなどを考えるのが「政治学」という分野です。日本がより住みやすい国になるよう、政治学について学んでみるのもいいのではないでしょうか。
この記事のテーマ
「法律・政治」を解説
それぞれ考え方が異なる人たちをまとめ、国家を形成するためには、法律によって義務や権利を定め、政治(行政)によってそれらをきちんと運用していくことが必要になります。法学や政治学は、そうした国や暮らす人たちの道しるべとなるよう、法律や政治の仕組みを考え、よりよい運用方法を探っていく学問です。
この記事で取り上げた
「政治学」
はこんな学問です
社会制度の基礎となる枠組みを決めるのが政治であり、政治理論、政治思想史、政治史、公共政策、国際政治などについて総合的に研究するのが政治学である。具体的には、国内の少子高齢化と介護福祉の問題などの目の前の問題から、世界の平和を危うくする紛争と難民の問題まで、政治学的なアプローチによる幅広い研究がなされている。また、より公正な政治を実現するために、国によって異なる国家を統治する仕組みや制度についての比較研究も行う。
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