どんな本でも見つかる図書館ってあるの?

この記事をまとめると
- 「国立国会図書館」には日本にあるすべての本が集められている
- マンガやCDも保存され、ファッション雑誌などは創刊号から読める
- 国立国会図書館で働く人は超難関試験に合格したエキスパート
「どんな本でもお任せ」の日本最大の図書館
本屋へ行っても図書館へ行っても探している本が見つからない……。そんな経験をしたことはありませんか? ネット上の書店なら種類はたくさんありますが、何年も前に出版された本だと手に入れるのが難しいことも多いようです。
では、本屋や図書館に置かれなくなった本は所有者に頼むことでしか読むことができないのでしょうか? そんなことはありません。実はどんな本でも読むことができる場所が存在します。それは日本で唯一“国会”に属する図書館「国立国会図書館」です。国立国会図書館には過去から現在まで、日本で出版されたすべての本がそろっているんです。
まるで本の博物館! 雑誌は創刊号から読める
国立国会図書館の重要な使命は「本や雑誌などを集め、使いやすいように整理し、保存すること」にあります。そのため出版社が本を発行した際、必ず1冊を国立国会図書館に収める「法定納本制度」が定められています。文章で書かれた本だけでなくコミックスや楽譜、CD・DVDもその対象です。月刊・週刊のマンガ雑誌やファッション雑誌も創刊号から全てそろっています。
すでに収められている本に加えて、毎年、何万冊もの本が出版されます。それだけの本や雑誌をどのように保存するのでしょうか。実は、国立国会図書館には京都に建てられた分館「関西館」が存在します。この関西館や「国際子ども図書館」などと分担しながら本を収集・保存しているのです。
国立国会図書館での仕事は本の貸し出し、利用者の質問に答える「レファレンス」、資料のコピー(複写)を始め、古くなった本や傷んだ本の修理、目録の作成、本やCDの情報をデータベースに登録する作業などさまざま。ほかにも、デジタル化が進むと同時にインターネット上の情報をまとめた「電子図書館」もスタートし、ホームページや電子書籍・電子雑誌の収集なども新しく仕事に加わっています。
なお国立国会図書館で働くために資格は必要ありません。代わりに職員採用試験に合格しなければなりません。採用試験には「総合職試験」「一般職試験」の2種類があり、それぞれ筆記試験とグループディスカッションや個人面接などの口述試験が行われます。毎年600~1000人程度が受験して合格者はごくわずか。総合職は3人ほどしか合格しない年もあります。倍率にして約100倍のとても狭き門です。
すべての本を未来へ届ける「本の番人」
国会議事堂のとなりに位置する国立国会図書館には国会議員も訪れます。国会の記録や法律、政治に関する資料がたくさん保存されており、法案の作成や調査研究のためにも利用されています。国立国会図書館から日本の未来を形づくる重要な法案が生まれることもあるかもしれません。
今後も、紙の本や電子書籍は次々と出版されるでしょう。国立国会図書館はそのすべてを集め、使いやすいように整理し、守り、次の世代に届ける「本の番人」ともいえる存在なのです。司書に興味がある人は、一度現地を訪れてみてはいかがでしょう。
この記事のテーマ
「教育」を解説
教育機関や子ども向けの施設で、教育指導に関わる仕事を目指します。小・中学校や高等学校の教員を目指す場合、大学や短期大学の教職課程で学ぶ必要がありますが、専門学校の中にも、提携する大学や短期大学の通信教育を受けて、教員免許状を取得できる学校もあります。語学教師や臨床心理士など希望する職種により、必要な資格や免許が異なります。
この記事で取り上げた
「司書」
はこんな仕事です
図書館や政府機関、企業の資料室などで必要な本や新聞、CDなどを選定・収集・分類し、貸し出し・返却業務を行う仕事。大量にある書籍に、規則に沿った特定のコードを付け、コンピューターなどを使って記録・整理することも重要な仕事となる。情報化社会となったことで資料を効率よく探す手伝いをする司書のニーズは上昇傾向にある。大人だけでなく、子どもに対しては読み聞かせ会の企画運営を実施するなど、より多くの地域の住民に本を利用してもらえる環境づくりも行っている。
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