地域で価格が大きく変わる!? ガソリンの不思議
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わたしたちの日常生活に欠かせない自動車。車が走るためにガソリンは欠かせませんが、地域によって価格が違うということを知っていましたでしょうか。しかも近年、世界的に原油の価格は上昇しています。値上げの理由はどのようなところにあるのでしょうか。
この記事をまとめると
- ガソリン価格は油槽所から近い地域やスタンド同士の競争が激しい地域は安くなる
- 世界情勢により原油価格は上下する
- 新たなエネルギー開発により、日本は資源輸出国になるかも!?
安い地域、高い地域はどこ?
ガソリンなど燃料の価格には、同じ日本の中でも地域差があります。
県別に見てみると、2015年9月時点でガソリンが安いのは、千葉、埼玉、茨城など。
逆に高いのは、鹿児島、高知、佐賀、香川などのようです。
リッターあたりの価格だと、安い県と高い県で20円近い差があることも。
どうして、こんなふうに価格に差が生じるのでしょうか。
ガソリンについて詳しい、株式会社富士オイルのMさんに質問しました。
「ガソリンの価格はどのように決まりまるのですか?」
「理由はいくつか挙げることができます。まず、燃料を貯蔵する油槽所からの距離。貯蔵している場所から距離があると、タンクローリーや貨物列車で輸送するためのコストがかかるため、その分が価格に上乗せされてしまいます」
「なるほど」
「価格競争も理由の一つです。車の利用者やガソリンスタンドが多く、スタンド同士の競争が激しい地域では、当然、その分価格が安くなります。その他に、国際的な原油価格や外国為替、それにガソリン税、消費税によっても価格は変化してきますね」
燃料の価格は世界情勢に左右される
Mさんにお話しいただいたように、ガソリンの価格は国際的な原油価格に影響されます。その原因は、産油国の政治状態にあります。
日本は国内で使用する原油の多くを中東からの輸入に頼っているため、海外の動向に燃料の価格も左右されてしまうのです。
過去には1970年代、オイルショックと呼ばれる2度の原油価格の急激な値上げがありました。
日本国内の油田は、北海道や新潟などにわずかにあるのみ。
大部分は輸入しなくてはならないので、国際的な原油価格の影響を大きく受け、値上げの原因にもなるのです。
日本がエネルギー大国になるかも?
これまで、日本にはエネルギー資源はないと言われていました。
ところが近年、日本近海に眠る海洋資源が注目を集めています。
その本命がメタンハイドレートとシェールオイル。
掘削技術の向上により、海の底にある資源の活用が現実味を帯びています。
もしかすると、これからの日本は資源輸入国から輸出国へ転換していくかもしれません。
あなたも工学部で資源工学やエネルギー工学を学んで、未来の日本をさらに豊かにしていきませんか?
参考:総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)調査結果」
http://www.stat.go.jp/data/kouri/doukou/3.htm
この記事のテーマ
「地球・環境・エネルギー」を解説
私たちの暮らす地球では、火山噴火、地震、台風、干ばつなど、人類にとっては有害な現象がいまも続いています。こうした現象を研究・解明し、うまく折り合いをつけていくことが必要です。また、豊かな生活を求めるあまり、限りある地球資源を枯渇させてしまったり、自然環境を破壊してしまうことは、人類の絶滅を意味します。こうしたことを防ぐためには、技術系の学問だけではなく、政治や行政などに関する幅広い知識も必要な分野です。
この記事で取り上げた
「環境学」
はこんな学問です
人と地球環境の密接な結び付きを理解し、自然科学と人文・社会科学の知識を合わせ、人が自然と共存し、持続可能な発展を目指すための学問である。個別の研究テーマは多岐に分かれており、人と自然を一連のシステムと捉えて環境問題の解決策を研究する「環境システム学」、主に都市と自然と人の調和を図る建築・インテリアを研究する「環境デザイン学」、複雑化する地球環境に対応するために地理学・環境生態学・情報科学を駆使する「地理学」などがある。
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