自然公園の平和を守るヒミツ戦隊?!

この記事をまとめると
- 国立公園を守る「パークレンジャー」という仕事がある
- 動植物の保護だけでなく、施設管理やイベントの企画などもする
- パークレンジャーは環境省に所属する国家公務員
「パークレンジャー」は公園を守るヒーロー?
みなさんのなかには、幼い頃の夢が「戦隊モノのヒーロー!」だった人もいるのではないでしょうか? 特に男子のなかでは、「○○レンジャー」に憧れて、「自分もいつか、○○レンジャーになるんだ!」と考えていた人もいるかもしれません。
そこで今回は、本当にある「レンジャー」の仕事をご紹介します。
そのレンジャーが戦う舞台は、大自然のなか。国内の国立公園で自然や野生動物を守る、「パークレンジャー」という仕事です。世界遺産にもなった北海道の知床や、富士山、屋久島など全国に31ある国立公園をはじめ、森林、河川、里山、自然公園などでパークレンジャーは活動しています。では、実際にはどんな仕事をしているのでしょうか?
野生動物の保護からトイレ整備まで
パークレンジャーというと、国立公園内を一日中パトロールして異常事態に対応するようなイメージを持ちますが、その仕事内容は多岐にわたります。園内を巡り、野生動植物の保護・調査や、清掃に取り組んでいるのはご想像のとおり。
その他にも、登山道やビジターセンター、トイレや展望台、休憩所といった、来園者のための施設を整えて運営するのも仕事です。また、国立公園を訪れた人たちに、自然を壊さないように適切な利用を指導したり、園内に生息する動植物について説明したりと、人前に立つことも。自然観察会などの一般向けイベントの企画もします。
さらに、自然を破壊しないように、開発事業者を指導したり、原生林など手つかずの自然の保全や、過去に損なわれてしまった自然環境の再生活動も行っています。希少野生動物のトキやアホウドリ、タンチョウやイヌワシ、イリオモテヤマネコなどの保護や増殖に取り組んでいるのもパークレンジャーです。自然公園のあらゆる業務を一手に担う、まさにヒーロー的存在ですね。
大自然を駆け回るだけではない!
実はパークレンジャーはれっきとした国家公務員です。レンジャーになるためには、公務員試験に合格して、環境省に入らなければなりません。技術職として採用されるので、大学や高校で環境学や林学や農学、造園、土木などを勉強してきた人が多いようです。
人によっては、北海道から沖縄まで、全国各地の国立公園を渡り歩くこともあるのだとか。自然と向き合うばかりではなく、地元の住民や学識者、行政や自然保護団体など、たくさんの人たちと連携して仕事をすることも多いようです。
一度失ったり壊れてしまうと、なかなか取り戻すことのできない貴重な自然。水と緑に恵まれた日本の財産です。パークレンジャーをはじめとする自然に寄り添いながら守っていく仕事は、その豊かな自然をずっと先の未来の日本に残していく仕事なのです。
この記事のテーマ
「環境・自然・バイオ」を解説
エネルギーや環境問題の解決など、自然や環境の調査・研究を通じて、人の未来や暮らしをサポートする仕事です。また自然ガイドなど、海や山の素晴らしさを多くの人に伝える仕事もあります。高い専門性を必要とする仕事なので、職業に応じて専門知識や技術を学び、資格取得や検定合格をめざす必要があります。
この記事で取り上げた
「パークレンジャー」
はこんな仕事です
全国の国立公園を保護するためにパトロール・調査などを行う仕事。環境省が全国に設置する自然環境事務所・自然保護官事務所などに勤務する国家公務員で、「自然保護官」とも呼ばれる。登山者が安全に山を楽しむための登山情報を発信したり、調査のために生息する動物に標識を付けたりするのもパークレンジャーの仕事だ。国立公園の管理業務のほかに、動植物の保護、里山の保全、開発行為の許認可審査、ビジターセンターやトイレの整備、美化清掃・環境再生・環境教育の推進など幅広い業務を行う。
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