【シゴトを知ろう】ミュージカルダンサー 編

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【シゴトを知ろう】ミュージカルダンサー 編

2018.02.16

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】ミュージカルダンサー 編

ダンスや歌でミュージカルを彩り、人々に感動を与えるミュージカルダンサー。皆さんの中にも、憧れた経験がある人がいるのではないでしょうか。今回は、劇団四季『アラジン』などの作品に出演し、幅広く活躍している花岡麻里名さんに、仕事内容や学生時代に学んでいたことについて伺いました。

この記事をまとめると

  • ほとんどの場合オーディションに合格することで作品への出演が決まる
  • 大学院での高齢者ケアの研究が、ダンスが持つ強い力を学ぶきっかけになった
  • 運だけではなく、しっかりと毎日鍛錬を積んでいける人が活躍できる世界

舞台はたくさんの人の努力が一つになって成り立つもの

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
私はミュージカルダンサーとしてさまざまな公演に出演しています。まず、公演に出演するためにはオーディションに合格する必要があります。オーディションは、大体その公演が始まる半年から2年前くらいに開催され、書類審査、一次審査、二次審査、最終審査と続くことが多いです。ほとんどの場合、最初にダンス審査か歌の審査があり、その次にまたどちらかの審査が続きます。そして最後に台詞の審査などが追加され、出演者が決められていきます。

ちなみにオーディションの情報は一般に公表されず、事務所を通して入ってくることが多いです。また、オーディションだけでなく、プロデューサーや演出家から直接お声掛けいただいて出演することもあります。しかし、それは舞台に出て知ってもらった上で得られるチャンスなので、まずは一つ舞台に立つことが大事です。

こうして舞台への出演が決まると演出家のもとで稽古が始まります。それぞれの公演によって必要となるダンススキルも違いますし、ときには歌唱が求められることもあるので、日頃からしっかりとレッスンを積むようにしています。また、東京や大阪、名古屋や博多など地方を回って公演することもあります。

<一日のスケジュール>
10:00 楽屋入り。ウォーミングアップや発声、メイクなどの準備
13:00 マチネ(昼)公演開始
16:00 マチネ公演終了。メイク直し、食事
18:00 ソワレ(夜)公演
21:00 ソワレ公演終了。メイク落とし、片付け
22:30 退館
 

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

たくさんあるので絞るのが難しいのですが、やはり多くの人々と協力して作品を作り上げることにやりがいを感じます。舞台は演出家を始め出演者、スタッフなど、本当にたくさんの人の努力が一つになって初めて成り立つものです。良い舞台をお届けしようと一致団結し、最善を尽くして稽古を重ね、初日幕が上がって初めてお客さまの笑顔と拍手をいただいたときには、今までの頑張りが報われるようで胸がいっぱいになります。お互いに支え合い尊敬し、切磋琢磨しながら成長できる仕事は他にあまりないと思います。
 

Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
 
自分の身体が商売道具なので、常に良い状態を保たなければならないのはとても大変です。風邪予防などの体調管理はもちろんのこと、ダンスには怪我がつきもの。劇中激しいダンスナンバーがあれば特に注意が必要です。それを何カ月も続けるとなるとやはり普段からの鍛錬が必要ですし、加えて本番直前の身体のウォーミングアップや本番後のケアなど、日々自分の身体と向き合いながら維持しなければなりません。

1日8時間踊る日も! 踊りに全てをかけた大学生活

Q4. どのようなきっかけ・経緯でミュージカルダンサーの仕事に就きましたか?
 
もともと幼少のころからバトントワリングやバレエを習っていて、踊ることが大好きでした。そしてある日、劇団四季の『CATS』を観劇して衝撃を受け、入団を目指すようになったのがミュージカルダンサーを志すきっかけです。その夢を叶えるため演劇科のある高校に進学し、卒業後は大学の舞踊専攻で学びました。

そうして4年間朝から晩まで踊り続ける生活を続け、無事劇団四季から合格をいただいたのですが、自分の中でどうしてもやりたい研究があり大学院に進学しました。そこで2年間、高齢者を対象にピラティスやダンス、レクリエーションなどを交えたワークを行い、身体と心、環境の変化を記録しながら研究を行いました。並行してダンスのコンクールに挑戦したり、ミス日本のコンテストに出場したりと幅広い経験をさせていただく中で「やっぱりミュージカルの道で頑張ろう」と決心し、卒業後事務所に所属しすぐにオーディションを受け、大型のミュージカルへの出演を果たしました。
 

Q5. 大学では何を学びましたか?

大学の舞踊専攻では、クラシックバレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンス、身体の解剖学など、踊りの基礎をしっかりと学びました。また毎年定期公演があり、振付家と共に作品創作も行っていました。ソロで踊るだけでなくデュエットやトリオなど相手がいる中で踊る作品も多く、女子大だったのでときには女の子同士でリフト(*)をこなすことも。公演前は8時間踊り続ける日もありました。この4年間がなければ今の私の踊りはないといえるくらい、踊りに全てをかけることができた大切な4年間です。

大学院では、老人ホームに週1回通い、高齢者の方々に30分のコミュニティダンスを行っていました。ピラティスをベースに、座りながらできる筋力トレーニングで身体を動かしたり、歌に合わせて踊ったりして、心と身体、両方を動かし楽しめるワークを目指していました。

認知症の方も多かったので罵声が飛んできたり、使用していたボールが飛んできたりすることもありましたが、そういうときでも前に立つ者として表情を変えず、冷静に一人ひとりの様子を把握しながら進めていくことの大切さを学びました。そして、何よりも大きな発見だったのが「歌やダンスは年齢や言葉を超えて、どんな人でも通じ合える」ということです。一方通行なパフォーマンスを見せるだけではない、ダンスの力を学びました。

*リフト……2人組で踊るバレエなどで、相手役を高く持ち上げる技法。通常男性ダンサーが行う。
 

Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生の頃は「劇団四季に入る」ことしか考えていませんでした。実際に、今は劇団四季の『アラジン』という作品と契約をさせていただき、毎年継続して出演しています。

制限せずさまざまな世界を見ることで、自分の可能性も広がる

Q7. どういう人がミュージカルダンサーの仕事に向いていると思いますか?
 
とにかく努力できる人だと思います。舞台の出演は、簡単に運だけで手に入ることはありません。たまたま出られたとしても、実力がなければすぐに切り捨てられてしまいます。自分の現状に甘んじず、毎日鍛錬し続けられる人が活躍できるのだと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
ミュージカルダンサーを目指して一直線に努力することも必要ですが、さまざまな世界を見て、より多くの経験をすることもとても大切です。私は大学時代、本当にいろいろなことに手を出し、寝る間も惜しんであれこれと挑戦していました。たくさんの世界を自由に覗ける今だからこそ、一つの道だけを見るのではなく「ああ、こういう世界もあるんだ」と興味のある場所に積極的に顔を出し、良いことも楽しいこともつらいことも経験することが今後の自分に大きくつながると思います。今やりたいことが決まっていないという人も、そういう姿勢で行動していれば自然に夢も定まってくるのではないでしょうか。

私にとっても、ミュージカルダンサーは夢の頂点ではなく、さらにその先にある夢への大切な過程です。「私にはこれだけ」と決めつけずに「もしかしたらこれも合うかも」と常に探り続けることが、自分を突き動かす力になりますよ。
 

花岡さんのお話を聞いて、華やかに見える世界の裏には日々のたゆまぬ努力や挑戦が隠れていることが分かりましたね。ミュージカルに限らず、舞台とはやり直しがきかないものです。生身の人間が作り上げることで生じるリスクもありますし、1回きりだからこそ生まれる感動もあります。数時間の本番のために、何カ月も準備を重ねるミュージカルダンサー。この仕事に憧れている人はぜひ、実際の公演に足を運んでみてくださいね。

 
【profile】ミュージカルダンサー 花岡麻里名
第3代神戸ウエディングクイーン
2014年度ミス日本「海の日」
カンボジア・ケップ州親善大使

公式Twitter:https://twitter.com/hanamariririri
最新出演作:ミュージカル『マタ・ハリ』http://www.umegei.com/matahari/

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「ミュージカルダンサー」
はこんな仕事です

演技・歌・踊りの総合芸術であるミュージカルの舞台で、主役の周りでダンスをする仕事。歌やせりふも入る役ではミュージカル俳優としての仕事になるので、演技や歌の総合力があると有利になる。ミュージカルを専門とした劇団への入団を目指す他、作品ごとのオーディションを受ける道があるが、いずれも狭き門である。作品内容によってはバレエやストリートダンスなどのテクニックが求められるので、舞踊系の大学や専門学校などで多様なダンスの基本を身に付けるのもよいだろう。

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